# 第九話 ## **「白き竜の子と狙われた湊!」**
# 第九話
## **「白き竜の子と狙われた湊!」**
「きゅい!」
白い小さな竜は、湊の肩の上で気持ちよさそうに丸くなって眠っていた。
「かわいい……。」
リリアが思わず指を伸ばす。
「きゅ?」
白い竜は目を覚ますと、リリアの指をぺろっとなめた。
「えっ……。」
リリアの頬が少し赤くなる。
フレアは大笑いした。
「リリア、笑ってる!」
「笑ってない。」
「いや、笑った!」
「笑ってないってば!」
湊はそんな二人を見て笑った。
(こんな毎日が、ずっと続けばいいのに。)
しかし――
その願いは、すぐに打ち砕かれる。
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## 黒い炎
ドォォォォォン!!
突然、学院の庭が爆発した。
生徒たちが悲鳴を上げる。
「魔物だ!」
「逃げろ!」
空から黒い炎が降り注ぐ。
その炎の中を、一人の男が歩いてくる。
黒い鎧。
黒いマント。
燃えるような赤い瞳。
**魔王軍四天王・黒炎将軍ヴァルグ。**
「久しぶりだな。」
フレアが前へ出る。
「ヴァルグ!」
セレスも杖を構えた。
「ここへ何をしに来たの?」
ヴァルグは湊の肩を見つめる。
「その白い竜。」
「我らがいただく。」
「断る!」
湊は白い竜を抱きしめる。
小さな竜も震えていた。
「きゅ……。」
ヴァルグは笑う。
「ならば力づくだ。」
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## 四天王の力
ヴァルグが指を鳴らした。
パチン。
その瞬間。
学院全体が黒い炎に包まれる。
「熱い!」
「火が消えない!」
教師たちの魔法でも消火できない。
学園長が驚く。
「魔力を喰らう炎じゃ……。」
フレアは炎をぶつける。
ドォォォン!!
しかし。
ヴァルグは片手で止めた。
「火竜。」
「お前の炎など、もう届かん。」
「そんな……。」
初めてフレアの表情から笑顔が消えた。
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## 圧倒的な差
セレスの巨大な水魔法。
リリアの剣技。
王子レオンの雷魔法。
すべてがヴァルグには通じない。
「弱い。」
ヴァルグは一歩も動かない。
「これが四天王……。」
湊は震えた。
(勝てない。)
(こんなの……。)
学校でいじめられていた頃と同じ。
心が折れそうになる。
その時だった。
「湊。」
学園長が静かに言う。
「恐れるのは悪いことではない。」
「じゃが。」
「恐れても前へ進める者を、人は勇者と呼ぶ。」
その言葉が胸に響く。
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## 白き竜の力
湊は白い竜を見つめる。
「君……。」
白い竜は笑った。
「きゅ!」
その瞬間。
白い光が湊を包む。
フレアの炎。
セレスの水。
二つの力が白い光と混ざり始めた。
「まさか!」
学園長が目を見開く。
「竜神の加護!」
湊の髪が風になびく。
瞳が金色に輝く。
白いマントが光の中で揺れる。
「これは……。」
湊自身も驚いていた。
「力があふれてくる!」
ヴァルグは初めて笑みを消した。
「その力……。」
「竜神アルディオス。」
「本当に目覚めたか。」
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## 初めて傷つけた
湊は右手を前へ伸ばす。
「みんなを守る!」
白い光が一本の槍となる。
「竜神の光!」
ドォォォォォン!!
光がヴァルグへ直撃する。
「ぐっ!」
ヴァルグの鎧に、一本の大きなひびが入った。
静まり返る学院。
四天王が――
初めて傷ついた。
「すごい!」
「やった!」
生徒たちは歓声を上げる。
しかしヴァルグは不気味に笑った。
「面白い。」
「今日は退こう。」
黒い炎が体を包む。
「だが覚えておけ。」
「次に会う時は、お前たちに絶望を教えてやる。」
そう言い残し、闇へ消えていった。
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学院には静けさが戻る。
フレアは大きく息をついた。
「助かったぁ……。」
セレスも安心したように微笑む。
「でも、本当に危なかった。」
白い竜は湊の肩に飛び乗る。
「きゅい♪」
湊は優しく頭をなでた。
「ありがとう。」
その時、学園長が空を見上げる。
「時間がない。」
「闇の皇竜の復活まで、残された時間は一年。」
「一年……。」
湊たちの表情が引き締まる。
「その間に、世界中に眠る**五つの竜神の秘宝**を集めなければならん。」
「秘宝?」
「それだけが、闇の皇竜を止められる唯一の希望じゃ。」
世界を巡る新たな旅が、いよいよ始まる――。
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## 次回予告
### **第十話「旅立ち!五つの竜神の秘宝を探せ!」**
学園を旅立つ湊たち。
最初の目的地は「炎の大砂漠」。
そこには火竜フレアでさえ恐れる伝説の炎の迷宮が待ち受けていた。
そして、新たな仲間との運命の出会いも始まる――!




