奴隷の国ドレイゴーストと鎖に繋がれた大魔王
『転生しても貴族医師としてここを守る』
第十五話時点 登場人物
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黒鯛 拓真
異世界名:タクト・フォン・レーヴェン
* 本作の主人公
* 前世は日本の外科医
* 若き貴族医師
* レーヴェン診療所院長
* フィリアの夫
* エマの父
* リリアの師匠
* 人間も魔族も救うことを信念とする
* 大魔王ベルゼリオスから「我が友」と呼ばれる
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フィリア・フォン・レーヴェン
* 元フェルディア王国第一王女
* タクトの妻
* エマの母
* 優しく家族を支える存在
* リリアを娘のように愛している
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エマ・フォン・レーヴェン
* 七歳
* タクトとフィリアの娘
* 明るく元気な少女
* リリアを「リリアお姉ちゃん」と呼ぶ
* 将来の夢は貴族医師
* 怖がりながらも家族を信じている
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リリア・ノエル
* 十二歳
* タクトの一番弟子
* エマの大切な友人
* 家族を何より大切にする
* 困難の中でも仲間を支える優しい少女
* 将来の夢は医師
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アリシア
聖女候補
* 十三歳
* 黒月病に侵されていた少女
* 身体の中に古代の巫女リュミナリアの魂を宿す
* 世界の秘密と深く関わる存在
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リュミナリア
古代の巫女
* 千年前の最後の巫女
* 神々と魔族の争いを知る
* アリシアの身体を通して現れる
* 大魔王ベルゼリオスと魔王ヴァルゼノスの旧知
* ドレイゴーストの真実を知る存在
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魔王ヴァルゼノス
終焉の地グラ=ネヴァの支配者
* 数千年を生きる古き魔王
* 大魔王ベルゼリオスの息子
* 人間と魔族の共存を願う
* 父との再会を果たす
* タクトを信頼している
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大魔王ベルゼリオス
奴隷の国ドレイゴーストの支配者
* 魔王ヴァルゼノスの父
* 数千年前から鎖に繋がれている
* 自ら奴隷となり世界を守り続ける
* 聖光教会創設者とされる
* タクトを「我が友」と呼ぶ
* 世界滅亡を防ぐため孤独に戦ってきた
* 優しい紅い瞳を持つ巨人
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セレスティア・ルミナ
聖女候補
* 心優しい少女
* 教会改革を願う
* タクトたちと共に旅を続ける
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バルディウス
聖光教会大司教
* 教会の秘密を知る数少ない人物
* 教会病について知識を持つ
* 過去の過ちを悔いている
* アリシアを救うことを願っている
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アリアンシア・エル=アルヴヘイム
エルフ女王
* 六大王の一人
* 数百年を生きるエルフ族の女王
* 世界の均衡を見守る
* ドレイゴーストの異変に危機感を抱く
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ドレイゴーストの番人
* 黒い鎧を纏う守護者
* ドレイゴーストへの門を守る
* 合言葉を知る者だけを通す
* 大魔王ベルゼリオスに忠誠を誓う
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リリアの実父
* グラ=ネヴァへ追放された男
* 娘を見捨てたことを後悔している
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リリアの実母
* 娘を捨てた過去を持つ
* 罪と向き合い始めている
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終焉の地グラ=ネヴァ
* 魔王ヴァルゼノスが治める国
* 「帰れない国」と呼ばれる
* 人間と魔族が共に暮らす場所
* レーヴェン診療所が存在する
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奴隷の国ドレイゴースト
