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俺と彼女らの戦闘記  作者: 松ちゃん
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3章47話 奪還

 岡村大佐が倒れた後国生大佐がうまく指揮を取り混乱から部隊を立てなおした。岡村大佐の遺体は少し後方にうつされ、数人が残った。


「岡村の仇を取るぞ! 彼女の為にも、必ず飛行場を取るのだ!!」


 左翼部隊は中央の中型機専用飛行場に雪崩れ込むように突入した。

 速射砲や重機に阻まれ、滑走路の途中でバタバタと倒れていく者が多いが、それでも日本兵は立ち止まることを知らなかった。

 人数はこれまでの陣地で少しずつ削られ、今や5000を下回った。それでも負けるつもりは無かった。

銃撃戦と白兵戦が入り混じる。だだっ広い飛行場はやがて戦国時代のように殴り合いやナイフと銃剣による白兵戦に変わった。


「司令塔まで突破するぞ! 俺に続け!!」


 国生大佐は数人の部下を連れて司令塔にかけより、窓から手榴弾を投げ入れた。

 短い爆発がすると同時に悲鳴が聞こえる。それを聞くと国生大佐は扉を蹴破り中に突入した。

 中にはコックと思われるエプロンを身に付けた兵士が倒れていた。敵さんは相当人員が減っているようだ。


「2階を確認する!」


 国生は階段を駆け上がり、2階に達した瞬間肩が蹴られたような衝撃に駆られた。

 次いで熱が伝わり、何か液体が流れる感覚がし始める。銃弾を食らったのだ。


「構うな!! 制圧しろ!」


 部下は小銃を発砲する。その部下も銃弾をくらい糸が切れたように倒れたが少しの銃撃戦をもって指令塔は制圧された。

 中部飛行場の司令塔に、旭日旗が翻った。


   ―――――――――――――――――


 彰達右翼部隊は中部飛行場にいる左翼部隊と合流、岡村大佐の戦死を聞き彰は涙を流す余裕がなかった。

 長時間の戦闘で体の水分は乾ききっており、心の中で冥福を祈ることしかできなかった。

 彰は左翼部隊で動ける者を集めて北の最後の飛行場へと迫ることにした。


 後方に足止め隊を2000人ほど置いて来てしまった。全員を帰還させたかったが、志願者は断固として断り、軍法の話を持ちだしても折れなかった。

 指揮官を無事に帰す為だけにと。


「すまない……」


ヴァンデクリフトは後方の2000名に謝罪と感謝を込めた。ターナーの救助隊はあと1時間程で到着するそうだ。

 マック(マッカーサー)のように隠密に脱出する提案を出されたが、今となっては拒否しておいて正解だったと思える。みんなと最後まで戦えた事が誇りであった。


「来たらすぐに乗船出来るようになるべく軽装にしておけ!」


 ここにいる3000名以上の兵員を後方の2000名の心遣いを無駄にしないように無事に脱出させなければならない。なるべく身軽な状態にさせたのだ。

 機密文書は全て焼き払った。武器も極力破壊させ、重砲関係は残っている物はTNT爆薬で破壊した。

あとはターナーの救助隊が来るのを待つだけだった。


 北飛行場では最後となる戦闘が行われていた。

 敵の最後の全力なのか、弾幕が分厚くなかなか指令塔に近づけず、もうすぐ30分がたとうとしていた。


「少将! 敵の機関銃が到着しました!!」


 彰は返事をし、部下数人とM2を素早く組み立てた。本体を3脚に固定し、ベルトマガジンをカバーの薬室部分に入れてはさみ、コッキングレバーを後ろに思っいきり引っ張った。


「応射せよ!!」


 計4丁の重機関銃が唸りを上げて弾薬をばらまき始めた。

 しかし敵の重機関銃は少なくとも10丁以上はある。火力に関して負けて入るが、こちらだって負けるつもりはない。

 味方の九二式重機関銃も射撃をしている。


 九二式重機関銃は1933年に採用された重機関銃で、全長115.5センチ、重量55.3キロ(3脚含む)、発射速度は450/mである。

 30発の7.7ミリ弾を保弾板と呼ばれる専用の板にくくりつけ、これをサイドの給弾口に入れてコッキングレバーを引いて射撃する。

 長所としては反動を吸収しやすく、命中精度が高い、連射速度が遅いためオーバーヒートが少なく、銃身交換の頻度が少ないなどが挙げられるが、逆に発射速度が従来のと比べ遅く、弾薬も30発入りのためリロードが頻繁に必要な事、何より異常な程重いことである。

 銃本体だけで約28キロもあり、2人がかりで持ち運ばないとならない。

 彰は鹵獲したM2をベースとした新しい重機関銃の開発が必要だなと思った。


「それにしても発射速度遅いな……」


 ちなみにM2は最大850/m、この時期もっとも早かったのはドイツ軍のMG42で、最大1500/mだ。

 各国の重機関銃はダダダダダダダダと聞こえるがなドイツ軍のはとてつもなく早いためブォォォォォォォォと、イメージするなら現代のガトリングのように聞こえたらしい。

 命中精度は前作のMG32と比べて落ちてしまったが、その発射速度が補った。音と性能からアメリカ軍はヒトラーの電動ノコギリと呼んでいる。

 

