ガンダムとスター・ウォーズ
ガンダムとスター・ウォーズって、長編 シリーズものだけど ずいぶん 構造が違うと思う。
普通に観ている人は、そんなこと考えない。
ガンダムはガンダム、スター・ウォーズはスター・ウォーズ。
面白ければそれでいい。
構成がどうとか、正史がどうとか、たいていは意識しない。
でも、長く追ってきたり、途中で「ん?」と思ったり、
あるいは作る側の視点に立った瞬間、
この二つはまったく別の設計思想だと気づく。
ガンダムは、ファーストガンダムにピンが刺さっている。
どれだけ外伝が増えても、時代が飛んでも、世界がねじれても、
あそこに必ず戻れる感覚がある。
広がっているようで、実は回っている。
原点の周囲を、角度を変えて何度もなぞっているシリーズだ。
だから最近の作品で、宇宙世紀が異世界まで飛んだときも、
私は普通に笑ってしまった。
いや、正確には爆笑した。
あそこまでやっても成立するのは、
「どうせ最後はファーストに帰る」という安心感があるからだ。
神話として完成しきっているから、ああいう悪ノリも許される。
一方で、スター・ウォーズは真逆だ。
こちらは最初から閉じない。
前にも後ろにも、横にも広がる。
銀河そのものが主役で、フォースという便利な概念が、
いくらでも物語を生み出してしまう。
中心は固定されず、時代とともに増えていく。
ガンダムは「戻る場所があるから、どこまででも行ける」。
スター・ウォーズは「戻る必要がないから、どこまでも広がる」。
どちらが上という話ではない。
設計思想が違うだけだ。
そして、この違いに気づく人は多くない。
気づかなくても楽しめるし、
気づかないほうが幸せな場合もある。
だからこれは、完全に玄人向けの話だ。
でも、一度この視点を持つと、
シリーズがなぜ混乱したのか、
なぜあの実験作が許されたのか、
だいたい説明がつくようになる。
ピンを刺すのか、刺さないのか。
閉じるのか、閉じないのか。
その最初の選択が、
シリーズの運命を決めているのだと思う。




