第10話 新たなる相棒
朝にスッキリ眼を覚ます俺はウキウキした気持ちで部屋を出る準備をして荷物を持ち部屋を出て部屋のある2階から降りる。
「おはようございます」
宿屋の店主に挨拶をして扉を開け退出する。普通に宿屋て寝ていたがどうやらゲルドンさんが支払ってくれていたらしい。
(マジであの人なにもんなんだろ…)
多分だけど結構エラい人なのかもしれない。だけどそうだとしても俺の態度は変わらない、変える気はない。昨日は一応丁寧な口調を使って喋っていたし、ここから更に急にヘコヘコして相手の機嫌を伺い媚を売るのはなんか違うし俺はしたくない。
そうやって考えなが移動すると待ち合わせ場所の武器屋の前にやってきた。武器屋の前にはまだゲルドンさんは来ていなくて先に着いてしまってたらしい。
(武器は何にしようかな…)
またレイピアにするかな…けど突くしかできないしそんな幅のある攻撃ができなさそうなんだよな…。
「できなさそう」って言うより「できない」だけどね。
それじゃ剣かな…剣だったら振り回せるし敵の力に対抗することもできるし、なんなら突くって事もできるし…いいな!
あとは弓とか…弓は遠距離から攻撃できるけど、近づかれたらどう戦えばいいか…
そんな事を店の前で考えていたら声をかけられる。
「おい」
「おっ…ゲルドンさん」
いつの間にか横にいるゲルドンさんに驚いて挨拶をしようとすると…
「おはようございますデザイアさん」
「ラベンさんも来たんですね、仕事大丈夫なんですか?」
「はい、大丈夫です」
じゃあ大丈夫だな…
「それよりゲルドンさん…」
少しだけ小さく音量を下げた声量でゲルドンさんを呼びながら手を招く。
「なんじゃ?」
「別に昨日みたいにラベンいなくても大丈夫ですよ、不要とかでは無いですけど、ラベンさんも仕事がありますし…」
更に言うとゲルドンさんとはラベンさんがいなくても普通に喋れるような関係だと思ってるからキツイとも思わない…というような事を伝えると。
「いやぁ…花は必要だぞい!」
だぞい?語尾が変だが…
「ま!入ってみれば分かるぞい」
理由があるのか…一体どんな理由がこの武器屋にあるのか…。
武器屋の扉を開けようと手を付けゆっくり扉を押し出していると途中で…
「ここの主人はな…」
ゲルドンさんが話しながら俺は扉を開け終わると奥のテーブルに人がいた。その人は
「おっさんじゃ…」
おっさんだ…。いたのはおっさん、確かにおっさん1人、おじさん1人に若男1人はキツイけど。
「いや、ラベンさんが確かにいた方が確かにいいけど、ラベンさんが今度キツイでしょ!?」
コソコソと小さいながらも勢いよく指摘する。
「よく見てろ…あの娘を」
そう言われラベンさんを見ると…なんにも感じてなさそうないつもの表情でいた。
「まぁ…大丈夫そうですけど」
「じゃろ!あの娘じゃから連れてきたんじゃ」
ラベンさんがいなかったら男3人のキツイ空間だったのか…ラベンさんに感謝を。
「さてデザイアよ、なんの武器にする?」
「じっくり見ていいですか?どんな武器があるかよく分からなくて…」
そう言って許可を得ると店内をじっくり見回ると変わった武器を見つける。
「これは何ですか?」
「ん~?それはな鎖鎌じゃ…クソ弱じゃな…」
クソ弱…ちょっと失礼な言い回しだな。
「あ、じゃあこれはどうですか?」
棘がある鉄球に鎖をつけて棒とくっつけた殴打武器のようなものを見せる
「ん~?これはモーニングスターじゃ…鎖鎌よりはよっぽど良い、だが…クソ弱じゃな」
クソ弱…これらを作った人達が可哀想だな。
「じゃあ…これはどうですか?」
「これは…大刀か…別名薙刀とも呼ばれるらしい」
特徴としては槍のようなリーチを持ち剣としての役割もこなせる先端の刃、もちろん突くことも可能らしい。
「そういえばゲルドンさん、もし俺が弓とかにしたいと言ったらどうしますか?」
ゲルドンさんは即答する。
「やめたほうがいい、ただ弱くなるだけじゃ…近接戦闘が全然なお主が弓でやったらすぐ死ぬのが目に見えてるわい」
俺もそう思っていた。遠距離なんて味方いてなんぼな武器だと思う。弓をメインで行く人ってどれくらいの才能がある人なんだろう。
「お主は近接武器のほうが良い、単純な武器の方がお主の身も守れるじゃろ」
というと剣か…レイピアは無理だし、剣も色んな種類があるしスパタとか…プギオとか…ロングソードもあるのか!
