第11話 初お披露目
【ブラーブ】の街を出て今度は商人等も通るような道を通る俺は途中で村を見つける。
村の名前は【パータ】と言われ狩猟や農作物を主軸に生活しているらしい。【パータ村】はレゼルス・ディア学園に続く道の一つで村で取れる肉もそこに納品されている。何故納品されているか…それは目指す学校、レゼルス・ディア学園がある場所が国の本拠地となっているからだ。
国の名前は【オルドラ王国】で【ブラーブ】や【パータ村】はその国の国土の一部となっている。
話を戻すと今の俺は【ブラーブ】で泊まることにした。宿屋を見つけようと村の中を歩き回るが見つけられず住人に聞くことにした。
「すみません、宿屋を探しているんですが…」
「あ、それならあそこです。すみません少し古いんです…だから」
ちょっと言葉を控えるような言い方だが素直に言うと穴が空いてる宿屋となっている。
ギギギィ…と木の扉が軋む音を鳴らしながら扉を開けると誰もいない。
「すみません、誰かいませんか?」
すると奥から一人の男性がでてくる。
「あぁ、いるよ…いる」
「一部屋お願いします」
「はい…どうぞ……ハァ…」
なんだ?客の前でため息なんてついて構ってほしいのか?
「……はぁ…どうしたんですか?」
俺もため息をついて勇気を出して質問すると…
「えっ…」
「ため息ついて元気も無い、見てるコッチが嫌になります」
「すまないね…実はね」
そう言って宿屋の店主は悩みを打ち明けてくれた。
宿屋の店主曰く今この村ではモンスターが村を襲って来るらしいのだ。宿屋の穴もモンスターに空けられたようだった。
「っていうかこの村は肉の納品を行ってるんですよね、だったら普通にモンスターを狩れる人達がいますよね?」
「居るけどね…困ったことに彼らでもそのモンスターに手をこまねいているんだ。」
「もしかして…モンスターが強くなったとか?」
「強くなったというか…出てくるモンスターが強くなったと言うのかな…」
「つまり、今まで狩ってきたモンスターではなく違うモンスターが出てくるようになってこんな感じになったんですね」
「あぁ、そういうことだ…あぁ!」
頼むから元気出してくれよ…ずっとため息ついてて会話が思ってるより進まないな。
そうやって介護をするように色々と聞いていくとどうやらこんな風になったのはつい数日前だという。ということはまだこんな風になった原因が森の中にあるかもしれない。
(探ろうかな…探らないほうがいいかな?)
別に俺は善人でも無いので無理にやる必要は無いと思ってるし、そのモンスター達がどれぐらい強いかなんて分からない。そんな事を考えていると…
「た、大変だぁー!!また来たぞモンスターだ!」
このタイミングで来るとはむしろありがたい位だ。俺も宿に泊まるため宿ぐらいは死守したいので宿の外に出る。
「おじさん、来たモンスターはどこ?」
「あ…、あっちだ!」
焦るおじさんに場所を聞き直ぐ向かう俺は左手に持つ刀を見る。初めての刀の使用、上手く扱えるだろうか。たとえ強いと言ってもダンジョンで戦った「オルグハーク」よりは下であることは確かだ。アイツと戦った事により俺も力がついている上に今回は新しい武器もある。心配は無いはずだ。
「いた!」
「ゴワァ…」
そう鳴き声を放つモンスターは頭が異様に硬そうな見た目をしていた。
「あれは…【ドルピギルス】か」
※【ドルピギルス】…頭の硬さが異様に発達した四足歩行に近い姿勢ながら二足歩行で行動する生物。手足の爪は鋭利だがとても短く頭に全振りしたような生物だ。
宿屋の店主から聞いた話ではあいつらは頭がとても悪いので直感的に動いたりするらしい。宿屋の壁に穴が空いたのも隠れた時にデカい音を立ててしまい頭突きされてしまったということだ。
そんなあいつらは畑の農作物をムシャムシャと食べている。人が育てた農作物は確かに上手いが自然のなかには色んな自然の恵みたる食材が溢れてるはずだ。つまり食べ物があるのに村に降りてきているということは何者かが本来の【ドルピギルス】の生息域を奪ったと言うことになる。
(まぁ…それでも村に迷惑をかけたらこっちもやらなくてはいけなくなるよな…)
刀を入れ物から抜いて構える俺は左足を浮かせ地面に思いっ切り音を立てるように叩きつける。
「ピギ…」、「ピギャ…」、「ピク…」
俺から近くにいた3体の【ドルピギルス】がこちらへ向かってくる。
「なるほど…」
向かってくる時の姿勢はとてつもなく特殊だった。特殊な硬く長平たい頭が狩人たちの飛び道具を頭でガッチリガードしているからやられてしまったんだろう。
