# 第八話 ## **「竜神の遺跡!火と水を超える第三の力」**
# 第八話
## **「竜神の遺跡!火と水を超える第三の力」**
深夜――。
学園長に呼ばれた湊たちは、学院の地下へ向かっていた。
薄暗い石造りの通路。
壁には、古代の竜が描かれた壁画が並んでいる。
「なんだか少し怖いね……。」
湊が小さくつぶやく。
「大丈夫!」
フレアは胸を張る。
「私がいるんだから!」
「だから心配なの。」
セレスがすぐにツッコミを入れる。
「えぇっ!?」
リリアが思わず吹き出した。
「ふふっ。」
湊も笑う。
少し前の自分なら、こんなふうに笑うことはできなかった。
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## 竜神の扉
やがて、一行は巨大な石の扉の前にたどり着く。
高さは二十メートルはある。
扉には、赤い竜と青い竜が向かい合って描かれていた。
その中央には、見たことのない**白い竜**の紋章。
「白い……竜?」
フレアが目を見開く。
「知らない……。」
セレスも首を横に振る。
「私も初めて見るわ。」
学園長は静かに語り始めた。
「火竜と水竜が生まれるより、はるか昔。」
「世界には、一体の竜しか存在しておらんかった。」
「その名は――**竜神アルディオス**。」
「すべての竜の始祖じゃ。」
湊は息をのむ。
「始祖……。」
「火も、水も、風も、大地も。」
「すべての力は、竜神から生まれた。」
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## 扉が開く
その時だった。
湊の右手と左手の紋章が同時に輝く。
ゴォォォ……。
ザァァァ……。
炎と水が扉へ吸い込まれていく。
ズズズズズ……
重たい音を立てながら、石の扉がゆっくり開いた。
まぶしい光があふれる。
その先には――
巨大な神殿。
天井が見えないほど広い空間。
中央には、真っ白な水晶が浮かんでいた。
「きれい……。」
フレアも思わず見とれる。
「こんなの初めて。」
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## 試練
突然、水晶が光り始める。
『ようこそ。』
頭の中へ直接声が響いた。
『我は、竜神アルディオスの意志。』
『力を望む者よ。』
『試練を受けよ。』
次の瞬間。
神殿が消えた。
湊だけが草原に立っている。
「みんな!」
返事はない。
そこへ、一人の少年が現れる。
制服姿。
俯いている。
湊は目を見開いた。
「……僕?」
それは、小学校の頃の自分だった。
「どうせ僕なんて……。」
「誰にも必要とされない。」
昔の湊は泣いていた。
教室で一人ぼっちだった、あの日の姿。
湊の胸が締めつけられる。
(あの頃の僕だ……。)
昔の自分が問いかける。
「ねえ。」
「どうして生きてるの?」
「生きてても意味ないよ。」
「誰も助けてくれない。」
湊はゆっくり近づいた。
そして昔の自分の肩に手を置く。
「違う。」
「え?」
「確かに苦しかった。」
「毎日泣いてた。」
「でもね。」
湊は優しく笑った。
「君は、一人じゃなかった。」
「これから先。」
「君を信じてくれる仲間に出会う。」
「大切な家族みたいな存在にも。」
「だから。」
「もう泣かなくていい。」
昔の湊は涙を流しながら笑った。
「本当?」
「うん。」
「絶対。」
少年の姿は光となって消えていく。
『試練、合格。』
竜神の声が響く。
『お前は過去を憎まず、受け入れた。』
『それこそが、本当の強さ。』
神殿へ戻ると、フレアたちが駆け寄ってきた。
「湊!」
「大丈夫!?」
湊は笑顔でうなずく。
「うん。」
「もう大丈夫。」
その笑顔は、以前よりずっと自然だった。
すると、白い水晶がゆっくりと砕け始める。
中から現れたのは――
真っ白な小さな竜。
子犬ほどの大きさしかない。
「きゅう?」
白い竜は首をかしげると、一直線に湊の胸へ飛び込んだ。
「えっ!?」
フレアが固まる。
「なにあれ!?」
セレスも驚きを隠せない。
「まさか……。」
学園長は目を丸くした。
「竜神の……子ども?」
白い竜は湊の肩にちょこんと乗ると、気持ちよさそうに眠ってしまった。
フレアは頬を膨らませる。
「ずるい!」
「私だって肩に乗りたい!」
「あなたは人の姿でしょう。」
セレスが呆れる。
神殿に笑い声が響く。
しかし、その笑い声を遠くから見つめる赤い瞳があった。
闇の神殿――。
黒炎将軍ヴァルグは玉座の前でひざまずく。
「皇竜様。」
「ついに竜神の子が目覚めました。」
闇の奥から、巨大な金色の瞳がゆっくり開く。
**「ならば奪え。」**
**「世界が希望を得る前に。」**
その一言で、大地そのものが震えた。
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## 次回予告
### **第九話「白き竜の子と狙われた湊!」**
竜神の子を仲間に迎えた湊たち。しかし、その存在を狙って魔王軍四天王・黒炎将軍ヴァルグがついに動き出す!
圧倒的な力を前に、湊たちは最大の危機を迎える――。




