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俺と彼女らの戦闘記  作者: 松ちゃん
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4章63話 目標、パナマ

 1943年2月。

 東條内閣から移り変わった米内政権を中心とする改革は順調に進み、国内の暮らしや国民のプレッシャーは激減し、まさに現代日本と同じ様に暮らしやすい国へと発展した。

 資材……主に鉄は中国の占領地域から頼っており、皮肉だがそれが現実だと彰は思い知らされた。


 食料問題は相変わらずだが。


 ともあれ、大鳳は2月1日に横浜を出港。10日には護衛艦隊と合流し択捉島単冠湾ヒトカップを北の荒海に向けて出発した。

 指揮官の角田中将の乗り込む大鳳が旗艦。その左右を戦艦金剛と榛名。前後を重巡利根と筑摩がはさみ、周りを軽巡能代と駆逐艦10隻が取り囲む。

 艦隊は20ノットで北太平洋を進み、途中アリューシャン列島のキスカ島で燃料を補給。そのままパナマへと向かう。

 彰は、この作戦が成功すれば日本に余裕ができると確信していた。


     ――――――――――――――


「マック。例の計画はどうだ?」


 ニミッツがマッカーサーに聞く。


「ギルバート攻略作戦か? 陸軍は平気だが、海軍はどうなんだ?」

「エセックス級が既に5隻進水しているが、今すぐ動かせるのはエセックスとヨークタウンだな。イントレピッドとホーネット、フランクリンはまだ訓練が必要だ。」


 ニミッツが答えた。

 1943年2月の時点で米海軍は恐るべき大量生産を駆使したエセックス級空母を既に5隻も完成させていた。更に、今月中には3隻が完成し、海に浮かぶ。


「アイオワ級戦艦もアイオワだけだが完成した。あとマサチューセッツとアラバマが残っている。何とか足りるだろう?」

「まあな。旧式戦艦も使えるだろう?」


 マッカーサーが言っているのは真珠湾攻撃の際攻撃にあった戦艦の事だ。

 どれも世代が古く、低速な戦艦だが砲撃力は健在で修理が終わりかけている艦もいるのだ。


「使えない事はないが、何しろジャップ共に手ひどくやられたからな。今年末までは使えんだろう。早くて1隻だ。」

「……それは悪いニュースだ。良いニュースは無いのか?」

「エセックスがノーフォークから13日に出港する。パナマに向かい運河を通過するから、実質太平洋到達は17日だな。ヨークタウンは残念ながら大西洋勤務だ。」


 エセックスが太平洋に来ればその戦力は太平洋に残っている空母サラトガとあわせて2隻、しかも、エセックスは空母2隻分とも言っていいほどの戦力を有し、結果として3隻分となる。


「それは良いニュースだ。時間がかかるのはなぜだ?」

「ワシントンによるんだとさ。大統領が視察するんだとか。」

「一刻も早く戦力が欲しいのに……まったく。」


 マッカーサーが悪態をついた。それもそのはずだ。ただでさえ戦力負けしているのに視察で一日潰されるのだ。

 別の日にやってほしいものだ。


「それと……マック。」

「なんだい?」


 マッカーサーはパイプを置くとニミッツに向き直る。


「例の計画……本当に阻止するのか?」


 マッカーサーの表情が変わった。


「もちろんだ。あんなもの、世界のバランスを大きく変えてしまう。それどころか、あんなものを首都に落としたら奴らはアリのように潰されても最後まで戦い続けるぞ。」


 マッカーサーは表情を険しくする。

 元からあの酔狂大統領は気に入らなかった。何かとあれば陸軍のせいにするし、何よりキングを自分の娘のように操っている。

 国民に対してはどこか適当なところが多い。そんな大統領に祖国を任せては滅びてしまう。


「確かに私も反対だが……流石に、その、クーデターは……」


 マッカーサーはなんとクーデターを考えていたのだ。大統領のやり方を反対し、証拠さえ掴めば国民に暴露し国民世論を大統領批判へとつなげようとしていたのだ。


「アメリカは自由の国だ。今は日本との戦いに専念すべきだが、その計画の阻止も考えなければならない。私は、ニミッツが信用できるから話しているんだよ。」

「それは嬉しいが、何しろキングが海軍の不審な行動を必ず察知するだろう。私も協力はしたいが、下手には動けないぞ?」

「わかっているさ。なんとかする。」


 ニミッツもマッカーサーと同じ気持ちだった。あの爆弾は、世界のバランスを変えてしまうだろう。

 マッカーサーもまた、自分の命を引き換えにしてでも止めてやると決心していた。


 一体、何を止めるのだろうか?


     ――――――――――――――――


 一方のパナマ爆撃艦隊はアリューシャン列島に近づきつつあった。


「航海は順調だな。」


 角田は松田大佐に話しかける。


「長官こそ、体調は順調そうで。」

「君うまいねぇ!? 今度語り合おうぜ!」

「お断りしときます。」


 角田は持ち前のボーイッシュさを、松田は温厚さを発揮する。それは、荒天で疲れ気味の艦橋を少しだが明るくしている。


「このままだと何日につきそうかい?」

「荒天が続けば18日。晴れれば17日ですね。無事に作戦が遂行できる事を祈りましょう。」


 大鳳は装甲を施したため重心が高くなってしまい、それを下げるために他の空母よりも一層低い。艦首と飛行甲板を一体化するエンクローズドバウという形状により波をかぶることはないが、ローリング(船が揺れる事)が激しいため被害は少なからず出ている。

 数分前は爆弾の固定具が破損し管理人が負傷する事故があった。危うく爆発はしなかったが、嵐は少なからず被害を出す。

 有名な話では、第4艦隊事件がある。


 1935年9月26日。演習のために臨時編成された重巡、空母、駆逐艦などからなる第4艦隊は函館を出港した後台風に遭遇した。

 この台風は勢力が強く、大きな波を起こしたのだ。その結果、沈没は無かったが駆逐艦初雪、夕霧が艦橋付近で船体切断。

 睦月、菊月、三日月が艦橋大破。空母鳳翔飛行甲板損傷、龍驤艦橋破損などの被害が出たのだ。

 この時の事件で船体の、特に駆逐艦の強度不足が問題となった海難事件だったのだ。


「爆弾が転がったときはヒヤヒヤしたよ。」

「私もです。もし爆発したらどうなっていた事か。」


 2人は笑いながらそう話した。

 もし晴れたら17日に到着……つまり、運が良ければエセックスも巻き添えにさせることができるということだ。


 その事を、2人は知る由も無かった。


Fin

どうも、松ちゃんです。


今日はバレンタインですね。聖なる日で、日本では女子から男子へとチョコを渡す日です……なんて言うと思いましたか?


ごちうさ難民にとっては今日はリゼちゃんの誕生日ですよ!!!チョコなんて言ってる場合ではありません!誕生日祝いなさい!(殴


さて、書き貯めが無くなったので書くのに苦労しながら書いてます。変な所とかあったらお知らせくださると嬉しいです。


それではまた来週!

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