色んな剣に悩みながら色々な武器を握って軽く持ち上げる。
「ちがうな…これはなんだ?」
デカい剣たちに埋もれていた武器を引っ張り出してみると…
「きれーだな…」
この剣をしまう入れ物が凄い綺麗な色をしていた。
「うわ…気持ち悪!」
え?気持ち悪い?どれが…
「どうしたんですか?」
いきなり不快な感情をあらわにする店主を心配しようと寄ろうとすると、
「ああ!近寄んな…それ持って来ないでくれ!」
「え、これ!?」
どこが気持ち悪いか分からないなぁ
「ゲルドンさん、ラベンさん、これ気持ち悪くないですよねぇ…あれ?」
いつの間にか遠のく2人に俺の感覚がおかしいのかな…と疑問に思う。
「デザイアさん…ごめんなさい、私も気持ち悪いと思います。だって変な光沢があってヘビみたい」
へ、ヘビ!?そうかなぁ…
「店主さん、これって一体…」
「ううう…ううううぅ…」
凄いうめいている。
「これ!何ですか!何だ!」
勢いで押し切る。このままだと埒が明かず殴りそうな気がした。
「わ、儂もよく分からねぇ!気持ち悪い見た目だったから直ぐ奥に置いちまったんだ…けどコイツを売った奴は刀と言ってた!」
刀…どこかで聞いたことが…ないな。
「っていうか、何で買い取ったんですか!?嫌だった断れば良かったでしょ?」
「いや、相手もゴネるし…俺も相手も全然引かないから長引いちまって…」
こんな無愛想な見た目の頑固っぽい店主がそんな事をしていたとは…見た目とはもう詐欺だな…
「ソイツを買い取ったのだって結構前だったからな…儂、今はこんな見た目だけども昔はもう真逆みたいな見た目だったから…」
はぁ…とため息を付きながら内心呆れてしまうがふと閃く。
「店主さん、コイツ嫌なんだろ…俺が貰ってもいいか?」
「え、いいのか!?」
「ただし、安くして」
「も、もちろんじゃ!っていうかもう持っていってくれ!タダじゃ、タダじゃ!」
「えっ…いいんですか!やった」
「デザイアよ…いいのかそんな気持ち悪いので」
「デザイアさん、呪われますよ」
凄い言いようだな…別に呪われることはないと思うし、普通に俺にとっては綺麗な見た目に見えるし。
あとなんて言うか手に取った瞬間、しっくり来たというか…そんな気がしたんだよな。初めて触れるものには決して抱くことがない感覚…懐かしさみたいなのすら感じる。
刀をしまう入れ物から刀を抜くと…長い間放置されてたとは思えないほどの美しさが刃全体に広がっており、汚れなどは全く無かった。
「綺麗だな…うっ…!?」
視界が揺らいで突然崩れ落ちる右膝を支えようと刀を持つ右手を地面に置くと…
「うっ…これは…」
久しぶりのこの感覚…あの時以来の頭痛が起きて頭に手を置く。長引くような痛みではなく一瞬だけきた痛み。
「アンタ、大丈夫か!?」
「デザイアさん大丈夫ですか?」
店主とラベンさんから心配されるも大丈夫と対応する。
「や…やっぱり呪われたんじゃ?」
「い、いや違います!前からこういう症状があって、久しぶりこのタイミングででただけですよ」
呪いじゃないことをしっかり説明し終わって改めて店主にお礼を言う。お礼を言うと店主からは
「お礼が言いたいのはコッチの方じゃ!」
と見たこともないほどの笑顔で返してくれた。
「よろしく、相棒」
俺はそう言い刀を左手に持ち武器屋を出る。
「よし、俺は行きます…ゲルドンさん、ラベンさんどうもありがとうございました」
「頑張ってくださいね…呪われないように」
「懐の金もなくならずに済んだぞ、頑張れよ…呪われんようにな」
まだ言ってる…
「ゲルドンさんもし次会ったら核石のこと分かったら教えてください」
「あぁ…また会ったらな…学校の場所は分かるな?」
「はい、大丈夫です。お世話になりました」
そうやって初見の街【ブラーブ】に別れを告げ門の外へと出る。
「目指す場所は…魔法を扱える者たちが集まる学校…レゼルス・ディア学園だ」
ワクワクする、新しい場所に新しい武器、更にはまだ分からない魔法のことなど…身体が震えてくる!
あの時あの場所で神を見限り裏切ったことを後悔したことはない、これからもしないだろう。あの時の俺の行動で今の俺がいる。失いたくない…この感情を、俺の為だけに使って生きていたい。
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