世界の外から来た患者
新たな患者
王都フェルディア・ノヴァ。
戦いが終わり。
人々は平和を取り戻した。
学園には子供たちの笑い声が響き。
診療所には感謝の言葉が溢れる。
タクトが夢見た世界。
フィリアが守りたかった世界。
仲間たちと築き上げた未来。
誰もが、この平和が続くと信じていた。
しかし。
世界は広い。
いや――
世界だけではない。
タクトたちの知らない場所にも。
苦しみ。
悲しみ。
病に倒れる人々がいる。
助けを求める声は、世界の壁を越えて届こうとしていた。
そして今日。
空から一人の少女が現れる。
それは新たな戦いの始まりではない。
新たな診療の始まりだった。
白き賢医は再び歩き出す。
患者がいる限り。
医師の旅は終わらない――。
第二部 開幕
『転生しても貴族医師としてここを守る ~世界の外から来た患者たち~』
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第一話「世界の外から来た患者」
新王都フェルディア・ノヴァ。
朝日が街を照らしていた。
フェルディア総合学園では生徒たちの声が響く。
診療所では今日も患者たちが順番を待っていた。
タクトはいつものように白衣を着る。
「よし」
「今日も頑張ろう」
フィリアは微笑んだ。
「朝ご飯は食べました?」
「もちろん」
エマは学園へ向かう準備をしている。
レオは庭を走り回っていた。
平和な朝。
それは誰もが願った日常だった。
◇◇◇
その頃。
王都の外れ。
見張りの兵士たちが騒ぎ始める。
「な、何だあれは!」
空に巨大な光が現れた。
人々は立ち止まる。
冒険者たちも武器を構える。
やがて。
光の中から一人の少女が落ちてきた。
◇◇◇
診療所。
扉が勢いよく開く。
「先生!」
兵士たちが駆け込んできた。
「大変です!」
「空から人が落ちてきました!」
タクトは立ち上がる。
「怪我人か!」
「すぐ行こう!」
◇◇◇
少女は広場に横たわっていた。
銀色の髪。
見たことのない衣服。
不思議な紋章。
タクトは脈を確認する。
「生きている」
フィリアも安心した。
しかし。
少女の身体には見たこともない症状が現れていた。
エドガーが顔色を変える。
「何だこれは……」
ミレイアも驚く。
「この世界の病じゃない」
アイオニアも首を振る。
「私も知らない」
タクトは真剣な顔になる。
「未知の病か」
少女は苦しそうに目を開いた。
「ここは……」
「どこ……?」
「安心して」
タクトは優しく答える。
「僕は医者だ」
少女は涙を流した。
「助けて……」
「私の世界が……」
「滅びます……」
全員が息を呑む。
◇◇◇
その夜。
王都上空。
再び光が現れた。
今度は一つではない。
二つ。
三つ。
四つ。
次々と。
ゼロスは空を見上げる。
「始まったか」
ミレイアも静かに呟く。
「世界の外から来る者たち」
タクトは少女の手を握った。
「大丈夫」
「君を助ける」
「そして」
「君の世界も救ってみせる」
こうして。
白き賢医の新たな物語が始まる。
患者は一人ではない。
世界を超えて。
助けを求める命がある限り――。
第二部 第一話
「世界の外から来た患者」
開幕――。
世界の外から来た患者たち
第二部第一話「世界の外から来た患者」をお読みいただき、ありがとうございました。
第一部では、タクトたちは自分たちの世界を守りました。
家族を守り。
仲間を守り。
王都を守りました。
そして第二部。
今度の舞台は、さらに大きくなります。
患者は王都の人々だけではありません。
患者は異国の人々だけでもありません。
世界の外。
タクトたちが知らない場所からも、助けを求める者たちが現れます。
銀髪の少女。
見たことのない病。
未知の技術。
未知の文化。
未知の命。
医師として。
そして一人の人間として。
タクトは新たな困難に向き合うことになるでしょう。
ですが。
どんな世界であっても変わらないものがあります。
「患者を救う」
その想いです。
次回――
第二部 第二話
「銀髪の少女と滅びゆく世界」
少女の故郷とは何なのか。
彼女を蝕む病の正体とは何なのか。
そして、世界の外に広がる新たな運命とは――。
白き賢医の新たな物語が始まる。




