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12話 少女と親友

お待たせしました。第二部書き溜めましたので投稿していきます。


 突然ですけど、私の自己紹介をします。私の名前は真見繭(まなみまゆ)――私立白百合女子学院に通う一年生の女子生徒で、見た目はメガネをかけたショートヘアのどこにでもいそうな感じです。

 

 次に、私の通う白百合女子学園について説明します。ここ白百合女子学院は淑女を育成する事を目的とした昔からある名門高校です。ですから通っている生徒は全員裕福な家庭のお嬢様達なんです。それと私のクラスメイト達は全員小中高校とエスカレーター式で進級しているので全員が顔見知りです。けれど、私はみんなと事情が違っていて、実は中学を卒業してから入学した所謂転入組です。その為私の事を知ってる友達が全くいません。だからいつもクラスで孤立してます。……グスッ。


「ううっ……今日もやっぱり一人ぼっちです。それにクラスの他の子達はみんな綺麗な子達ばっかり。きっと地味で余所者な私と友達になんかなりたくないんですね」


 周りを見渡すと普通にテレビや雑誌のモデルとして通用しそうな子達ばかり居て、その子達は楽しそうに会話をしています。けれど私は自分に自信がないのでその子達の中に交じる勇気が無いです。それと彼女達は談笑して笑うときなど口に手を当てて上品に笑います。私にそんな動作が当たり前にできるでしょうか……多分無理です。だって私、別に特別な家系に生まれて無いですから。


 はぁ……。


「今更だけどなんで私みたいな女の子がこの学園に入学できたんでしょう……たしかにこの学園に憧れて入学する為に必死になって私勉強しましたけど、それだけじゃこの学園に入学する事は無理です」


 あとで私が知った事ですが、ここ私立白百合女子学院は他の学校と違い勉強ができるだけでは入学できないらしいのです。なんでも家柄や生徒の容姿、あとは本人の技能? とやらで入学できるかどうか採点するみたいです。


 だとしら私は何で評価されたのでしょう。容姿は悪くない程度に普通です。あとはもしかして能力の項目で評価されたのでしょうか――と言っても私の技能なんてフュギュア制作くらいしか無いですけれど……。


 解説すると、私の特技はフュギュア制作。というのも私は特別な家系には生まれていないけど、父親が特殊でフィギュア制作の会社の社長をしているんです。だから私も父親の影響を受けてフィギュアを作ったり、物を粘土で造形したりするのが大好きで得意なんです。これが唯一私のできる特技。でもこの学園には別に私の特技を活かせる事は何も無いのが残念です。けれど美術の授業ではこの特技を活かせますけど私が大人しく自己主張が無いので全く誰にも気づかれません。


「もうこの際大人しくして残りの三年間はひっそりと過ごすのもありかもしれませんね……――ッ!?」


 そう言葉に発した瞬間、私の心臓がキュッの締め付けれました。そして心の奥底から声が聞こえてくるのです。


 (繭……あなたは本当にそれで良いの? また中学生の時みたいに誰からも相手にされずに友達も出来無いまま過ごすの?)


「――絶対にそれはダメです!」


 思わず心の声に向かってそう叫ぶと、周りにいた生徒達がビクッとして注目します。あぁ、やってしまいました、きっと変な子だと思われています、失敗しました。こうして私は居ても立ってもいられなくなって教室の外へと出ていきました。

 

 (……苦労してこの学園に入学したんだから何か自分を変えたいです、けどさっきの失敗でつまずきました)


 私が教室を出て逃げ込んだ先はお手洗いです。もう教室に戻るのが恥ずかしくてここで一人きりで過ごしたいです。そう考えて何気なくお手洗いにある鏡でを見た時、ふとある事を思いつきました。


「もしかしたら……私、メガネを外すと外見が変わるかもしれません」


 メガネをかけているのとそうでないのとではガラリと印象が変わります。そこでメガネを外してもう一度鏡を見て自分の姿を確認して見ます。もしこれで変化があれば私はもう一度やり直すチャンスができるかもしれません。

 

 ……。


「うーん……別に、これといってすぐに変化しないですね」


 鏡に映ったのはいつもの自信のない私です。どうやら物事は簡単にうまく行かないようです。それもそのはず。外見を変えるんだったらお化粧や肌の手入れなど努力しなくちゃいけなのです。だからそれをしていない私は怠け者で自分に甘すぎです。

 

「はぁダメです、私は全然魅力がありません……って、あれ?」


 落ち込むのはまだ早いようです。私は鏡で自分の身体のある事に気づいてしまいました。


「私……背が低いけど胸が大きくて、腰が引き締まってます。こんな身体の子、クラスメイトで一人もいない」

 

 何という事でしょう。こんな地味で変化の出ない私でも他のクラスメイト生徒に勝る部分はあったようです。けれど、よくよく考えると、ここは女子だけしか居ない学園ですからスタイルが良くても何とも思われません。結局私は駄目なままです。


