2章29話 仕事
ポートモレスビー、海軍作戦本部会議室。
山本が南雲、近藤、高須、栗田の4人が招集し、4人は山本から話を受けている。
「彰がラバウルから出発、無事にムンダに到着し投降の交渉を行っているとさっき連絡が入った。彰が仕事をしている間、私達も彼から依頼された仕事をこなそうと思う。」
「長官、仕事とは?」
高須が疑問に感じている。今のところ大きなミスもないし、勝ち続けている。ガダルカナル島戦以外だとしたら、別の仕事とはなんだろうか?
「八八艦隊の再建をお願いしてきたよ。」
全員が驚いた。
「八八艦隊を再建するにしても、資材はともかく燃料が……」
近藤が反論した。燃料なんて備蓄は2年分、本気で動いたら1年半で無くなる量しか無いのだ。
「満州黒竜江省、ハルピンの北西150キロ、チチハル南東120キロ地点。」
「長官?」
「大慶と名付られるその場所には今の日本が必要とする石油の数十倍の量が眠っているらしい。」
「んな……!?」
山本がそう告げると近藤が言葉に詰まった。無論、他の皆もそうだ。
「燃料は問題ないだろう。」
「しかし、今の時代戦艦はいらないのでは……」
高須の言っていることは事実だ。航空機の実力が証明され、今や主戦力として重宝されている空母が戦力となり、戦艦は時代遅れとなっているのだ。
「彰が要求してきたのは、戦艦8、航空戦艦4隻、空母4隻からなる艦隊だよ。」
「航空戦艦??」
山本がそのまま説明する。
「航空戦艦は前は戦艦としての戦力、後ろは空母としての戦力を有する艦種だ。実際修理中の伊勢と日向はそうしようとしている。多大な損傷を負った扶桑、山城も同じようにしようと考えている。でもそれは改造であって本格的な航空戦艦ではないんだよ。伊勢らは水上機だけど、この航空戦艦は艦載機を搭載しようと思う。搭載機は現在研究中のJ7W1にしようと考えてるだけど……」
「長官! あれは局地戦闘機として開発したものです! 艦載機にするなんていささか無理があります!」
反対したのは南雲だ。空母ならともかく、まともに滑走距離が取れないであろう戦艦に搭載するのは不可能だと考えたのだ。
「それを解決するのはカタパルトだと彰が言ってたよ?」
「カタパルト?」
高須が疑問に感じる。
「カタパルトを滑走路に埋め込み、それをJ7W1の前輪に接続して射出する。これで稼げると言ってたけど……」
「そんな使い方があったのか。」
「確かにそれなら……」
みんな考え始めた……これがうまく行くのかどうかわからないけど、彰ならやるだろう……。
山本は1人冷静に物事を捉える。果たして、この計画がアメリカ軍に対してどう出るか、結果が全くわからないのだから。
(私はこの戦いを長引かせたくない。もし早期終戦が出来るなら、彰はそっちを選んだだろう。だとしたら、何故……?)
この計画がどう転ぶのか?そして、J7W1とは?
――――――――――――――――
「あの八八艦隊とレールガン搭載の戦艦がいれば空母が無い日本軍でも戦える。」
彰はムンダの兵舎で寝転がりながら思案に老けている。
「戦いは長くなる。歴史は変わった。俺は、早く終わらせるためにあえてこの計画を提案したんだが……」
彰の真意は早期終戦。それを行う為の計画が八八艦隊。これは紛れの無い事実としていま確定した。
しかし、早期終戦を行うなら戦力増強を行う必要はないはずだ。彰なら今の現有戦力でやりくりできる知識があるのだから。
現に、ミッドウェーでは3空母を救った。これだけでも凄いことなのに。
では何故……
「……原爆を、マンハッタン計画を何としても阻止しないと。」
Fin
最後まで読んでいただき有り難うございます。松ちゃんです。
投稿日を1日勘違いしてしまいました。ごめんなさい!
それと、学校が始まってしまったのでまた同じような事があるかもしれませんが、気をつけます。
次回は3日夜9時です!




