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氷の奇公子 ~変人王子の生存術~  作者: 岸田減税
第4章 二つの生を越えて
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魔法・魔術体系 設定資料

1.まず「魔法」と「魔術」は完全に別物


この世界では、魔法と魔術は同じものではない。


魔術


一般的な人間が使うことのできる超常的な技術。


基本的には、


身体を強化する

武具を強化する


といった、自分自身や自分が触れている武具に作用する術。


魔術を使用するには必ず詠唱が必要であり、強力な魔術ほど長い詠唱や高い魔力を必要とする。


魔法


約300年に一度という極めて低い確率で、王族または上級貴族から生まれる特異な能力。


魔法は、自分自身や自分が触れている武具以外の自然現象そのものを書き換えることができる。


つまり、


魔術=自分自身・自分の武具を強化する


魔法=自分の外側にある自然現象へ干渉する


という違い。


この違いは世界観上かなり重要。


2.属性は大きく二つ


この世界の属性は基本的に二種類。


氷属性


アイティクイ人が使う属性。


アイティクイ人は氷雪の女神を信仰しているため、氷属性を持つ。


通常の氷属性魔術師は、魔力が水色に見える。


炎属性


アイティクイ人以外のほとんどの民族が使う属性。


多くの人々が灼熱竜アルデーンスを信仰しているため、炎属性となる。


通常の炎属性魔術師は、魔力がオレンジ色に見える。


ただし重要なのは、


通常の魔術において、氷属性と炎属性の違いは基本的に「魔力の色」だけ。


氷属性だから氷を作れるわけではない。


炎属性だから炎を作れるわけでもない。


普通の魔術師が使えるのは、あくまで身体強化や武具強化などの魔術。


3.通常の魔術


通常の魔術の代表が、


身体強化魔術


自分の身体能力を強化する。


筋力、速度、反応、耐久力などを高められる。


使用中は身体を魔力が覆うため、魔力の色が目に見える。


氷属性なら水色。


炎属性ならオレンジ色。


武具強化魔術


自分が触れている武器や防具などを魔力で強化する。


剣なら切断力や耐久力、槍なら威力などを高められる。


こちらも使用中は武具を魔力が覆うため、属性による色が目に見える。


4.上級魔術


王族などの上級貴族には、通常の強化魔術より上位の魔術が存在する。


上級身体強化魔術


通常の身体強化魔術より強力。


上級武具強化魔術


通常の武具強化魔術より強力。


したがって、身分によって扱える魔術の上限が異なる。


大まかには、


一般的な魔術師

→ 身体強化・武具強化


王族・上級貴族

→ 上級身体強化・上級武具強化


となる。

また、追加でこれらの魔術に加えて魔力の放出による「威圧」という魔術も存在するがこれは詠唱は不要


5.魔術には必ず詠唱が必要


魔術を使う時には詠唱を行う。


アイティクイランド王国の貴族など、氷属性の魔術師の場合は氷雪の女神へ祈る形式。


氷属性の基本詠唱


アエテリアの大地に祝福をもたらす氷雪の女神よ。


哀れにも神の御力に縋る我に神の祝福を与えたまえ。


我が願うは『(魔術名)』の祝福。


我が祈りを聞き届け、


御身が祝福を与えたまえ。


「身体強化」「武具強化」など、使用する魔術名を入れる。


6.炎属性の詠唱


炎属性の場合は、灼熱竜アルデーンスへ力を求める。


炎属性の基本詠唱


アエテリアの大地を支配する灼熱竜アルデーンスよ。


哀れにも其の御力に縋る我に竜の御力を与えたまえ。


我が願うは『(魔法、魔術名)』の力。


我が祈りを聞き届け、


御身が御力を与えたまえ。


こちらも魔術名を入れて使用する。


7.詠唱中には魔法陣が現れる


身体強化魔術、武具強化魔術、およびその上級版を使用する際には、術者本人の足元から魔法陣が浮かび上がる。


その後、術が完成すると、


身体強化なら身体

武具強化なら武具


を魔力が覆う。


そこで初めて魔力の色がはっきり見える。


つまり戦場では、


「魔力が身体を覆っている」


「水色の魔力だから氷属性」


「オレンジ色だから炎属性」


と視覚的に判断できる。


8.300年に一度の「魔法使い」


ここが通常の魔術師とは決定的に違う。


約300年に一度。


王族または上級貴族から、魔法を使える者が現れる。


これは普通の魔術師とは比較にならないほど希少。


魔法使いは、


自分自身や自分が触れている武具以外の自然現象を書き換えられる。


つまり、魔術のように「自分を強化する」のではなく、


自分の外側にある世界そのものへ干渉する。


9.レノウィウスは「魔法使い」


主人公レノウィウスは、約300年に一度現れる魔法使いの一人。


氷属性の魔法使いであり、通常の氷属性魔術師とは違って、魔力の色が水色ではなく碧色になる。


そのため、


通常の氷属性

→ 水色


レノの魔法

→ 碧色


という明確な違いがある。


10.レノの氷結魔法

氷結


小規模な範囲で、自由な形の氷を生み出す魔法。


名前通り、氷そのものを自在に形成できる。


氷槍


氷による槍を作り出す。


