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第六環 温かい食事

あれから小屋に帰り夜がきた。

俺は今、台所に立っている。

「今日とれた野菜、ちょっと残しておいてよかったな」

あの後買った食材もきちんとしまい、満を持して調理を開始する。

まずは、野菜を切る。

トントンとリズミカル・・・とは言い難い、何とも言えないリズム感で切っていく。

切れた野菜を鍋に入れ、グツグツと煮え立つまで待つ。

その間に米を準備する。

米をとぎ、炊飯器にセット。

浸水時間は今回はなし!そのまま炊飯開始!

そして・・・ちょっと奮発といっていいのかわからないが、鶏もも肉を買っておいた。

それを一口サイズに切り、熱したフライパンに油を入れてから焼く。

いい匂いだ。

いい感じの焦げ目がついてきたら、そのまま鍋にドボン。

そしてじっくりと弱火で煮ていく。

「・・・って書いてるけど、これでいいのか?」

俺は初めて作るアレの説明を読みながら、大丈夫だろうか、と不安がよぎる。

「まあ・・・なんとかなるか!」

俺は不安な気持ちを払拭しようと、洗い物をしておくことにした。

しばらくあれこれしていると、ついに、米が・・・炊けた。

「・・・できた!完成だ!」

皿に盛り付ければ、なんということでしょう!

カレーライスの完成である!

今回は俺の作ったトマトも入れた、トマトチキンカレーだ!

「いただきます!」

久しぶりの温かい食事に、高鳴る胸をおさえつつ、1口目を口に運ぶ。

「うっ・・・うまい!」

もう俺の勢いはとまらない!

なんたってトマトだけではない、自分の作った野菜が使われているのだ!

余計にうまいと感じるはずだろう!

そうして勢いのまま完食した!

「ご馳走様でした・・・」

腹も心も幸せでいっぱいだ・・・。

なんだか明日からも頑張れる気が増してきた。

食事の力はすごい。

それから食事の片付けをして、俺は風呂に入った。

湯船に浸かり、今日までを振り返る。

「なんか・・・嘘みたいだな・・・」

この山の事故が起きたのは、青の季節だった。

そこから話し合いや、国から魔力を扱う牧場経営の打診などがあった。

その打診を受けて、俺がここで牧場を始めることになった。

・・・まだ今は、牧場とは言えないくらいの、小さな小屋と菜園しかないが。

ここまでの時間が、矢のように過ぎていったと感じている。

協力してくれた人たちの顔を思い浮かべる。

思わず顔が緩みながら、俺はしばらく温かいお湯と気持ちに浸っていた。

…

それからも俺は、菜園での研究を続けていた。

できたものをハカリやオロシ姉さんに持っていきつつ、日々を過ごしていた。

そうして、月日が経ち、緑の季節が終わりを迎えようとしていた。

…

ある日、俺は野菜をオロシ姉さんのところに持っていこうと広場に来ていた。

ふと見ると、イチバ環の隣に、建設中の足場ができていることに気付いた。

「ん?・・・ここに何かできるのか?」

不思議に思いつつ、俺はオロシ姉さんのところに行った。

「おはようジン!今日は何を持ってきてくれたんだい?」

「おはようオロシ姉さん!はいこれ、今日もよろしく」

俺はオロシ姉さんに野菜を渡しつつ、イチバ環の隣に足場があったことを聞いた。

「あぁ!あれかい?なんでもこの街にもついに!ツクレル環ができるんだってさ!」

ツクレル環か。

ダイクさんを最近このあたりで見ないのは、ダイクさんの仕事場にもなる、ツクレル環ができるからだったのか?

「もしかして・・・そこにダイクさんが就くのか?」

「本当かどうかは、まだわからないけどね!そうらしいとは聞こえてきてるよ!」

「そうだったら、ダイクも大喜びだろうね!」

ニカッと笑いながらオロシ姉さんが言う。

この街で、ダイクさんの仕事が増えてきたんだろうか?

「それは・・・たしかにダイクさんは喜びそうだ」

「完成が待ち遠しいねぇ!さあさ!今日のお代だよ!いつもありがとうね!」

「こっちこそ、ありがとう」

オロシ姉さんの言葉を返しながら、俺は少し笑う。

菜園での再現性も確認できたし、いいことが続いている気がする。

オロシ姉さんからお金を受け取って、少し必要なものも買い、俺は小屋に帰った。


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