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転生しても貴族医師としてここを守る  作者: マーたん


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第三の使徒リヴィエルと裏切りの王妃

第一王子アレス・エル・フェルディア


誇り高き王子。


強さを信じ、弱さを嫌い、時には家族さえ遠ざけてきた男。


第一王子アレス・エル・フェルディア。


彼は誰よりも国を愛していた。


だからこそ、誰にも弱音を吐けなかった。


だからこそ、愛する者を信じた。


ルクレシア。


最愛の妻。


共に王国を築くと誓った女性。


しかし、その愛は偽りだった。


第三の使徒リヴィエル。


終焉神ゼロスが送り込んだ絶望。


愛する妻の裏切り。


広がる終焉病。


滅びゆく王都。


全てを失った時。


孤独だった王子に、再び手を差し伸べた者がいた。


かつて追放した義弟。


若き貴族医師タクト・フォン・レーヴェン。


「患者を見捨てる医者はいません」


その言葉は、絶望の中にいた王子の心に小さな希望を灯していた。


しかし。


終焉神ゼロスの計画は、まだ終わらない。


第四の使徒が目覚める時、新たな悲劇が始まろうとしていた。

第三十三話「第三の使徒リヴィエルと裏切りの王妃」


王都フェルディア。


終焉病は広がり続けていた。


人々は倒れ。


兵士たちも咳き込み。


王城にまで黒い病の影が迫っていた。


そして。


第一王子アレスもまた、病に侵されていた。


「くっ……」


「体が……」


彼の目の前に立つのは、愛した妻。


ルクレシア。


いや――


第三の使徒リヴィエル。


「助けてくれ……」


「ルクレシア……」


「頼む……」


アレスは震える手を伸ばす。


しかし。


リヴィエルは冷たく笑った。


「もう遅いわ」


「あなたは利用価値がなくなったもの」


「なっ……」


「さようなら」


その瞬間。


ルクレシアの姿が崩れる。


黒い翼。


銀色の髪。


赤い瞳。


本来の姿。


第三の使徒リヴィエル。


「王都はなくなる」


「終焉神ゼロス様のために」


「全て終わりにしましょう」


アレスは絶望した。


「そんな……」


「私は……」


「愛されていたと……」


◇◇◇


王城深部。


アルバート国王もまた病に苦しんでいた。


「父上!」


レオンが駆け寄る。


フィリアも涙を流す。


「お父様!」


アルバートは二人を見る。


「レオン……」


「フィリア……」


「すまなかったな」


「父上!」


「息子よ」


「娘よ」


「私はもう駄目だ」


「さらばだ」


レオンは泣き叫ぶ。


「嫌です!」


フィリアも手を握る。


「まだ終わりじゃありません!」


その時。


王都の上空が紫色に染まった。


「全く」


「年寄りより先に死のうなんて」


忘却の森から現れた一人の魔女。


災厄の魔女ミレイア。


「おばあちゃん!」


エマが飛びつく。


ベルゼリオスも現れる。


「間に合ったか」


エドガー。


アザル。


セレナ。


そしてタクト。


「国王陛下」


「まだ諦めないでください」


アルバートは驚く。


「タクト……」


「王都追放した私を……」


「患者を見捨てる医者はいません」


「だから」


「頑張りましょう」


「願った未来を諦めないでください」


アルバートの目から涙が流れる。


「タクト……」


「ありがとう」


◇◇◇


その頃。


王都中央。


第三の使徒リヴィエルは笑っていた。


「もう終わり」


「誰も止められない」


しかし。


背後から恐ろしい声が響く。


「そうかしら?」


「え?」


リヴィエルが振り返る。


そこには。


笑顔の消えたミレイア。


「病人を泣かせる」


「家族を苦しめる」


「愛を利用する」


「全部、私の嫌いなものよ」


紫色の瞳が光る。


「リヴィエル」


「お仕置きの時間よ」


第三の使徒は初めて恐怖した。


「ま、まさか……」


「災厄の魔女!」


そして。


遥か天界で終焉神ゼロスが立ち上がる。


「リヴィエルでは足りぬか」


「ならば」


「第四の使徒を目覚めさせよう」


封印された巨大な棺。


その中で、一人の少年が静かに目を開く。


「……兄さん」


「今、行くよ」


第三十四話「災厄の魔女の裁きと第四の使徒」へ続く――。

災厄の魔女ミレイア


第三十三話「第三の使徒リヴィエルと裏切りの王妃」を読んでくれてありがとう。


全く。


最近の使徒たちは困った子ばかりね。


病人を苦しめて。


家族を泣かせて。


愛を利用して。


そんなことをしていたら、レオニスに叱られるわよ?


でもね。


少し安心したの。


アレス坊や。


あの子、やっと助けを求められた。


強いだけじゃ駄目。


一人で背負うだけじゃ駄目。


泣いてもいい。


頼ってもいい。


それを知るのも王の器よ。


そしてタクトちゃん。


フィリアちゃん。


エマちゃん。


セレナちゃん。


レオン坊や。


みんな立派になったわ。


だから、おばあちゃんも本気を出す。


千年前。


神々を震え上がらせた災厄の魔女を、久しぶりに見せてあげましょう。


でもね。


もっと厄介な子が起きちゃったみたい。


ゼロスが目覚めさせた第四の使徒。


しかも――


「……兄さん」


なんて言ってたわね。


誰のことかしら?


ふふ。


面倒なことになりそう。


次回。


第三十四話「災厄の魔女の裁きと第四の使徒」


「悪い子には、お仕置きが必要ね」


そして、封印された少年がついに目覚める。


その少年が呼ぶ「兄さん」とは誰なのか。


千年前の秘密が、再び動き始める――。

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