2章13話 突入!
艦隊再編及び休息を満喫していた彰達のもとに、ガダルカナル島からの敵部隊上陸という連絡が入った。現在は9月7日である。
「やはり遅くなったか…」
本来なら8月7日に米軍はガダルカナル島に上陸するはずだった。なんのめぐり合わせか、1か月遅れで米軍はやってきた。
彰たちはブルネイにいる。ブルネイには連合艦隊のほぼ全ての部隊が集結しており、いつでも合戦ができる体制をとっていたのだった。
しかし、今から行くと少なくとも2日はかかる。南雲たちは出撃する事を決定していたが、上陸部隊をやすやすと見逃すような事は避けたいと考えていた。
しかし、嬉しい事に三川軍一中将指揮の第8艦隊がニューギニア島のラエにいた。旗艦重巡鳥海をはじめ、第6戦隊の重巡青葉、衣笠、古鷹、加古を主力とし、軽巡や駆逐艦数隻が在泊していた。南雲は迷わず彼らに出撃を命じた。
ガダルカナル島ではすでに戦いは始まっていた。米軍の上陸部隊はリッチモンド・ターナー少将とアレキサンダー・ヴァンデクリフト少将によって指揮され、援護としてはフレッチャー少将指揮の空母2隻が存在していた。
この空母攻撃のために早朝、ラバウルから台南航空隊の零戦17、第25航空戦隊の1式陸上攻撃機27、九九艦爆9の計53機が出撃した。彼らは空母を発見することはできなかったが、ツラギ島周辺の米艦隊を攻撃した。
戦闘機の(約60機)迎撃もあったため、米艦隊に与えた損害は巡洋艦2隻大破、駆逐艦1隻大破、同1隻小破、輸送船1隻を放棄させるほどの戦果をあげたが、自身は零戦2、1式陸攻5、九九艦爆4機を喪失した。
この戦闘でフレッチャー少将は敵空母が進出していると大きな不安を覚えた。珊瑚海、ミッドウェーと彼の指揮下の空母は沈んでおり、日本軍艦隊に恐怖心を覚えていた。
大西洋から引っ張ってきたワスプと修理の終わったエンタープライズはいるはずのない日本軍艦隊を探し始めた。
いつまで探してもいるものはいないため、とうとうフレッチャーは攻撃圏外への退避を決定する。
南太平洋海軍部隊指揮官に連絡すると上陸部隊の上空援護を独断で放棄して南下を始めた。この事にターナー少将とヴァンデクリフト少将は激怒し、警備部隊指揮官のクラッチレー少将と今後の行動について協議をした。
三川艦隊は重巡鳥海を旗艦とし、第6戦隊、第18戦隊(軽巡天龍、夕張)、第29駆逐隊の駆逐艦夕凪の合計8隻がヴァンデクリフト少将率いる上陸部隊に忍び寄っていた。現在時刻は午後9時37分。先程鳥海から水上機を発進させ、夜戦開始時に照明弾を投下してもらう。
「やっと伝統の夜戦ができるね!」
元気よく言ったのは指揮官、三川軍一だ。三川は嬉しそうに言うと敵艦発見の報告を待った。
午後10時40分。三川艦隊はサボ島南方水道に突入を始めた。
3分後、鳥海は右舷9000メートルに米駆逐艦ブルーとラルフ・タルボットを発見した。三川は戦闘開始を下令したがこの時点では先頭は起きなかった。むしろ米駆逐艦の2隻は三川艦隊に気づかず通り過ぎた。
午後11時30分。全軍突撃の命令が発令された。その直後駆逐艦ジャービスを発見、魚雷4本を発射したが命中せず、ジャービスも気づかなかった。
午後11時43分。三川艦隊は重巡オーストラリア、キャンベラ、シカゴ、駆逐艦パターソンとバッグレイからなる部隊を発見。三川はすかさず偵察機に照明弾投下を命令した。
先頭のキャンベラは何が起こったのか、もしくは突然の事で困惑しているのか何食わぬ顔で航行を続けていた。
「魚雷発射!全主砲撃てぇーっ!!!」
鳥海は魚雷を発射し、全10門の主砲から轟音と共に砲弾を撃ちはなった。
ここに、第1次ソロモン海戦がおこる。
Fin




