表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/11

第6話:【お喋りな双弾と、死の鬼ごっこ】

「運営の番犬」ゼクスを退けた仁たちだったが、一息つく暇もなかった。

『――警告。運営直属・特殊殲滅部隊「パッチ・バスターズ」が接近中。』

「休ませる気ないわね。あいつら、自分たちのミスを認めずに、力ずくで消し去るのが大好きなのよ」

イヴが不機嫌そうに大太刀を構え直す。周囲の空気が重く澱み始め、空間にノイズが走る。

現れたのは、真っ白な防護服のような装備に身を包んだ集団。彼らが掲げる黒いシールドは、あらゆるスキルを無効化する「パッチ(修正)」の権能を帯びていた。

「囲まれた……! ライカ、いけるか!?」

『ダメ! さっきのフルバーストでチャージ中なの! あたし、繊細なんだからね!』

背中のライカがジタバタと騒ぐ。大火力は使えない。大太刀一本では数が多すぎる。

絶体絶命の瞬間、仁の腰のホルスターが、勝手にガタガタと激しく震えだした。

新キャラ登場:双子の拳銃精霊「ピピ」

「ちょっとちょっとー! 主人公くん! 出番忘れてなーい!?」

「待ってたよー! 撃ちたくて火薬データがムズムズしてたんだから!」

ホルスターから飛び出したのは、ピンクとブルーのツインテールを振り乱した、手のひらサイズの双子の妖精だった。

二人は仁の両手に一丁ずつハンドガンを「強制装備」させると、けたたましく笑い出す。

「ボクは『ピー』! 速射担当!」

「私は『プー』! 跳弾担当!」

「「二人合わせて、多機能ハンドガン『ピピ』だよ! さあ、パーティーの始まりだぁ!」」

跳弾のマルチ・バウンス

「撃て、仁! 指の力は抜いて、ボクたちに任せて!」

仁が反射的に引き金を引くと、通常のハンドガンではありえない連射速度で光弾が放たれた。

――ピピピピピピピピッ!!

「無駄だ! 我々のシールドはあらゆる攻撃を――」

パッチ・バスターズがシールドを構える。しかし、放たれた弾丸はシールドに当たった瞬間、物理法則を無視した角度で跳ね返り、敵の背後や足元の隙間へと吸い込まれていった。

「あだだだっ!? どこから撃ってるんだ!?」

「ひゃっほー! 当たった当たった! 運営の堅物さんたち、お尻がガラ空きだよー!」

ピピたちの能力は、弾丸を意志のままに「反射・誘導」させること。

一発一発の威力は小さくても、何百という弾丸が閉鎖空間で反射し続ける様子は、さながら**「光の檻」**だった。

「すごい……一丁の時とは比べ物にならない!」

「当たり前でしょ! 仁の『全部持ち』は、私たちが連結することで真価を発揮するんだから。――ほら、イヴ姉様、トドメは任せた!」

ピピが作り出した弾幕の隙間を縫って、イヴが音もなく踏み込む。

「ええ。よくやったわ、おチビさんたち」

紅い閃光。

弾幕に翻弄されていた殲滅部隊のリーダーが、その胸のコアを一突きにされ、データとなって霧散した。

束の間の平穏と「家族」

「ふぅ……なんとかなった……」

仁が座り込むと、ピピの二人が仁の肩に飛び乗ってきた。

「ねえねえ、今のボクたちの活躍、何点!?」

「100点!? それとも100万点!?」

『ちょっと! あんたたち、仁にベタベタしすぎよ! 先輩はあたしなんだからね!』

背中でライカが嫉妬の電光を散らし、イヴはやれやれと首を振る。

賑やか……というよりは、あまりにも騒がしい「武器娘」たちのパーティー。

だが、仁は気づいていなかった。

パッチ・バスターズのリーダーを倒したことで、彼のスマホにはさらなる**「エラー報酬」**が流れ込んでいたことに。

【緊急ログ:殲滅部隊のコードを吸収。】

【隠しモード:『強制アップデート』が解放されました。】

「……強制アップデート? 俺が、この世界を書き換えるってことか……?」

仁の持つ『全部持ち』の力は、ついに「ゲームのルール」そのものに干渉し始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