終焉を望む神と白き賢医の誓い
『転生しても貴族医師としてここを守る』
第二十話 登場人物
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タクト・フォン・レーヴェン
* 本作の主人公
* 前世は日本の医師・黒鯛拓真
* 若き貴族医師
* レーヴェン診療所院長
* 千年前の白き賢医レオニスの魂を受け継ぐ
* アイリスを救うことを誓う
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フィリア・フォン・レーヴェン
* タクトの妻
* 元フェルディア王国第一王女
* エマの母
* レーヴェン家を支える存在
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エマ・フォン・レーヴェン
* タクトとフィリアの娘
* 将来の夢は貴族医師
* 天真爛漫な少女
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リリア・ノエル
* タクトの一番弟子
* 元孤児
* レーヴェン家の大切な家族
* 優しく努力家
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アリシア
* 黒月病から回復した少女
* リュミナリアの器
* 聖女候補
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リュミナリア
* 千年前の古代の巫女
* アイリスに仕えた女性
* 世界の真実を知る
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アイリス・エル・フェルディア
* 千年前のフェルディア王国第二王女
* 重い肺病に苦しむ
* 世界樹で千年眠り続けていた
* レオニスの妻
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レオニス・ヴァレンハート
白き賢医
* 千年前の伝説の医師
* タクトの魂の起源
* ベルゼリオスとネメシスの親友
* アイリスの夫
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エドガー・シュバリエ
神手の医師
* 百五十歳の天才外科医
* エルフと人間の混血
* レオニスの弟子
* タクトのライバル
* 数々の難病を治療した名医
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大魔王ベルゼリオス
* ドレイゴーストの王
* 魔王ヴァルゼノスの父
* ラグナの祖父
* 千年前から世界を支えている
* レオニスとネメシスの親友
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魔王ヴァルゼノス
* 終焉の地グラ=ネヴァの支配者
* ベルゼリオスの息子
* 人間と魔族の共存を願う
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ラグナ・ベルゼリオス
* ヴァルゼノスの息子
* ドレイゴーストの守護者
* ベルゼリオスの孫
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ネメシス
神を喰らう黒き王
* 千年前に封印された存在
* レオニスとベルゼリオスの友
* タクトを「我が友」と呼ぶ
* 世界を滅ぼしかけた伝説の存在
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バルディウス
聖光教会大司教
* 教会病の秘密を知る人物
* 過去の過ちを悔いている
* タクトたちに協力する
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アリアンシア・エル=アルヴヘイム
エルフ女王
* 六大王の一人
* アイリス王女に恩を受けた
* 数百年を生きる女王
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ゼロス
終焉を望む神
* 神々の長
* 世界の滅びを望む存在
* ネメシスすら恐れる真の敵
* 千年前からレオニスたちを見続けてきた
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ドレイゴースト
* ベルゼリオスが治める国
* 世界の秘密が眠る地
* 巨大な砂時計が存在する
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終焉の地グラ=ネヴァ
* ヴァルゼノスが統治する国
