第九十二話 思うこと
投稿遅れてすまねぇ……すまねぇ
オルカ邸の客室、他の客室に比べ結構広めの部屋、それこそ二倍か三倍程度の広さの部屋においてある白のベットの上にカリは仰向けになって寝っ転がっていた。
「うーん……」
「どうしたのカリ? 考え事?」
そんなカリを気にして同じく部屋の中にいるクーガが優しく声をかけた。
「いやさぁ、ボクもハザードみたいに出来たらなぁなんて思ったりね」
そういいながらカリは自分の腕からハザードのように銀バッタたちを出そうとするが、ぴょこりと片手で数えるのも勿体ないほどの数しか出てこなかった。それらもハザードの時より一回り小さい。何よりどことなく丸みを帯びていて、愛らしい愛嬌がある形状をしている。
「可愛いね!」
自分の肩に飛び乗ってきた一体の銀バッタを軽く撫でながら元気いっぱいにそういった。
「いやそれは全く持ってそうだけど……ボクもハザードみたいに出来たら便利だなって思ったりしてるんだよ」
難しいなぁ、そう呟きながらカリ自身もその銀バッタを撫でる。
「ハザード……ねぇカリ」
「ん? 何?」
ふとクーガは銀バッタを撫でてる手を止めカリと天井の間に割って入るように上から話しかけた。
「私さ、ハザードにそこまで悪い印象持ってないんだけど、それこそジパングでは助けてもらった側だし。ついだよ? つい、本当にハザードはそのエルクさんだっけ? その人をホントにカリが殺したのかなーって思って」
「あー……」
気さくに笑っているようにも見えるクーガの表情からカリはぎゅと口を噛み締め目を逸らしてから口を開いた。
「エルクを殺したのは紛れもない事実だよ。前後の記憶がないけど、それだけは絶対的なもの。変えられないものだから。ボクが背負うべき罪だよ」
「そっ……か。なんかごめんね」
真剣な雲一つない瞳ではっきりと告げるカリにクーガは一言、謝った。悪かった、と、そんな気持ちを抱いたから。
「いやいや大丈夫だよクーガちゃん。こんなボクと仲良く話して接してくれるだけでも感激だよ」
手を胸に置きカリは瞳をきらりと揺らした。
「そう?」
「そうだよ。ボクは嬉しいんだよ」
「なら、えいっ!」
「るえっ!?!?」
ニコッと明るい笑みを浮かべたと思ったら勢い良くクーガはそのまま重力に任せカリの身体に倒れ込み抱きついた。
突然のことでカリは抵抗するまもなくクーガに思いっきり抱きしめられ顔を赤く真っ赤にしていた。
「私はこれが嬉しいし楽しい!!」
「いやそれは十分もう分かってるんだけどさ…!!」
あたふたしているカリにそんなカリを気にもしていない様子のクーガがはしゃいでいる中、扉がバァン!と強く開いた音がした。
扉の方にクーガとカリの視線が移る。そこにはミストが立っていた。
「クー様いますかー!……って、ん?」
「「あっ」」
ミストと二人の目は重なりあった。なんとも気まずい空気が流れ…
「失礼しました!」
る前にミストは感がいいのか何かを察して足早に部屋から立ち去ろうと扉を閉めていく。
「ミストも一緒に!」
「しまっ!?」
扉が閉まりきるまであとちょっとのところでクーガの手がにゅとミストの腕を鷲掴みにして強制的にベットの方まで連れ込んだ。
「ふふふ捕まえたー!」
「捕まったー、じゃなくて! キュウク様からカリ様と一緒に呼んできてと言われたのできました」
「そうなんだ、……ってミストその肩何!? 怪我したの?!」
一度ミストから手を離したクーガが次に目にうつったのはミストの肩だった。包帯でぐるぐる巻きにされているのに僅かだけだが赤い血が滲んでいた。
「大丈夫じゃないよねミストちゃん? 何があったの?」
「えっとですね、その事含めて色々と話すことがあるので…とりあえずついてきてください!」
「分かった!」
「うん、分かったよミストちゃん。けど回復だけかけてもいい?」
ミストの言葉に二人は首を縦に振り頷いた。そんな中、カリはミストに歩み寄り肩に手をかざした。
「ならお願いします! 急いでて回復かけてもらうの忘れちゃってて」
「そうなの? ……よしこれでいいかな?」
気さくに笑うミストの肩を回復で治した。軽く治した肩をつついた、痛みはないらしく。何も言わずに「大丈夫です」と言っているようにグットポーズをカリに向けた。
そうして三人は部屋を出ていく。




