第5話 ダンジョン1階
主人公の姿は基本的に皆さんの自由です。
門兵に出来立ての証明書を見せると今度はスッと通された。ダンジョンの中の通路に立て札があり、そこには「ダンジョン内での行動は気を付けてください」と書いてあり、ダンジョンという特殊な環境では法などが通用しにくいのだろう。長い階段を下ると1階の間にたどり着く。一言目は
「ひろっ!」
だった。見た目からは想像できない程の広さが中には存在していた。草木もありその環境は外の自然環境と同じ様な感じだ。
「っ!」
ゴソゴソっと草木が揺れる方を見ると一匹のモンスターが飛び出してきた。鼻はとてもでかくその下にある口元から出ている牙はとてつもないほど短く脅威にならない程だった。あのモンスターは確か…。
【ホムリートン】一般的な豚の姿から鼻が巨大になり、メスからモテるための牙が退化した様な姿みたいで「不細工な豚」と名付けられた。
1階のモンスターたがら強くはないはず、だからと油断はしない。せっかくの命をもう無駄にしない、あと1階でやられたらなんか嫌だ!
あらかじめ持っていたレイピアを右手に構える。あの時から使ってなかった武器をここで使う。別にレイピアが好きだから使うわけではなくあの時初めて命を奪った武器がこれだったから使用するのだ。
「来い!」
自分なりの覇気を込めて挑発するとそれを感じたのか「ホムリートン」は突進してくる。
(正面…思いっきり突ける!)
武器を持つ右手側を思いっきり真っ直ぐに突くと「ホムリートン」の鼻を突き、そのまま肉の中に刃がスーッと入っていった。刃は鼻を越えて「ホムリートン」の脳に到達した。
(よっしゃ)
脳に刃が到達したのを理解して喜んだ瞬間思いっきり間にレイピアを持ち挟んだまま突進された。俺の攻撃はモンスターの命を奪うのには十分な一撃だったが奴が突進してきた勢いは直ぐには止まらない。
「うっ…」
脇腹に持ち手が当たり思わずえずく。それだけでは止まらなくすぐ後ろにあった木に俺は挟まれるようにぶつかることになった。
「うっ…間違えた…」
痛がりながらそう口にこぼす。突進してくる相手に堂々と動かず突きをしたのはダメだった。奇跡的にも持ち手が脇腹に当たったことにより木に当たるときにはその持ち手はズレて俺の脇腹を挟まずに直接木に当たったのだ。もし腹のど真ん中だったらズレずにもっとヤバくなっていただろう。
そう反省しているともう一体出てきた。
「でも、もう大丈夫だ」
突進してくるコイツは確かに今の俺からしても少し速い。けど…俺はもう見てたんだ、もっと速くて恐ろしいのを…だから避けるのは難しくない。
「ふっ!」
軽く横に避けるとモンスターはそのまま通り過ぎる無防備となっている後ろから的確に急所を突く。そうやって出合い頭に会う「ホムリートン」を次々と倒していく。奥に進むと2匹一緒に相手をすることになるが突進してくるしか選択肢が無いのでこれまた同じく避けるとお互いがぶつかり合い怯んだ隙に始末した。「ホムリートン」だけではもう成長できないと感じていると次なるモンスターが現れる。
「こいつは…ヘビか…」
人を上回るぐらいの大きさのヘビで地面を這って襲ってくる。けど…
「対応可能な速さだよ」
大事なのはアイツがどんな攻撃をしてくるかだ。長い胴体を使い締め上げてくるのは安易に予想できる。手や足もないから尾を使って攻撃してくる位だろう。
ヘビは尾を使い叩きつけてくるが俺はそれを躱すと奴が身体を伸ばした時の距離を想定し攻撃範囲内と思われる場所より離れた。初回の失敗は今活きている。名前を忘れてしまったけどアイツは地面を移動する時は地面を這うのでその時は尾を使って攻撃はできない。尾は移動時に役割が決まっているから二つ一緒の役割はこなせない。だから攻撃はアイツが地面を這ったときに上に飛んで武器で頭を一突きにすれば勝てる。
考えていると理想通りの展開となる、ヘビは地面を這ってこちらにやってくる。尾までが移動の動きをしたのを見計らって上に飛ぶ。
「ハッ!」
レイピアを下へ突くと頭ではなくその下に突き刺さる、もちろん絶命はせず刺された痛みで暴れだした。
「…単純に俺の実力不足だわ…」
そう自分の実力の足りなさを嘆きヘビを観察する。ヘビは尾を下から這うように伸ばし俺の足回りを囲むようにした。これは…
(今だ)
巻き付けられる前に素早くそこから抜けてもう一度頭を突きに行く。ヤツ刃攻撃態勢で逃げれない、そして尾は俺の後ろにあるから俺の攻撃の方が早くたどり着く。
しかしヘビは隠していた。自分が持っている武器は尾を使った攻撃だけではないことを…。ヘビの喉が膨れ上がり口から液体が吐かれるとデザイアに覆いかぶさった。次第に液体が吐かれた場所は草がどんどん腐食していった。だが…
「ヤッたと思ったか?」
デザイアは避けていた。毒の液体が吐かれた時瞬時に交わしていた。ヘビからの視界では自身の毒と毒が地面に当たった時に腐敗して発生したガス煙に避けたデザイアを視界に捉えられなかった。
「お前の攻撃が尾だけじゃないとは思っていたさ」
そう言いながら俺は後ろから無防備となった頭を的確に突き刺して人間の言葉を理解するかは不明だが言葉を続ける
「よく観察してなくても何となく察しはついてた。だってお前、凄い毒々しい色してんだもん」
馬鹿でも気付くような黒紫の配色をしたベビだから当然毒はあるだろうと予想していた。喋り終えるとヘビは絶命して消えていった。
(ホムリートンよりは強かったな…)
そう思ってまた俺は次なるモンスターを倒していく。1階のモンスターを全部倒すことを目指して。
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