* 人間と魔族が共存する地
* レーヴェン診療所の本拠地
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白き賢医の誓い
タクト
「助けられる命を諦めない。」
エドガー
「貴様の腕、見せてもらおう。」
ベルゼリオス
「友よ、今度こそ約束を果たそう。」
ネメシス
「千年待ったのだ。」
ゼロス
「終焉こそ、全ての救済である。」
第二十話「終焉を望む神と白き賢医の誓い」
「まずはアイリスを救う!」
そう宣言したタクト・フォン・レーヴェン。
しかし、その前に新たな人物が現れる。
ドレイゴーストの門をくぐってきた一人の男。
銀色の髪。
鋭い青い瞳。
白い外套。
腰には数本の手術用ナイフ。
「久しぶりだな、ベルゼリオス」
「相変わらず酷い顔だ」
ベルゼリオスは目を丸くした。
「まさか……」
「生きていたのか!」
男は笑った。
「失礼な」
「まだ百五十歳だ」
「死ぬには早い」
リリアが驚く。
「先生?」
タクトも目を見開いた。
「医者……?」
男はタクトを見る。
「ほう」
「貴様がタクト・フォン・レーヴェンか」
「思ったより若いな」
◇◇◇
男の名は――
エドガー・シュバリエ
「神手」と呼ばれる天才医師。
エルフと人間の混血。
数々の難病を治療してきた伝説の外科医だった。
「ベルゼリオスから話は聞いている」
「肺病の王女を助けたいらしいな」
「面白い」
「ならば私と勝負しろ」
「勝負?」
タクトは首を傾げる。
「そうだ」
「どちらが患者を救えるか」
「医師としてな」
フィリアが慌てる。
「そんな!」
「患者を賭けるなんて!」
しかしエドガーは首を振る。
「違う」
「患者は賭けない」
「共に救うのだ」
「ただし」
「私はお前の腕を見極めたい」
◇◇◇
ネメシスは不思議そうに呟く。
「変わった男だ」
ヴァルゼノスも苦笑する。
「昔から変人なのだ」
「父上の知り合いか?」
「うむ」
ベルゼリオスは笑った。
「こやつはレオニスの弟子だった」
「ええ!?」
タクトは驚く。
「弟子?」
「そうだ」
エドガーはタクトを睨む。
「レオニス先生は私の恩人」
「だからこそ」
「その魂を継ぐという貴様が気に食わん」
「私以上の医師になれるものか」
「張り合っている?」
エマが首を傾げる。
「そうだよ、お嬢ちゃん」
「私は負けず嫌いなんだ」
エマはニコニコした。
「じゃあお父さんとお友達だね!」
「違う!」
「友達ではない!」
「ライバルだ!」
◇◇◇
その頃。
天界の奥深く。
巨大な玉座。
そこに座る一柱の神。
漆黒の翼。
黄金の瞳。
「愚かな者たちよ」
「なぜ世界を存続させようとする」
「終わりこそ救済」
「滅びこそ安らぎ」
終焉を望む神――
ゼロス
神々の長でありながら、全ての世界の終わりを望む存在。
そしてゼロスは静かに笑う。
「レオニス」
「ベルゼリオス」
「ネメシス」
「また集まったか」
「ならば今度こそ終わらせよう」
◇◇◇
一方。
アイリスの病室。
タクトは眠る彼女の手を握った。
「今度こそ」
「約束を果たす」
「レオニスじゃない」
「タクト・フォン・レーヴェンとして」
「必ず君を救う」
すると。
眠るアイリスの頬を一筋の涙が流れた。
そして遠く天界では、
終焉を望む神ゼロスがゆっくりと立ち上がる。
第二十一話「神手の医師エドガーと始まりの手術」へ続く――。
エドガー・シュバリエ
第ニ十話をお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、新たな医師――エドガー・シュバリエが登場しました。
彼は「神手」と呼ばれる名医。
百五十年を生き、多くの命を救ってきた外科医です。
そして何より、白き賢医レオニス・ヴァレンハートの弟子でした。
しかし、彼はタクトを快く思っていません。
「レオニス先生の魂を継ぐ者?」
「そんなもの、認められるか」
その想いは嫉妬ではありません。
尊敬する師を誰よりも知っているからこそ。
師の名を継ぐ者が、本当にその覚悟を持っているのか知りたい。
それがエドガーの本心でした。
ぶっきらぼうで頑固。
負けず嫌いで口も悪い。
それでも患者を見捨てることだけはしない。
「患者を救うためなら、自分の命すら惜しくない」
そんな生き方は、誰よりもレオニスの教えを受け継いでいるのかもしれません。
そしてエドガー自身も知らないのです。
千年前。
まだ幼かった彼を拾い、医術を教えたレオニスが最後に残した言葉を。
「エドガー」
「いつか私を超える医師になれ」
「そして、患者を笑顔にしてあげてくれ」
その約束は百五十年経った今も、エドガーの胸の奥で生き続けています。
次回。
天才外科医エドガーと若き貴族医師タクト。
二人の医師が力を合わせ、千年越しの約束を果たすため、かつてない大手術に挑みます。
白き賢医の意志は、今もなお受け継がれているのです。




