第12話 真相
道でもない森の中を歩いている俺は未だに何の手がかりも見つけられなかった。もしかすると【ドルピギルス】が来たのはもっと遠くなのかもしれない。理由としてはここら辺には住処とする巣が全くないからだ。住処とするなら…洞窟みたいな所に俺ならする、たとえモンスターといえど【ドルピギルス】もそう思うと俺は考えている。
(洞窟がある場所…岩山がある場所…)
学校に行くために手に入れた詳しい地図を別の為に使うとは買っておいて本当に良かった。岩山がある場所へと向かうと森の木々の隙間から奥の方に岩石地帯を発見する。発見するまでは良かったが森と岩石地帯の間にはかなりの高低差があり結構な急な崖に近い形の傾斜となっている。
(これを登ってきたのか?)
まぁ…間違いなく登ってきたんだろうな。頭部が特徴的だと言っても一応の手足に爪を生やしているから登ることは不可能ではない。向こうの岩山の壁に無数の大きな凹みがあり、あの形はあいつらの頭突きによってできたもので間違いないだろう。
直接喰らった俺だから分かることであり、その凹みがある壁を森から横に歩き続けてあいつらがこっちの森に来た理由を探る。
(大きな川だな…)
少し歩けば大きな川が見えできる限り近づくと遠くからでも魚影を確認できた。
(食料には困らない…)
雨を凌げたりその際に川の水が溢れ出しても避難できる場所は結構ある。
(とすると…やっぱり強力な敵が…)
その線が最も濃いだろう。だが別にそんな生物たちは見当たらない。あれだけの数が逃げていったのだから追い出したモンスターも同じ位の数か、それらを凌駕する一匹がいるはず。
「鳥たちがこっちに来てる…」
当然の事だ、だがあれだけの大群でこちらへ飛んできているのは初めて見たな。普段なら多くても5…6羽位で同じ場所にいても単独行動の面が目立つが今回は全ての一羽一羽が同じ目的の元で集団行動をしているようだった。
「一体なにが…っ!?」
鳥達が来た方向より更に奥から襲い来る見えない力が身体を硬直させる。
「これは!…」
感じたことがある猛々しいエネルギーの塊が周りの環境には影響せず、付近に生息している生物達にだけ影響を及ぼしている。まさか鳥達のこの行動はあの力を感じ取って?
「間違いない…魔力だ!」
【ブラーブ】で魔力を扱えるようになった事により魔力をきちんと感じれるようになった。間違えるはずが無い。
「急がないと!」
急がなければ…あれだけの魔力を放つモンスターを放っておいたらここら一帯は大変な事になるのは目に見えてる。
森の崖近くを走りながら目的の場所へと近づいていくと共に、何処か安全に降りれる場所を探す。
(ここだ!)
行ける…と思った瞬間に崖を素早く降りてゆく。止まらず勢いを殺さないで降りていけたが、前がかりになっていた態勢のまま下り終わりそのままコケてしまったが幸い怪我にはならなかったし、右肩にも大した影響は出なかった。
今の所はあれから魔力が再び放たれた事は感じはしなかった。さまざまな疑問を持ちながら目的の場所へと確実に迫ってきた。一体どんなモンスターがここにいるのだろうか、あれ程の魔力であれば遠くにいた【ドルピギルス】も逃げ出すのは当然だ。
高めの場所から見下ろす感じで岩の影から覗き込むと…
「はぁ…はぁ……やっぱり僕にはできないよ…」
「大丈夫よ!あれだけの魔力だもの絶対できる!自分を信じて、信じるのよウィル!」
「うん…ありがとうイリーナ」
二人の男女がそこにはいた。男はウィル、女はイリーナと呼びあっている。すると男のウィルは…
「ふんっ!」
両の掌を前に並べ力を込めるとあの時感じた魔力を再び感じ取る。
(この魔力…コイツからだったのか)
モンスターではなく人間が放っていた魔力…見る所によると魔力の変換をしているらしい。けれども魔力の変換をまだできないらしく、「それなら魔力を感じることは無理だな」と理解することがてきた。
しかし…あのもう一人の女の言葉によれば女自身は魔力を感じ取れている。だったら何故周りの事を察することができないのか…。
(注意するしかないな…)
魔力の変換は確かに大変で気持ちは理解できるがそれでも被害が発生してる為に見逃すことはできない。
もしもの為にとバッグの中から布を取り出し首から鼻下を覆うように巻く。できることなら今日限りの出会いという形で終わらせたいからだ。
準備を終えると下へと降りて2人の視界へ姿を現し声をかける。
「すみません!話いいですか?!」
布で声が籠るので大きな声で話しかけると…向こうの2人はヒソヒソと話し合い、そっと距離を離す。
話し終えたのかと思ったら…
「行くよ!ウィル!」
え?
「あぁ!!」
2人は掛け合いの元、前後に別れウィルと呼ばれる男が真剣な顔付きで俺に向かってやってきた。
応援ブックマークお願いします!
今日は何本か投稿していくように頑張ります。




