第7話 窮地
残酷な描写というより気持ち悪い描写があります。変に細かく想像しない方がいいかも知れません。
「うーん!」
俺は未だに練習を続けているがまともな火が出てくる気配はなかった。
「だめだ…全然できない」
魔法書を閉じ俺は2階へと戻ろうとするが…
「あれ…ちょっと疲れてるかな?」
休憩したはずなのに、魔法書はほとんど指先しか扱っておらず疲れるようなことは何もないと思いながら2階への入り口へと戻る。
「何…だよこれ…」
来た時とは全く違うくなっている2階に唖然とする。木々は破壊され他のモンスター達が今さっきやられたような有様だった。そのモンスターたちは絶命しそのままダンジョン内に消えていったが消えずに残っている影があった。
「はっ…はっ…はっ…」
疲れた身体を動かし目的の場所へと到達して見るとそれは休憩中に通り過ぎた2人組みであった。
「なんで…こんな!」
おかしい…この2人は3階で戦闘してた、いやもしかしたらそれより下の4階でも戦うまでいたかもしれない。そんな2人がこんな無残な姿になっているなんて。
メキメキと倒れた木を踏み締める音が近づいてくる。その音はとてつもなく巨大な奴だと理解し後ろを振り向く。
「っ!コイツは…」
さっきの休憩中に確認した、名前は確かオルグハーク。だけどこれは…
「化け物」
そう口にせざる負えなかった。
「ギョロエレラレレレ!!!」
「おえっ…」
なんていう汚い鳴き声だ…それだけではなくこいつの脚は巨大化して毛が抜け落ちて鳥肌が気持ち悪ぃ。上半身より下半身の方が倍近くでかいんじゃないのか。
「ギョロア!」
「っ!!」
巨大な脚を俺に踏み込んだが間一髪で避けることに成功する。
「危ねぇ!」
一気に吹き出る汗を感じ閉まっていたレイピアを取り出す。握り込むレイピアは汗で少し滑る気がしながら次の攻撃を読む。
「ギョロエレラレレレ!!」
「ぐっ!」
「そう何度も気持ち悪くなってたまるか!」…と思い即座に耳をふさぐと気持ち悪い鳴き声は小さくなり耐えれるようになったが即座に風の刃が飛んできて耳をふさぐ事に意識を割いていた事もあり避けきれず浅いが傷を負ってしまう。
「クソったれが…」
自分でもあまり言わない口の悪さ、不快な気持ちになるのに釣られて心が乱されてしまい平静を保てないでいた。
(今の風の刃…もしかしてあのクソみたいな鳴き声と一緒に飛びしたのか…)
「ギョロア!」
翼を広げ大空へと飛び上がる…が
「落ちてくる!」
翼を広げたまま勢いよく落ち強烈な風が巻き起こり、俺はその風に飲まれふっ飛ばされた。ふっ飛ばされながらも奴を見ていたらその風にも風の刃が付いております俺に襲いかかって来るが今度は見えているために躱すことができた。
「はぁ…はぁ…はぁ…戦い方が…はぁ…全然違う」
最初に戦い逃げた時とは全く違い、最初は戦い方に華麗さすらも感じたのが今はそれらが微塵もなく一体俺がいない間の時間に何があったのか…。このままでは俺はジリ貧なので何とかして1階への扉に入らなくてはいけないのだが遠すぎる。
(ひとまず身を隠せる場所は…あそこか!)
木々が倒れていなくまだ被害を受けてない所へ即座に移動すると奇怪なオルグハークは汚い足取りで追ってくると汚い鳴き声で風の刃を放ってくるが木々に遮られ当たらずに逃げることができた。
(少しの間撒くことはできたな…)
たとえ遠回りになろうと現時点でこの行動が俺は正解だと感じていると疲れが更に増えてくる。
「はぁ…はぁ……はぁ………」
息継ぎの感覚が長くなり少しの間だが止まることを余儀なくされる。
「なんだ…この感覚…っ?」
俺の中で押し寄せる感じたことがない感覚が今激しく俺の身体を疲弊させてるのは理解できるがそれが何なのかは分からない。それでも走り続けないと…。
「ギョガッ!!」
「っ!?しまっ…!」
疲れて止まってしまった俺に遠くからアイツは風の咆哮を俺に食らわせてきた。避けきれずに頭からは血が流れ出して服などもボロボロに裂けてきた。起きようとする俺に再び「奇怪のオルグハーク」が近づき襲いかかってくるが俺はレイピアでデカい巨体ゆえの隙を逃さず力を振り絞り近づき突き刺すが…。
「……まじか…」
パキンッ…と折れてしまうレイピアの折れた剣身を見て一瞬だが思考が停止する。けどここで終われなかった。順手持ちだったレイピアの握りを逆手持ちへと即座に切り替えて左手を添えて力を込めて細く折れたレイピアの先を削る要領で「オルグハーク」の腹を袈裟斬りで抉ることができた。
まともな傷を負った「オルグハーク」は痛みに悶え左の翼でデザイアを吹っ飛ばす。この時左の翼に今までの攻撃と同じ様に風の力が込められていたがこれがデザイアにとって好機となる。
〜
ふっ飛ばされた俺は感じていた。俺の中で俺を疲弊させる何か…それはさっきの奴の攻撃で理解できた!
そして感じることができた…危機的状況という今の状態でやっと感じ取れたんだ…。
「これが…魔力か?」
やっと感じ取れたこの魔力というエネルギーが火の魔法書の練習の時に放出されていたのだった。
(火には変換されてなかったけど…使われてはいたのか!)
だから2階に戻ってくる時に疲れがあったのか。
ただ今それを知ってどうすればいいのか…武器は手元から無くなり俺の肉体もダメージと枯渇しかけている魔力によって結構ヤバい状況だ。
(いや…まだ方法はある!)
魔力は…感じ取れる、あくまで枯渇しかけているだけだ。今なら行けるかもしれない…魔力のエネルギーを感じ取れたのなら、それを上手く変換出来るはずだ。確証はない…けど!
「やらなければ…死ぬだけだ!」
俺は起き上がり練習していた人差し指を出し構える。
次で決まる…。俺が生きるか、死ぬか…。
「けど、もう…死ぬつもりはサラサラねえよ!!」
応援ブックマークお願いします!
初めてブックマークされて嬉しかったです。