 はぁ……。取り敢えず気を取り直してメガネをかけ直します。結局私には自分を変えることは無理なのです。


 ……。

 

「あっ……繭氏〜、ここに居たデスカ」

「えっ、きゃ! り、リリカちゃん!?」


 鏡の前で自己嫌悪していると、別のクラスでこの学園でただ一人の私の親友が現れました。因みに彼女は金髪碧眼の美少女で私には勿体ない人物です。

 

「もぉ、どうして繭氏は授業が終わったあと教室に居なかったデスカ。迎えにいって一緒に昼食に行こうって約束してたデスヨ」

「リリカちゃんごめんなさい、ちょっと私教室で失敗してしまいまして、それが恥ずかしくてお手洗いに逃げて来たんです」

「そうなんデスカ。だったら私が繭氏をギュッとして慰めてあけるデスヨ」

「だ、ダメです待ってください。ここはお手洗いだから抱きついたら誤解されてしまいます」

「何を誤解されるデスカ?」

「それはその……言えないです!」


 余談ですけど。白百合女子学院では特別な親しい間柄の生徒はよくお手洗いに一緒に来て関係を深める伝統みたいなのがあるのです。だから今その訳のわからない伝統を私とリリカちゃんがしているのでは無いかと来た人に誤解される恐れがあるのです。


「うーん、よくわからないデスヨ。けど繭氏が嫌ならすぐに離れるデスネ」

「うん、ごめんねリリカちゃん(……リリカちゃん、私は嫌じゃないです、ただ恥ずかしいだけで本当は友達どうしで普通に仲良くしたいんです)」


 リリカちゃんは、本当に綺麗な子でこんな駄目な私と親友でいるのが不思議です。少しそんな彼女について説明しますね。

 

 彼女の名前はリリカ・シュバルツちゃんです。出身はドイツで見た目はさっきも言いましたが金髪碧眼の美少女です。因みに彼女の家はドイツの貴族の家系らしいのですが彼女曰く一度没落しているので別に貴族の誇りだとか名門などといった事には関心や興味を持っていないようです。


 そんな彼女が何故日本にいるのかと言うと、彼女の実家は先程話した通り没落していますが現代は貿易で身を起こしており、見事にお家復活させて豊かになりました。そして貿易の仕事で日本とも関係を持つようになり、その時、ちょうど日本の文化や工芸品にリリカちゃんは触れるきっかけを得て、そこで丁度日本のアニメや漫画を知ってしまいました。そして――。


「繭氏〜、今日も昼食をとりながらディープなオタクトークするデスヨ!」

「ええ、いいですよ」

 

 ――このようにリリカちゃんは日本のアニメ漫画オタクになってしまいました。そしてこれらのグッズや商品を購入する為にわざわざ日本に留学に来たのです。そして私も親の仕事の関係で私もアニメ漫画は大好きなので、そのつながりでリリカちゃんとは唯一親しい友達になったのです。

 

「あっ、ソウデス。私丁度、お手洗いに用を足しに来たデスヨ」

「そ、そうですか(リリカちゃんはそんな堂々と用を足すなんて言って恥ずかしくないのでしょうか)」

「繭氏も用を足しマスカ?」

「え、えーと……そうしようかな(なんだかこの会話はとても恥ずかしいです)」


 こうしてよくわからないですけど、二人で用を足し終えてから昼食に行く事になりました。けれどなんだかおかしな事が起きました。

 

「えーと、なんでリリカちゃんは私と一緒の個室に入って来ようとするんですか?」

「えっ? なんでって……私は繭氏と親友ですから今から連れションするデスヨ」

「あー……なるほど、連れションですか……えっ!?」


 私は一瞬意識が吹き飛びそうになりました。なにせこの品位ある学園で連れションなんて下品な言葉を聞くとは夢にも思わなかったからです。


「つ、連れションなんてダメです。出ていって隣の個室に入って用を足してください」

「なんでデスカ? 日本の学生達は親友同士仲良く一緒にトイレに行って用を足すと聞いたデスヨ、もしかして繭氏は私の事を親友と思ってないデスカ、ダカラ一緒に個室に入って連れションしてくれないデスカ?」

「ちょっ、ちょっと待ってください。一つ聞きますけどリリカちゃんの思う連れションとはどんな事ですか?」

「勿論、仲の良い親友同士が一緒にお手洗いの個室に入ってお互いが用をちゃんと足せるか確認し合う作業の事デスネ。それはまさにお互いを思い合っての行動で美しいデスヨ。まさに友情の証デスネ!」