「ま、俺には意味ないけど…見えるから」
ダンジョンで戦った奴より遅いからまばらに襲って来る頭突きを交わしていく。3体とも交わした直後にすぐさま後ろから襲いかかる。
「お前も止まれないのか…」
あの時と一緒で直ぐには止まらず直進し続けるので背中を刀で斬りつける。
「ピギャア!」
断末魔を叫びながらすぐに2体とも斬りつけにいく。2体はこちらを振り向くがその瞬間に喉を斬りつけ血を噴き出しフラフラとしながら倒れる。死んだ仲間を見て一斉に俺に襲いかかるが戦い方はもう分かった。知能がない分、裏に何かを隠しているという可能性は低いので次々と刀で斬っていく。
「やっぱ…振り抜けるってのは良いもんだな」
突くしか無いレイピアとは違い刀で斬るとそこから更に斬り込めるのは武器を変えたメリットとしてはデカい。デメリットとしては力の入れ方が難しいことだ、刃幅が薄く横からの力を加えようとすると折れてしまうので真っ直ぐ力を加えることが肝だ。
避けて、斬りつけるが上手く刃を振り抜けない。
「未熟!」
抜けない刀に苦しむモンスターはもがいて刀が折れようとしたので足蹴りしてその力を利用して刀を引き抜く。このモンスター達の頭が悪いおかげで何とか優勢を保てている。
「あんちゃん!助けに来たぞぉ!!」
村の住民が斧を振ろうとしてこちらへやってくるがその攻撃はモンスターの頭に当たり弾かれる。
「っ!馬鹿っ!頭が硬いのに頭をやろうとする奴がいるか!!」
「うっ…うわぁ!」
「だっ!」
何とか追いつき人間で言ううなじを斬りつけるが…直ぐ様避けれないタイミングでやってくる。
「ピギャアァー!」
「ぐっ…」
右肩が…何とか背中をやられるのは防げたけど右肩を負傷した。
「あ、あ、あああああ大丈夫か、あんちゃん!?」
「大丈夫…貴方は子供達をかくまって、早く!」
俺は大丈夫だが…お前は大丈夫じゃ済まさねぇぞ!
痛みでイライラして気分と口が悪くなる。右肩を負傷したら右手を軸にして刀を扱うのは難しい、左手を軸にして右手を支えにして扱うのが今の最善策だろう。
「あと…5匹…」
多くはないから左でいける!
頭が冴えるこの感覚…道が描ける。
5匹来る…左が一番早い
「オラァ!」
最も早く到達するのを素早く選定し処理する。扱えない左は右でもまだ未熟で当然刃は肉の中で止まる。止まった刃を力がある負傷した右で抜き取り再び左に持ち替え構える。
「フッ…頭は硬いけどその姿勢は!」
頭を守っているが全てではない、あくまで正面からのみ…下からはモロ空いてるので右膝で飛び膝蹴りを食らわす。
「っ!頭以外は柔らかいなぁ!」
飛び膝蹴りをした相手を怯ませ余裕を生ませ左右のモンスターを同じ方法で斬りつけていく。
「2匹…3匹…」
次にまだ怯んでる4匹目の喉をスパッと斬りつけ、最後の5匹目を見て向かっていく。
「っ!?」
姿勢が低く膝蹴りできない…学習したのか?
姿勢が低いことにより更に前傾姿勢が傾きスピードが上がってる。
(おっ…膝が…)
飛び膝蹴りで膝を少し痛めたのか飛ぶタイミングを失ったが…横には避けれる。避けたタイミングと共に足が通る道筋に刀を置くと相手自身の力で足が切れて頭から倒れたので最後のトドメをさした。
「ふぅ…おわったぁ……」
予期せぬ事はあったが何とか終わらせることができた。
「お兄ちゃん、すげぇーよ!」
ん?子供?俺よりとても小さく幼い男の子が隣にいる妹とこちらに向かってきて絶賛してくる。
「すげーよ!ここの大人たちはビビって何もできなかったのに…それを1人で」
「うん…ホントにきちんと1人でやれてたら…」
どれぐらい楽だったかと思うと…
「え?」
「ううん、何でもない!怪我はなかったか?」
「うん!妹も僕も大丈夫だよ!」
良かったと言葉を返すと大人達もワラワラと寄ってくる。
「ありがとう、旅の人!」「貴方は恩人よ!」
「是非ともお礼をさせてくれ!」
など感謝されて貰っているがまだ終わってない。
「是非ともお礼は頂きたいです…けどまだ終わってません。この原因を突き止めに行かなければならないんで」
「げ…原因!?」
「俺の経験則からいって野生のモンスターが群れで行動している時に生息域を変えるということは聞いたことがないです」
だから調べなければいけないのだ…。この村がこのままの状態で戻らなかったら面倒臭い事になるから。
村の人達に心配されるも平気と言い、【ドルピギルス】がやってきた森の方へと調べに入っていく。
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