 この戦いで九二式重機関銃は50丁以上も持ち込まれているため、弾幕ならこちらが上だった。

 もっとも、頻繁にリロードが必要だが。

 やがて米軍の弾幕は薄くなり、ガーランドやトンプソンの銃声が多くなっていた。


「援護する!! 突入部隊は敵陣地へと突入せよ!!」


 彰が叫ぶと事前に集めた突入部隊を突入させた。

 飛行場は土嚢で3つの陣地が形成され、1番目の陣地に500人が突撃した。

 すると敵兵は重機関銃を残して後ろの陣地へと逃げていった。

 呆気に取られた突入部隊は2番目の陣地のM2の餌食になってしまい、たちまち50人程がやられた。


「土嚢を盾にしゃがめ!! 無駄死にをするな!!」


 我に返った兵士はその場に伏せ、狙撃兵や重機関銃兵が援護射撃をする。

 彰は部下と共にM2を運び、1番目の陣地へと走る。途中肩を銃弾がかすめたが、そこまで気にはならなかった。


「急いで設置して!! 設置したら後ろの九二式が到達するまで援護射撃をするぞ!!」


 部下に敷設を急がせた。

 M2は本体38キロ、3脚含め58キロと九二式以上に重かったが、アメリカ人の体格と日本人の体格を考えるとM2は運搬にはあまり苦労しない重機関銃である。

 しかし日本人の体格ではやはり重く、時間が少しかかってしまった。

 しばらくして弾薬のセットも終わり、援護射撃を開始する。弾薬はそれぞれの陣地に置きっぱなしにされていたので、まだまだ困りはしない。

 やや時間が空いて九二式重機関銃も敷設を始める。その間にM2は何百発発射したことか。

 相手の弾幕も負けておらず、彰の隣にいた兵士が頭部に直撃を受け後ろに吹っ飛んだ。

 それに気づかない彰は声をかけた。


「大丈夫……!!」


 しかし、言いかけたところで言葉を失う。

 M2の口径は12.7ミリ。M82バレット対物狙撃銃と同じ口径で、100メートルもない至近距離での銃撃戦のため威力はバレットと同等と考えていい。

 バレットと同じ威力で撃たれたからただではすまない。倒れた兵士は頭部の半分を失っていた。

 彰はその場で嘔吐する。

 間近で頭部を吹き飛ばされた死体を見たため、そのショックは大きい。普通なら発狂してもおかしくない。

 それでも彰は耐えた。無事に帰るために。


「撃ち続けろ!! 敵の弾薬は少ないぞ!!」


 推測で言った言葉であったが、予測は正しかった。米軍は今や各400発程度しか残っておらず、これ以上は持ちこたえられなかった。

 米兵は突入される前に2番目の陣地を放棄。最後の陣地である司令塔周辺に固めた土嚢の陣地と司令塔に立て籠もった。


「迫撃砲はあるか!?」


 彰が叫ぶと迫撃砲部隊が駆け寄ってきた。


「あの司令塔に叩き込んでやれ!!」

「了解しました!!」


 迫撃砲の設置作業が始まった。同じく重機関銃で援護射撃をする。

 弾幕をより一層厚くして、反撃の余地を与えないようにしている。しかし、M2も弾薬が尽きかけていた。それまでには陥落させたい。恐らく、今までまともな補給が入らなかった米軍もこの気持ちだっただろう。

 隣でボシュッ!と、迫撃砲が砲撃を始める。砲弾は空高く舞い上がると司令塔屋上に真上から真っ逆さまに落ちて爆発する。

 屋上だけではない。2階の窓の付近にも弾着させ、窓の射手を沈黙させる。余程の腕だ。


「速射砲で土嚢を吹きとばせ!!」


 速射砲も砲撃を始める。もはやリンチに近い。それでも米兵は後ろの仲間を守るために必死に戦っている。

 賞賛に値する戦いぶりだ。彰も、これ以上は戦う必要がないと考えた。しかし、司令塔を占拠されている以上、戦わねばならなかった。

 ふと、ルンガ岬方面の空に閃光弾が光った。それを確認したのか、米兵は射撃をやめ、白旗を上げて武器を捨て始めた。

 どうやら撤退は終わったようだ。この部隊は足止めで、これまで戦い続けたというわけか。

 彰はすぐに戦闘中止を宣言。それと、ガダルカナル島の完全奪還も宣言した。

 彰は米兵の指揮官を呼び、後日正式に降伏の書類にサインしてもらうように伝えた。


 数分後、最後の司令塔に旭日旗が翻った。

 時は1942年10月19日午前2時。ガダルカナル島の全飛行場に再び旭日旗が翻る。

 日本軍は、ガダルカナル島を奪還したのだ。


Fin

最後までありがとうございます。松ちゃんです。


前回は修学旅行関係で更新出来なかったのでそれののお詫びという事で3話更新しましたが、やはり一気に更新と読みづらいのでしょうか?ご意見おねがいします!


今回もまた一気に更新しましたが、どうか最後までお付き合いおねがいしますm(_ _)m


それではまた次回!

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