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# 第十話 ## **「旅立ち!五つの竜神の秘宝を探せ!」**

# 第十話


## **「旅立ち!五つの竜神の秘宝を探せ!」**


朝日が王都を黄金色に染めていた。


王立魔法学院の門には、多くの生徒や先生、騎士たちが集まっている。


「気をつけてね!」


「絶対に帰ってきて!」


「英雄様、頑張って!」


湊は少し照れくさそうに笑った。


「ありがとうございます!」


一年前なら、人前で話すことすら苦手だった。


今は違う。


少しずつ、自分の言葉で気持ちを伝えられるようになっていた。


---


## 新しい仲間


学園長が地図を広げる。


「最初の秘宝は、この**炎の大砂漠**にある。」


「そこには『炎の迷宮』が眠っておる。」


「迷宮?」


「火竜ですら最後まで踏破した者はおらん。」


フレアは顔をそむけた。


「べ、別に怖かったわけじゃないし!」


セレスが小さく笑う。


「昔、三歩で迷って泣いて帰ってきたものね。」


「それ言わないで!」


リリアまで笑いをこらえている。


「火竜にも苦手なものがあるのね。」


「迷路だけは無理なのー!」


湊も思わず笑ってしまう。


旅立ちの空気は、どこか温かかった。


---


## 炎の大砂漠


数日後。


見渡す限りの砂。


赤く燃える岩山。


熱風が吹き荒れている。


「暑い……。」


湊は額の汗をぬぐう。


フレアだけは元気いっぱい。


「最高!」


「やっぱり火は落ち着く!」


セレスは顔をしかめる。


「私は溶けそう……。」


白い竜は湊の頭に乗っていた。


「きゅ〜。」


「あれ?」


湊は首をかしげる。


「なんだか白ちゃんも暑そうだね。」


「きゅ……。」


フレアは笑う。


「白ちゃん?」


「その名前にしたの?」


湊は照れ笑いを浮かべた。


「まだ名前がなかったから。」


白い竜は嬉しそうに鳴く。


「きゅい!」


「気に入ったみたいね。」


セレスが優しく微笑んだ。


---


## 迷子


しばらく歩くと、大きな岩が現れた。


その先には入口が見える。


「ここだ!」


フレアが胸を張る。


「私に任せて!」


十分後――。


「……。」


「……。」


「……。」


フレアが固まっていた。


「どこ?」


リリアがため息をつく。


「もう迷ったの?」


「一本道だったよね?」


「さっき右行ったら……。」


「右なんてなかったわ。」


「え?」


湊は思わず吹き出した。


「ふふっ。」


フレアは頬を膨らませる。


「笑ったなー!」


そんなやり取りをしていると――


「助けてぇぇぇ!」


遠くから悲鳴が聞こえた。


全員の表情が変わる。


「行こう!」


---


## 砂漠の少女


砂丘を駆け上がると、一人の少女が巨大な砂の魔物に追われていた。


金色の髪。


褐色の肌。


赤いマント。


年齢は湊たちと同じくらい。


「食べられるー!」


砂の魔物が大きく口を開ける。


「危ない!」


湊は飛び出した。


炎で攻撃する。


しかし魔物は砂になって攻撃を受け流した。


「効かない!」


セレスが叫ぶ。


「水よ!」


大量の水が砂へ降り注ぐ。


砂が固まり、魔物の動きが止まる。


「今だよ!」


フレアが炎を放つ。


ドォォォォン!!


魔物は砕け散った。


少女はその場に座り込む。


「た、助かったぁ……。」


湊は手を差し伸べる。


「大丈夫?」


少女はその手を握った。


「ありがとう!」


「私は**サラ**!」


「宝探し専門の冒険家だよ!」


フレアが首をかしげる。


「宝探し?」


サラは笑顔で胸を張る。


「世界中の遺跡なら全部知ってる!」


リリアが驚く。


「本当に?」


「もちろん!」


そう言った直後――


サラは周りを見回した。


「あれ?」


「ここどこ?」


全員がずっこけた。


「迷ってたんかーい!」


フレアが大笑いする。


サラは舌を出した。


「えへへ。」


笑い声が砂漠に響いた。


---


## 炎の迷宮の門


その夕方。


ついに、一行は巨大な遺跡へたどり着く。


高さ五十メートルはある石の門。


門には炎で描かれた古代文字。


突然、白ちゃんが門へ飛んでいく。


「きゅい!」


ゴォォォォン……


門がゆっくり開き始めた。


奥から吹き出す熱風。


そして、低く響く咆哮。


**グルルルル……。**


フレアの笑顔が消える。


「この気配……。」


セレスも息をのむ。


「まさか。」


学園長から聞かされていた伝説。


炎の迷宮を守る存在――


**『灼熱竜バルガード』**


その巨大な赤い瞳が、暗闇の中でゆっくりと開いた。


「侵入者か。」


人の言葉を話す竜の声が、迷宮全体を震わせる。


湊は一歩前へ出た。


「僕たちは戦いに来たんじゃない。」


「世界を救うために、竜神の秘宝を探しに来たんだ!」


灼熱竜は静かに湊を見つめる。


そして、ゆっくりと笑った。


「ならば証明してみせろ。」


「その覚悟を。」


炎の迷宮での試練が、いよいよ始まる――。


---


### 次回予告


**第十一話「灼熱竜バルガード!炎の試練と秘宝の行方」**


迷宮の守護竜・バルガードが湊たちに課した試練とは?

力だけでは越えられない「炎の試練」の先で、湊は新たな成長と、火竜フレアの知られざる過去を知ることになる。


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