第13話 ウィルとイリーナ
彼の名前はウィル・トルウェン、トルウェン家の三男で橙色の髪色が父親からの遺伝として受け継いでおり癖っ毛が彼の特徴となっている。
トルウェン家は一応貴族という肩書を持つことができている家系だが貴族間の中での序列は低く肩身の狭い状況にある。そんなある時僕の所に父の知り合いがやって来たことがあった。
「父上、そちらの方は?」
「ウィル、彼は私の友達の魔法使いだ」
「はじめましてウィル、私の名前はビルドラ・デランケン。君のお父さんがお願いしてきてね。確かめてくれってね」
家の庭に出てさっそく何かを確かめてくれるらしい。ビルドラさんは僕の手を握り何かをする。ビルドラさんは目を閉じて集中しているが、少し時間が経つにつれ額に汗がにじみ出てきた。
「こ…これは…」
っ…どうしたんだろう、何か大変な事になったのかな…。自分の中で考えているとスッ…と目を開け僕の手を離すと父さんに話しかけた。
「トルウェン子爵…凄いですよ、この子は…私がまだ未熟という事もありますがそれでもこの子の中の力の全容を見れません」
「そ、それはつまり!?」
「この子には魔法の才能があります!私が見れない程…膨大な魔力を宿しています」
僕に魔法の才能?本当に?
「ウィル!お前には魔法の才能があるらしい!」
父さんはとっても喜んでくれた。ビルドラさんが帰ったその夜は賑やかな1日になった。母さんや2人の兄さんたちも僕のことを褒めてくれた。両親は魔法を扱える訳でも才能があったわけでも無く、それがそのまま遺伝した2人の兄は魔法を諦めたらしい。
僕は家族と約束した、必ず魔法使いになってこの家をもっと大きくする…と。大きな貴族には有名な魔法使いがいる、つまりは魔法使いがいなければのし上がれない…魔法使いという強力な存在が地位や名誉を固くしてくれるのだろう。
しかし直ぐに壁に直面した。自分では魔力を感じれなかった事が僕を長く苦しめた。魔法を扱えることがレゼルス・ディア学園に入学できる条件だけど僕はその条件を満たすことができなかった。
才能を見出されてからは魔力の変換、貴族としての勉強、学力向上、身体能力向上を目指していったが魔力の変換方法だけはいくらやっても分からなかった。レゼルス・ディア学園に入学する時間が迫ってきて焦りが生まれた時に父さんはある一人の女の子を連れてきてくれた。彼女の見た目は長髪の黄色みがかった髪色が特徴的で落ち着いた感じが見て取れたり
「はじめまして、イリーナ・レイアウトと申します」
「ウィル…挨拶を」
「は…はい!はじめまして、ウィル・トルウェンと申します」
貴族間での交流は基本的に経験がないため緊張しながら挨拶を何とか返した。交流等は基本的に上の兄2人が行っているためほぼ初めての実戦だったが合格点だと思っている。すると父上が口を開く…
「ウィルよ…イリーナ令嬢はすでにレゼルス・ディア学園に入学する事が決まってるお方だ」
す…すごい!もう決まってるなんて、凄すぎる。
「イリーナ殿は何の属性魔法を選んだのですか?」
「風です。私にとって風が最もイメージしやすいものでしたから…魔力の変換は自分自身で何とかするしかありませんが、イメージの感じ等は私なりに伝えれるように頑張ります」
「ありがとうございます!」
感謝を述べるとさっそくやってほしいとお願いされやってみることにした。
「い、行きます!」
合図を送ると僕は力を込める。感じたことの無く、それが本当にあるのかという不安を胸に抱きながら力を込める。
イリーナ・レイアウトはレイアウト家の三女である。トルウェン家よりも地位が高いレイアウト家だが当主間での深い交流もあり、それが今回の出来事に繋がったらしい。
イリーナ自身は気乗りしなく、それを悟られぬよう落ち着いた表情で過ごそうと思っていたがそれらの考えは一瞬にして吹き飛ぶ。
ウィル・トルウェンから溢れ出てくる膨大な魔力におもわず目を見開いてしまう。他の人の魔力など現時点では感じたことはそんなに無かったが彼が物凄い量の魔力を持っているのは直ぐに理解できた。彼女は興奮を抑えられずに…
「凄い魔力ですね!」
「えっ…そんなにでしょうか?」
「はい…驚きました!貴方から溢れ出てくる魔力はとんでもないです。」
この興奮は気乗りしなかった筈の彼女の考えを一瞬にして払い除けて彼を本気で手伝おうと考えた。
「それと…敬語は大丈夫です。同い年なのですから…」
「いや…でも貴方は…」
明らかに地位が違うため少しためらう…父上は違う地位同士だが長い時間をレイアウト家の当主と一緒にしたためあのような関係になっているのだ。
けど僕は…
「そんなに嫌ならウィルに叩かれた!って言って泣いちゃいます!」
「えっ!?…そ、それはちょっと…」
突然の脅しに驚くと
「だったら言ってください…イリーナと」
「い…イリーナ嬢…」
「駄目です…嬢はいりません。じゃないと叩かれたと…」
「イリーナ!これでいいですか!?」
まだ敬語は残っているがイリーナは満足して嬉しくなる。そうやって少しの時間がたちイリーナは場所を変えようという提案をウィルに持ちかけウィルもそれに賛成したことにより岩山の場所での修練をすることになった。モンスター等もいるがここら辺の地帯はイリーナ単独だけでも対処することができたので何の問題も無かった。
時は元に戻り、そうやって献身的に支えて励ましていると顔を布で覆った男が近づいてくる。
「ウィル…、気を付けて」
彼の左腰には武器がある。そして何故か顔を隠しているのを見る所に危険だと判断する。
「ウィル、私がサポートするわ」
「イリーナ…僕にできるかな?」
「大丈夫よ!私が来てから剣術も習ったでしょ?自分を信じて!」
「すみません!話いいですか!?」
2人の会話に向こうの言葉は入ってこず、攻撃を仕掛けに行ってしまう。
「行くよ!ウィル!」
「あぁ!!」
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他人の人物設定など難しいですが頑張りました。
もう1話出せるように頑張ります。