「全然ちがいます!!」


 その後、私はリリカちゃんの誤解を解きました。連れションとは単に仲の良い友達同士がお手洗いに行って会話するだけの事と説明しました。たまにこういう感じでリリカちゃんは日本の文化を誤解するので修正するのが大変です。だけどこのやり取り楽しかったりして私はリリカちゃんの事が大好きなのです。けれども……。


 ……。

 

「あら、あれは美少女で有名な留学生じゃないかしら」

「ほんとね……けど、隣にいるあの地味な女子は誰かしら」

「さぁ、わからないわ……けどあの二人は釣り合わないわね、だからあの女子を排除して私が代わりに留学生に近づこうかしら」

「ちょっとずるいわよ、私もあの綺麗な留学生と仲良くしたいのに!」


 ……。


 食堂に着くとあちこちからリリカちゃんに対する興味の声が聞こえます。しかし、この声の中には私に対する敵意の言葉が混じっています。だから私は、親友のリリカちゃんと距離を置こうと思っているのです。


 きっとそうしないとリリカちゃんにも迷惑をかけてしまうから……いえ、これは言い訳ですね、本当は私が危害を加えられる事を恐れているだけなんです。だからこんな卑怯な言葉をリリカちゃんに投げかけます。


「あのねリリカちゃん、無理して私なんかといると、リリカちゃんが迷惑しますよ?」


 あぁ、こんな事を言う自分が惨めでなりません。

 

「繭氏、私は迷惑なんてしてないデスヨ。もし他の子達に何を言われても私は繭氏を選びマスネ。それ程繭魅力的デスから自身持って良いデスヨ」

「……ありがとうリリカちゃん。慰めてくれたお礼に今度リリカちゃんの好きなアニメキャラのフィギュアを作ってあげるね(私は本当に良い親友に恵まれています)」

「本当デスカ!? それは嬉しいデスヨ。やっぱり繭氏は私の最高の親友デスネ!」


 私はリリカちゃん言葉が嬉しくての思わず目に涙を浮かべて泣きそうになりました。その後涙をこらえて普通にリリカちゃんと接して二人で昼食を取りました。


 ……。


「あっ、ソウデス。繭氏〜、こういうのに興味有りマスカ?」

 

 食事が終わると、リリカちゃんはスカートのポケットから私にチラシを差し出しました。そのチラシを受け取って見てみるとチラシにはこう書いてありました――。


『幻想少女――球体関節人形展』


 球体関節人形……いったいどんな人形なんでしょう。そういった疑問を解決するように、リリカちゃんは今度はスマートフォンでこの展示会のホームページを開いて見せてくれます。するとホームページに掲載されている写真には美しく、気品溢れる人形の少女達の写真が沢山掲載されていました。

 

「すごい……こんな人形が世の中にあるんですね。けどその……この人形の子達、肌を露出したりしててエッ、エッチだと思います」

「そこが良いデスネ!」


 球体関節人形と呼ばれる少女達はみんな美しい身体を露出した衣装を身にまとっていて目のやり場に困ります。しかも中には羽つき帽子とマントをしか纏ってしかいない人形もあります。ですから人形とはいえちゃんと隠すところは隠した方が良いような気がします。


「繭氏、今度の休日に私と一緒にこの人形展に行こうデスヨ」

「ダメです。この展示会はエッチすぎて私達には刺激が強すぎます!」

「なんでデスカ。少女達の裸なんていつも私達この学園の寮のお風呂でいっぱい自分のも含めて見てますヨ?」

「そ、そうですけど……って、別に私はお風呂に入ってるときにそんなのふうにみんなを見ていませんから!?」

「私はそんなふうに見てマスヨ?」

「えっ!?」


 リリカちゃんの突然のカミングアウトです。もしかしてリリカちゃんは百合なんでしょうか。それと、まさかとは思うけれどリリカちゃんは親友の私の事をエッチなふうに見ているのでしょうか。これはどう反応していいのか困ります。


「繭氏〜。私と一緒にこの展示会にデートで行きましょうヨ〜」

「ダメったらダメです!」

「……お願いデスヨ繭氏〜」

「うっ……分かり、ました(リリカちゃん、急にウルウルした上目遣いで私に御願いするなんて卑怯です)」


 金髪碧眼の少女による上目遣いは例え同性であろうと魅了するものです。なので私はいつの間にか今度の休日にリリカちゃんとデート? をしに出掛けること約束してしまいました。


「ヤッター! 繭氏私とデートありがとうデスヨ」

「わっ、リリカちゃんそんな大声で報告しないでください、他の人達が注目してます」


 私達の会話を聞いたであろう数人の女子達が私を嫉妬して睨みつけています。とても怖いです。ここは何かされる前に退散しましょう。


 こうしてその後、私は食堂の件でドンヨリとし、一方リリカちゃんはルンルン気分で過ごしてその日一日を終えました。それから日数も経過して休日になりました。


 今日は二人でデートする日――まさかこの日がトンデモない日になるとは私は予想もしなかったのです。

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