セイラ・マスの暴走を勝手に妄想してみた
ガンダムを見ていて、ずっと思っていることがある。
セイラ・マスが本気で動いたら、この世界は一瞬で終わる。
シャアが暴走する話は、もう見慣れている。
ザビ家が腐っているのも、誰もが知っている。
でもセイラ・マスだけは、最初から最後まで静かだ。
それが逆に、ずっと不気味だった。
冷静に設定だけを見る。
彼女は、シャア・アズナブルの妹で、
ジオン・ダイクンの実の娘だ。
思想の正統性も、血筋の正当性も、
あの世界で一番きれいに揃っている。
もし彼女が、ある日こう言い出したらどうなるか。
「私はジオン・ダイクンの娘、アルティシア・ダイクンです」
それだけで、ザビ家は終わる。
独裁だとか軍事力だとか、そんな話じゃない。
“本物”が名乗った瞬間、全部が嘘になる。
シャアの復讐も終わる。
彼の怒りは、正義ではなく私怨に変わる。
連邦の正義も揺らぐ。
彼女は連邦側で戦った実績を持っているからだ。
誰も彼女を否定できない。
それが一番怖い。
セイラ・マスの暴走は、
狂気でも、復讐でも、野心でもない。
「正しさ」が淡々と前に進むだけだ。
だから私は思う。
もしこの話を本気で描いたら、
最後は一つしかない。
セイラ・マスは、暗殺される。
裁かれない。
公開処刑もされない。
英雄にもならない。
ただ、ある日いなくなる。
理由は不明。
犯人も不明。
歴史の教科書には残らない。
それが一番リアルだ。
ガンダムの戦争は、
理想を語った人間から消えていく。
正しすぎる人間ほど、生き残れない。
セイラ・マスは、
動かなかったから生き延びた。
動いた瞬間に、世界が彼女を消す。
だからこそ、
彼女は最初から分かっていたのかもしれない。
自分が前に出れば、
誰かが「平和のために」自分を殺すことを。
シャアが背負った呪いより、
セイラ・マスが背負わなかった覚悟の方が、
ずっと重たい。
そう考えると、
ガンダムで一番やばいのは、
やっぱりセイラ・マスだと思う。




