第1話:【全武装解放(フル・アーセナル)】
『――エラー。一括選択を検知。』
スマホの画面が真っ赤に染まり、警告音が鳴り響く。しかし、その警告はすぐに、システムさえも困惑しているような奇妙な通知へと変わった。
『……全カテゴリー、承認。ギフトコード「オーバーフロー」を適用します。すべての初期武装を転送――。』
「えっ、あ、全部……!?」
仁が叫んだ瞬間、スマホから奔流のような光の帯が噴き出した。
それは仁の周囲を渦巻き、実体化していく。
重なり合う鋼鉄の轟音
背中: 巨大な長剣『対魔大太刀』が背負われ、同時に高出力の『レールキャノン』が肩にマウントされる。
両腕: 右手には多機能型『ハンドガン』、左腕にはエネルギーシールドを発生させる『籠手』が装着。
全身: 軽量化された『タクティカル・アーマー』が自動的に仁の身体を包み込み、腰回りには無数の投げナイフと回復薬のポーチがセットされた。
「重っ……いや、重くない!? なんだこれ、力が湧いてくる……!」
装備の重厚さに反して、スーツのパワーアシストが仁の動きを極限まで引き上げる。
まるで自分自身が**「歩く武器庫」**になったかのような感覚。
「グルル……ッ!」
目の前の異形――スカベンジャーが、獲物の急激な変化に戸惑いながらも、鋭い爪を立てて跳躍した。
『バトル・スタート。全兵装、使用可能です。』
スマホのナビ音声が、冷徹に告げる。
「全部使えるってんなら……出し惜しみは無しだ!」
仁は無意識に、右手のトリガーを引き、同時に背中の大剣へ手を伸ばした。
本来なら一人では持ちきれないはずの武器たちが、システムという「理」によって、仁の意思一つで最適に駆動し始める。
戦慄のバトルワールド、その幕が、あまりにも規格外な形で切って落とされた。




