第九十一話 槍
「船長! なにありましたぜ!」
「え? なになに?」
「立派な槍だ! 船長にぴったりですぜ!」
「おぉ! いいね!」
800年前のとある日、霧鯱海賊団は別の海賊船を潰し戦利品をあさっているととある槍を手に入れた。その槍はガラスみたいに半透明で儚くも太陽の光が見事に透き通っている。船長と呼ばれている少女__ミスト・ルルセルは綺麗だなぁそう自然と心のなかに感想をこぼしながら船員からその槍を受け取り軽く振るった。
身軽、それこそ雲を掴んでいるみたいだ。そう思った。それなのに手から滑り落ちる気もしないすごく……すごく手に馴染む。不思議な感覚に包まれていた。まるで自分のためだけに存在したかのような槍だと思った。
「船長、大丈夫か?」
「え? あぁオル? ダイジョブだよ問題ない」
後ろから声をかけられはっと我に戻った。
(封印しとこうかな。鑑賞用としても全然ありだしね……)
「え? 船長使わないんすか!?」
「うんせっかく綺麗なんだから血がつくのなんて持ったないないからね。野郎どもに言っといて」
「了解でっさー! おーいてめぇら!!」
船員の一人が走っていくのを見送るとミスト・ルルセルはまた槍を見た。やはり見惚れてしまうような怪しげでかつ魅力的なオーラを放っている。
「綺麗だな。どんくらいの値がつくんだろうか」
「なぁんですぐその手の話になるかなオル? ……多分だけど金貨ごときじゃこいつは買えないかな」
「船長がいうならそうなんだろう。船長の眼は正しい」
「えへへ照れるなぁもう」
赤面しながらミスト・ルルセルとベルは自分たちの自室に戻っていった。
「飴舐める?」
「じゃあ一つだけほしい」
「はいはーい」
ミスト・ルルセルは部屋に戻ってそうそう槍を壁に掛けて棚から飴玉を取り出しベルに投げ渡した。投げ渡されたベルの方もなんなく片手で受け取り口に運び入れた。
その飴玉はすぅっと鼻を突き抜けるような爽やかなミントの香りが漂う味だった。
「…おいしい」
自然に柔らかな笑みを浮かべて飴玉を噛みしめるようにゆっくりと舐め続けた。そんなベルを見てミスト・ルルセルは気さくに笑っているように見えた。
「オル好きだよねミント」
「まぁ、うん。そうだね」
ベルは頬をほんのりと赤らめた。
「……船長はいつものイチゴ?」
「いや? ミルク味」
「そっちか。二択外した…」
子どものように悔しがっているベルを見てミスト・ルルセルはクスリと笑った。
「何か変だった?」
「いやぁ別にぃ」
部屋の中は極めて静かだ。耳をすませば波のせせらぎが聞こえてくる。だがそれ以上に天井から他の船員たちが騒いでいるかドッタンバッタンと激しい物音が否が応でも耳に届く。
「今日は結構でかい奴だったからね。あいつらも騒ぐかぁ。なら早く戻らないと」
「うん。所でその槍名前つけるの?」
「えぇ……うーん。そうだなぁ……ま、またあとでね! ほら行くよ!」
「えっあぁうん!」
ミスト・ルルセルに手を引っ張られベルは船上に向かっていく。
くうっ最近ホントに書けない。はぁどうしよ




