表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/15

【規格外の初陣】


「ガ、ガアアアッ!」

スカベンジャーが空中で身を翻し、鋭い爪を仁の喉元へ突き出す。

だが、仁の反応は本人の意識を超えていた。

『近接防御モード、自動起動。』

左腕の籠手から、目も眩むようなプラズマ状のシールドが展開される。火花を散らして爪を弾き飛ばすと同時に、仁は無意識に右手のハンドガンの引き金を絞った。

――ドォォン!

放たれたのはただの弾丸ではなかった。全武装解放の補正を受けた「魔導強化弾」が、狼の肩口を木っ端微塵に吹き飛ばす。

「いける……これなら戦える!」

仁は一歩踏み出し、背中の**『対魔大太刀』**を抜き放った。

本来なら数人がかりで運ぶような巨剣が、強化スーツのパワーアシストによって羽毛のように軽い。

「はああああっ!」

一閃。

大気が悲鳴を上げ、スカベンジャーは一刀のもとに両断された。

【予期せぬ副反応】

しかし、あまりにも過剰な装備チートには、相応の「異常」が伴っていた。

『――警告。全武装の同時展開により、システム負荷が限界値を突破。』

スマホの画面が激しくノイズを走らせる。

スカベンジャーが霧となって消滅した直後、仁の身体を異変が襲った。

「ぐっ……熱い……!? なんだ、これ……!」

全身のアーマーから、排熱が追いつかないほどの蒸気が噴き出す。

さらに、倒した敵から立ち昇る「黒いモヤ」が、仁のスマホへと吸い込まれていく。

『経験値を全武装へ均等配分……。

 ――待機状態。全武装の「進化エヴォリューション」を開始します。』

「進化……? 待て、まだ何も聞いてないぞ!」

ガシャガシャと音を立て、装備が勝手に形を変え始める。

ハンドガンはより巨大な魔銃へ、大剣は脈動する生体金属を纏い、背後のレールキャノンはさらに凶悪な砲口へと変貌を遂げていく。

『試練クリア。マスターランク:測定不能エラー。』

静寂を取り戻した廃墟の街に、スマホの無機質な声だけが響く。

「……これ、帰れるのか?」

仁が呆然と呟いたその時。

遠くのビル群から、いくつもの赤い眼が自分を注視していることに気づいた。

一つ、二つ……ではない。

この「バトルワールド」に放り込まれた他のプレイヤーたちが、突如として現れた「異常な光を放つ兵器の山」――すなわち仁を目撃してしまったのだ。

仁のスマホに、一通の通知が届く。

【緊急ミッション:逃走、または殲滅】

現在、あなたの現在地は全プレイヤーに「レアエネミー」として公開されています。

「……はぁ!? 俺が、エネミー扱いかよ!?」

最強の装備を手に入れた瞬間、仁は世界中のターゲットになってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