2章15話 北方警戒隊
リーフコール大佐率いる北方警戒隊は重巡ヴィンセンス、クインシー、アストリアと駆逐艦ヘルムとウィルソンで編成されていた。
リーフコールは艦橋をアダムス少佐に任せて仮眠をとっていたが、南方部隊の砲火を見た見張り員に叩き起こされた。しかし統一指揮の問題もあり状況が全く不明だった。すると後方から探照灯による照射を受けた。これを友軍艦と行為と判断し、
「照射を止めよ、われ味方なり。」
と連絡し、体制を立てなおしてから南方部隊の増援に赴こうとした。しかし、かれにとって誤算だったのは後方から来ていたのは第8艦隊である事だった。
鳥海は目の前にいる重巡アストリアに向けて砲撃を開始した。距離5000メートルのため、命中弾はすぐに出た。アストリアも砲撃をしたが友軍を攻撃していると考えた艦長は砲撃をやめさせた。
しかしその友軍の正体に気づいた時には既に遅く、多数の命中弾により戦闘力は無くなり、鳥海の一番主砲を破壊しただけで転覆沈没していった。
アストリアを撃沈した第8艦隊は標的をクインシーに移した。クインシーは艦中央の艦載機に命中弾を受け、艦載機が炎上した。これが格好の目標となり、多数の砲弾を浴びることとなった。
そこに、南方部隊との戦闘で分離した古鷹以下3隻がクインシー左舷側から現れ、クインシーは両方から挟撃される形となった。
両舷から雨のように砲弾を浴びたクインシーは左に転覆、沈んでいった。
残ったヴィンセンスもやはり砲撃を浴び、艦載機が炎上、格好の標的となった。ヴィンセンスは衣笠に砲撃を加えていたが鳥海の魚雷3本、夕張の魚雷1本が命中しやはり転覆、沈没した。その場に居合わせたラルフ・タルボットは青葉に攻撃したが有効な効果はあげられず、反撃を受け大破し、スコールの中に逃げ込んだ。
「敵艦隊全滅しました!」
「やったやった!大勝利だね!」
部下の報告に三川は喜んだ。
「長官、反転して輸送船団を叩きましょう!」
しかし、他の者は反対した。
「ここは引き返すべきです。敵の機動部隊が近くにいるかもしれません。」
「しかし、我が方は被害は軽微。弾薬もまだまだあ
るんですぞ!?」
艦橋で様々な議論が交わされた。確かに機動部隊が近くにいるとしたらこれ以上留まるのは危険だ。しかしここで引き返したら目標の輸送船団は叩けない。味方を見殺しにするようなことになる。それだけは避けなければならない。
「全艦反転する。輸送船団を叩くよ!」
三川は戦闘狂ながらも任務はきっかりこなす。その性格が今、今後の戦況を変えようとしていた。
Fin