* 世界最悪と恐れられる国
* 大魔王ベルゼリオスが支配する
* 巨大な砂時計が存在する
* 無数の魂が砂となって積み重なる場所
* 世界の秘密が眠る禁断の国
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レーヴェン家
タクト
「助けられる命を諦めない。」
フィリア
「家族は支え合うものよ。」
リリア
「先生たちが私の家族です。」
エマ
「リリアお姉ちゃん、大好き!」
魔王ヴァルゼノス
「家族とは、最後まで守る者のことだ。」
大魔王ベルゼリオス
「千年待った。友よ、また会えたな。」
第十五話「奴隷の国ドレイゴーストと鎖に繋がれた大魔王」
黒き騎士に導かれ、タクトたちは世界の果てへと辿り着いた。
そこには、空すら灰色に染まる巨大な谷が広がっていた。
「ここが……ドレイゴースト」
フィリアは息を呑む。
エマはリリアの手を握った。
「リリアお姉ちゃん……怖いよ」
「大丈夫ですよ、エマちゃん」
魔王ヴァルゼノスですら険しい表情を浮かべていた。
「父上……」
「まさか、こんな場所に千年も……」
◇◇◇
谷の奥。
巨大な門の前に、黒い鎧の番人が立っていた。
「止まれ」
「ドレイゴーストの番人として問う」
「合言葉を言え」
タクトは困惑した。
「合言葉?」
「分かりません」
リリアも首を傾げる。
「聞いていません」
すると、番人は静かに槍を下ろした。
「ならば進むことはできぬ」
その時。
古代の巫女リュミナリアが目を閉じる。
「おかしい……」
「以前はこんな門ではなかった」
「何かが起きている」
◇◇◇
エマが空を見上げた。
「ねえ、お父さん」
「大きな砂時計……」
そこには天を貫くほど巨大な砂時計が浮かんでいた。
上から絶え間なく砂が落ちている。
だが。
リリアは顔色を変えた。
「先生……」
「違います」
「これ……砂じゃない」
タクトは一粒を手に取った。
「これは……」
フィリアの顔が青ざめる。
「そんな……」
「骨……?」
砕けた骨。
人間。
獣人。
魔族。
数え切れない命が風化し、砂となっていた。
エマは震えながらリリアにしがみつく。
「嫌だ……」
「嫌だよ……」
魔王ヴァルゼノスも絶句した。
「父上……」
「まさか……」
「千年間、これほどの魂を背負っていたというのか」
◇◇◇
その時。
門の向こうから、重い鎖の音が響く。
ジャラ……
ジャラ……
番人が膝をつく。
「大魔王様」
「申し訳ありません」
「合言葉を知らぬ者たちです」
すると。
深い闇の中から、老いた声が響いた。
「よい」
「その必要はない」
「合言葉とは、言葉ではない」
「心だ」
姿を現したのは。
全身を無数の鎖に繋がれた巨人。
傷だらけの身体。
それでも優しい紅い瞳。
大魔王ベルゼリオス。
ヴァルゼノスの父だった。
「ヴァルゼノス」
「大きくなったな」
魔王ヴァルゼノスの目から涙が溢れる。
「父上……!」
「なぜ……」
「なぜ一人で……!」
ベルゼリオスは静かに笑った。
「一人ではない」
「ずっと待っていた」
そして。
その視線はタクトへ向く。
「久しいな」
「タクト・フォン・レーヴェン」
「いや……」
「我が友よ」
その言葉に、リュミナリアが息を呑んだ。
「まさか……!」
「思い出したのですか!?」
タクトは困惑する。
「僕を知っている?」
「初めて会ったはずです」
大魔王ベルゼリオスは涙を流しながら微笑んだ。
「そうか……」
「まだ思い出しておらぬか」
「ならば、もう少しだけ待とう」
「千年待ったのだ」
「あと少しぐらい、構わぬ」
そして。
巨大な砂時計の砂が、急速に落ち始める。
リュミナリアが叫んだ。
「いけない!」
「時間がない!」
「砂時計が落ちきれば!」
「世界そのものが――!」
第十六話「千年の約束と失われた記憶」へ続く――。
次回の『転生しても貴族医師としてここを守る』は?
第十五話をお読みいただき、ありがとうございます。
ついに辿り着いた奴隷の国ドレイゴースト。
そこで待っていたのは、鎖に繋がれながらも世界を支え続けていた大魔王ベルゼリオスでした。
そして、大魔王は若き貴族医師タクトを見てこう言いました。
「我が友よ」
その言葉の意味とは。
なぜ大魔王はタクトを知っているのか。
巨大な砂時計に積もる無数の魂。
落ち続ける砂。
そして、砂時計が落ちきる時、世界に訪れる真の終焉とは。
次回――
第十六話「千年の約束と失われた記憶」
ついに明かされるタクトの過去。
古代の巫女リュミナリアが語る、千年前の真実。
魔王ヴァルゼノスも知らなかった父ベルゼリオスの願い。
そして、
「先生!」
「お父さん!」
「タクト!」
「我が友よ……思い出してくれ」
家族の声に導かれ、タクトの中で眠っていた記憶が目覚め始める。
さらに、巨大な砂時計の崩壊と共に現れる、神々さえ封じた存在。
果たして若き貴族医師は、千年の約束を果たすことができるのか――。
次回も、お楽しみに。