氷壁


氷による防壁を作り出す。


氷城


レノの最高奥義。


「氷結」の大規模版であり、広範囲へ大量の氷を形成する。


通常の氷属性魔術とは違い、自然現象として氷を発生させる魔法。


11.ティアも「魔法使い」


ティアもレノと同じく約300年に一度の魔法使い。


ただし彼女は炎属性。


エクィトゥム王国は灼熱竜アルデーンスの国なので、炎属性の魔法を使う。


ティアの場合、通常の炎属性魔力のオレンジ色ではなく、


紅色


の魔力になる。


12.ティアの炎熱魔法

竜の鼻息


小規模な範囲に、自由な形の炎を生み出す魔法。


レノの「氷結」に対応する基本魔法。


炎槍


炎による槍を生み出す。


炎壁


炎による防壁を作る。


炎上


ティアの最高奥義。


「竜の鼻息」の大規模版。


広範囲に巨大な炎を発生させる。


13.レノとティアの違い


二人とも非常に珍しい魔法使いだが、属性が違う。


     レノウィウス            ティア

属性      氷                 炎

信仰  氷雪の女神グラシエル        灼熱竜アルデーンス

通常属性色    水色           オレンジ色

魔法使いとしての色碧色            紅色

基本魔法      氷結            竜の鼻息

攻撃        氷槍            炎槍

防御        氷壁            炎壁

最高奥義      氷城            炎上

14.集団詠唱魔術「武装」


さらに特殊な魔術として、**集団詠唱魔術「武装」**がある。


これは通常の一人用魔術とは違う。


10人以上が同時に一つの詠唱を行う。


その結果、


本人にとって最上位の威圧・身体強化魔術・武具強化魔術


を同時に発動できる。


つまり、


「身体を最上級まで強化」



「武具を最上級まで強化」



「威圧」


を一度に発動する集団魔術。


戦闘開始前に発動しておけば、最初から最大戦闘力で戦える。


15.氷属性の「武装」


氷属性の場合は氷雪の女神へ祈る。


アエテリアの大地に祝福をもたらす氷雪の女神よ。


哀れにも神の御力に縋る我らに神の祝福を与えたまえ。


我らが願うは『武装』の祝福。


我が祈りを聞き届け、


御身が祝福を与えたまえ。


「我」ではなく**「我ら」**になっているのが重要。


16.炎属性の「武装」


炎属性の場合は灼熱竜アルデーンスへ祈る。


アエテリアの大地を支配する灼熱竜アルデーンスよ。


哀れにも其の御力に縋る我らに竜の御力を与えたまえ。


我らが願うは『武装』の力。


我らが祈りを聞き届け、


御身が御力を与えたまえ。


こちらも「我ら」という集団向けの詠唱になっている。


17.「武装」使用時の魔法陣


集団詠唱の場合は、通常とは違う大規模な魔法陣が現れる。


10人以上の集団の周囲に、


四方へ小さな魔法陣が4つ


そして、


中央に大きな魔法陣が1つ


出現する。


つまりイメージとしては、


小魔法陣  小魔法陣


  \ 中央大魔法陣 /


小魔法陣  小魔法陣


という配置。


これによって集団全体を一つの術式として扱う。


18.「武装」中の見た目


武装が完成すると、


身体を魔力が覆う

武器・防具を魔力が覆う

強烈な威圧感が発生する


そして属性によって魔力の色が現れる。


氷属性なら水色。


炎属性ならオレンジ色。


一方、魔法使いであるレノやティアが通常の魔法を使う場合は、


レノ=碧色

ティア=紅色


となる。


19.重要な区別


今後の描写では、この四つを絶対に混同しない。


① 通常の魔術


身体強化・武具強化など。

自分や自分が触れている武具に作用する。


② 上級魔術


上級貴族・王族が使える、より強力な身体強化・武具強化。


③ 魔法


300年に一度ほど現れる特異能力。

自然現象そのものを書き換える。

レノとティアがこれに該当。


④ 集団詠唱魔術「武装」


10人以上で一つの詠唱を行い、最上位の威圧・身体強化・武具強化を同時発動する特殊魔術。


この世界では、「魔法=強い魔術」ではない。


そもそも仕組みそのものが違う。


20.世界観上の意味


この設定によって、戦闘の描写にもかなり明確なルールができる。


例えば普通の騎士同士なら、


詠唱開始 → 足元に魔法陣 → 身体強化・武具強化 → 魔力が身体や武具を覆う


という流れになる。


だから、詠唱中は無防備になりやすい。


そのため、


「詠唱する時間をどうやって作るか」


が戦闘の重要な要素になる。


一方、戦闘前から10人以上が集団詠唱して「武装」を完成させていれば、開戦時から最大強化状態で戦える。


そしてレノやティアのような魔法使いは、その強化魔術とは別に、自然現象そのものを直接発生・操作できる。


だからこそ、


「普通の強化魔術師」

「300年に一度の魔法使い」


には、明確な格差が存在する。


同時に、魔法使いであっても身体強化・武具強化魔術を使えるため、魔法だけが全てではない。

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