3章42話 奪還戦~第7戦隊の奮戦~
18日昼間。
ニュージョージア水道を抜けようとする南雲機動部隊は1航戦から攻撃隊を発艦させた。2隻あわせて零戦20、艦爆42、艦攻30の計92機の兵力だ。
ヘンダーソンからは奇跡的に残っていたF4F4機が迎撃に上がった……負けは必須だが。この4機はたやすく撃墜され、空爆隊は暴れ始めた。
爆撃隊は滑走路ではなく指揮所や重砲陣地、ジャングルの中の陣地に、艦攻は艦爆の後に続いた。
飛行場周辺は爆炎に包まれ、空高くまで昇る。
あれが敵だったら最悪の気分だろう。
空爆は1時間でおわり、引き上げていった。
一部の重砲は生き残っており、ジャングルの中の日本兵にむけて砲撃を始めた。どかどかと撃ち込み、近くの味方が直撃により高く舞い上がった。もちろんバラバラである。
しかし、その砲撃も第2次空襲でやんだ。
2航戦から零戦27、艦爆52、艦爆30が飛来した。同じく飛行場周辺に爆弾を叩きつけ、零戦は逃げ惑う兵士を銃撃したりと、好き勝手にやっている。本来ならやめさせたいが、出来ないのが心に痛む。
空爆隊が去ると破壊された重砲が多かったのかさっきよりも威力は無かった。
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数時間後、ターナー少将率いる待望の輸送部隊が到着した。ヴァンデクリフトは大いに喜び、早速揚陸作業を急がせた。また空襲があるかもしれないからだ。
特に重機関銃の弾薬は嬉しかった。すでに切れかかってきたからである。逆に重砲の砲弾はもはや使える重砲が無かったので意味が無かった。
増援に来たのは陸軍第124連隊だった。およそ4200名である。
「来てもらったところ悪いが早速前線に出てもらう。2個大隊はルンガ、1個大隊は高地へと向かってくれ。高地には146連隊もいる。」
ヴァンデクリフトは叱咤激励を飛ばした。内容はあれだが、待望していた部隊にかけてやれる言葉はこれだけなのだ。
何しろ日本軍は何を考えているのか全くわからない。降伏を知らず、ただがむしゃらに突っ込んでくる。撃っても撃ってもキリがないのだ。
彼らはまだそれを知らない。地獄に送り込んでしまったのだ。
キャラガン少佐とスコット少佐率いる護衛部隊は日本軍艦隊とサボ島沖で戦っていた。
キャラガン少佐に与えられたのは重巡ミネアポリス、ペンサコラ、軽巡ブルックリン、駆逐艦2隻。
スコット少佐は重巡オーガスタ、ヒューストン、サンフランシスコ、駆逐艦5隻。合計13隻である。
先に接敵したのは米軍、スコット少佐だった。
先頭のサンフランシスコは最上を見つけると主砲を斉射、取舵転舵し魚雷を発射した。最上も主砲で反撃し、取舵を取った。お互いが並行するようにしたのだ。
たちまち激しい砲撃戦が始まり、日本軍は最上が、米軍はサンフランシスコに砲弾が集中した。
最上は後部甲板の損傷がひどく、4番、5番主砲が砲撃不能、左舷高角砲が破壊され死傷者は100名にのぼった。
サンフランシスコは砲弾と魚雷3本が命中。沈まないのが不思議なくらいの被害を受け、やがて後方へと退避して行った。
後続のヒューストンはすかさず最上に砲弾を叩き込み、そのうち1発が魚雷格納庫に直撃、大爆発を引き起こした。
その後もヒューストンはオーガスタと共に砲撃し続け、最上はついに主砲弾薬庫の爆発により竜骨が俺くの字に曲がり沈み始めた。
三隈、鈴谷、熊野はヒューストンに狙いを定め魚雷を発射、計18本のうち7本が命中した。至近距離での酸素魚雷の爆発に耐えられなかったヒューストンは大爆発と共に数分もたたずに沈んだ。文字通りの轟沈である。
オーガスタも3隻の袋叩きにあい、よろよろと戦線離脱を始める。
日本軍は進撃を始めようとしたところ、今度はキャラガン少佐の部隊が到着した。
ブルックリンが魚雷を発射し、駆逐艦もそれにならい魚雷を発射する。
2本が熊野に命中、浸水し傾斜が生じたがすぐに復元された。
1本は鈴谷に、しかしこれは不発でなんら大きな障害にはならなかった。三隈を筆頭に順番に砲弾を叩きつけた。
たちまちペンサコラは火だるまになり、魚雷を発射してから後方に逃げた。
ブルックリンは単艦で第7戦隊のど真ん中に突入し混乱を引き起こした。しかし、奮闘虚しく重巡の20センチ砲によって轟沈させられた。
ミネアポリスは鈴谷に砲弾を10発命中させた。艦橋設備はズタズタにされ、戦闘不能となり退避を始めた。すると、隙間から駆逐艦島風が自慢の40ノットでミネアポリスに急速接近し始めた。
ミネアポリスは衝突を避けるため主砲をぶちまけるように撃ち舵を切ったが島風は12.7センチ砲で艦橋上部のレーダー設備を破壊。更に魚雷を発射した。
魚雷はミネアポリス後部に1本、左舷に3本命中。たちまち浸水が発生し、ゆっくりと傾き始めた。
そこに追い打ちをかけるように3隻の主砲弾が叩き込まれ、ついに爆発をおこし沈んでいった。
護衛部隊は壊滅したのだ。
米艦隊は損害を出しつつもその本来の任務を果たしたといえよう。
輸送船はルンガに続々と突入、物資をおろしている。
しかし、これでおわるほど日本海軍はあまくなかった
Fin




