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氷の奇公子 ~変人王子の生存術~  作者: 佐藤湊
第1章 誕生と王国の影
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プロローグ(第1話) 爆死からの転生

主人公無双ではありませんが、そう見える描写がしばらく多く出てきます。本編に入るのはまだ先です。主人公が5歳になれば物語が動き出します。

本作は少しずつ世界が広がっていく作品なので連続閲覧が重要になってきます。

ご留意ください。


8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。

田舎とも都会ともつかない、どこかの県の、どこかの市に生息している。


歴オタand厨二病のハイブリット。


ついでに、特にこれといった取り柄もない。


そんな役立たず高校二年生、17歳。


それが俺――佐藤湊である。


名前まで含めて、これ以上ないくらい平凡だ。


そんな俺は現在、バス通学の真っ最中だった。


そして俺の気分はというと――猛烈に沈んでいる。


オスミウム。


地球上で最も密度の高い元素。


その塊を丸ごと胃袋に放り込まれたような気分だ。


……いや。


むしろ胃袋どころか、心臓に詰め込まれている。


原因は、昨日のことだ。


          ◆


唐突だが、俺には幼稚園の頃からずっと隣にいる女の子がいる。


巷でいうところの――「幼馴染」というやつだ。


名前は、朝倉美咲。


家が隣。


幼稚園も同じ。


小学校も同じ。


中学校も同じ。


そして、高校まで同じになった。


ここまでくると、もはや腐れ縁と言ってもいい。


俺たちが一緒にいることを、周囲の人間は誰も特別なことだとは思っていなかった。


もちろん、俺自身もそうだった。


――少し前までは。


いつからだっただろう。


美咲が笑っていると、嬉しくなった。


美咲が誰かと楽しそうに話していると、ほんの少しだけ面白くなくなった。


美咲が俺以外の男子の名前を口にすると、なぜか胸の奥がざわついた。


最初は、ただの幼馴染だからだと思っていた。


ずっと一緒にいたから。


それだけだと。


けれど――ある日、ようやく気づいた。


俺は、美咲が好きなんだ。


そう自覚してしまえば、もう誤魔化すことなんてできなかった。


卒業まで待つ理由もない。


だから俺は――告白した。


放課後。


いつもの帰り道。


夕暮れに染まった道で、俺は彼女の名前を呼んだ。


「美咲」


「なに?」


振り返った彼女の顔を見て、心臓が跳ねる。


それでも、逃げるわけにはいかなかった。


「俺、美咲のことが好きだ」


言った。


言ってしまった。


美咲は、何も言わなかった。


ただ夕焼けを背にして、じっと俺を見つめていた。


やがて――彼女は小さく笑った。


「……そっか」


「うん」


「嬉しい」


その一言に、俺の胸が跳ねた。


けれど。


「でも、ごめん」


――世界が止まったような気がした。


「……なんで?」


やっと絞り出した声に、美咲は俯いた。


「分からない」


「……」


「湊のこと、大切だよ」


「うん」


「たぶん……すごく好き」


その言葉に、一瞬だけ期待してしまった。


「……じゃあ」


思わず言葉が漏れる。


けれど、美咲は首を横に振った。


「でも……」


そこで言葉が途切れる。


そして、少しだけ苦しそうに笑った。


「それが、恋なのか分からないの」


俺は、何も言えなかった。


美咲は続ける。


「ずっと一緒にいたから……湊がいなくなるなんて、考えたこともなかった」


一度、言葉を切る。


「でも、それが幼馴染だからなのか……好きだからなのか……私、自分でも分からない」


「……そっか」


それしか言えなかった。


「だから……少しだけ、考えさせて」


俺は頷いた。


「分かった」


彼女を責める理由なんてなかった。


だって、美咲自身が一番困っているように見えたから。


だから俺は、笑った。


「急がなくていいよ」


――それが、今世最後の約束になるとは知らずに。


          ◆


分かっている。


俺は、振られたんだ。


……いや。


正確には、保留なのかもしれない。


まだ答えをもらったわけじゃない。


だから、振られたという表現は少し違う。


頭では分かっている。


それでも――どうしても割り切れなかった。


そんな複雑な感情を抱えたまま、俺はバスの座席に座っていた。


窓の外を流れていく景色を、ぼんやりと眺める。


昨日の美咲の言葉が、何度も頭の中で繰り返される。


『それが、恋なのか分からないの』


「…………」


……考えたって仕方がない。


そう思っても、考えてしまう。


人間とは、そういう生き物だ。


特に俺はそうだった。


歴史の本を読んでいるときですら、意味もなく過去の出来事を延々と考察するような人間である。


自分の恋愛について考え始めたら、止まるはずがない。


――そして。


俺の思考を強制的に止める存在が現れた。


前方の席。


そこに座っているのは、同じ学校の生徒だった。


男女二人。


どう見てもカップルである。


「…………」


二人は楽しそうに話している。


笑っている。


肩を寄せている。


どう見ても幸せそうである。


「…………」


……うん。


精神攻撃かな?


よりにもよって。


昨日、好きな女の子に告白して。


「恋なのか分からない」と言われて。


一晩経っても気持ちの整理がついていない俺の目の前で。


仲睦まじくしているカップル。


「…………」


やめろ。


今はやめてくれ。


見たくない。


なのに、視界に入る。


楽しそうな笑い声まで聞こえてくる。


「ねえ、昨日の――」


「うん、それでさ――」


「ははは」


「…………」


俺の心が、少しずつ削られていく。


惨めだった。


悲しかった。


悔しかった。


どうしようもなく、胸が苦しかった。


そして。


昨日から溜まりに溜まっていた感情が――ついに限界を迎えた。


心の奥で、何かが切れた。


ダムが決壊する。


理性より先に、感情が口を動かした。


『リア充爆発しろ』


――その瞬間。


ほんの一瞬だけ。


本当に、時間が止まった。


「……え?」


長いのか。


短いのか。


それすら分からない。


ただ――世界から音が消えた。


エンジン音も。


話し声も。


車の走る音も。


何も聞こえない。


俺は、ただ前を見ていた。


「……?」


何かがおかしい。


そう思った瞬間――


轟音。


「――ッ!」


バスの中が激しく揺れた。


何が起きたのか理解する暇すらなかった。


身体が浮く。


視界が歪む。


何かを掴もうと手を伸ばす。


けれど、何も掴めない。


「な――」


声にならない。


次の瞬間、視界が白く染まった。


頭の中に、最後に浮かんだのは――


美咲の顔だった。


『急がなくていいよ』


……そうだった。


まだ、答えをもらっていない。


まだ、何も終わっていない。


だから――


もう一度、会わなきゃ。


そう思った。


けれど。


そこで俺の意識は、暗闇に沈んだ。

主人公無双ではありませんが、そう見える描写がしばらく多く出てきます。本編に入るのはまだ先です。主人公が5歳になれば物語が動き出します。

本作は少しずつ世界が広がっていく作品なので連続閲覧が重要になってきます。

ご留意ください。


8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。

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