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71 チャウツーの覚悟


 グオォォオム!!

「ぐああぁぁ!」

「こんなところにランクCのサーベルファングブルが2体も!」

「ひるむな! 囲め!」

「正面は防御! 後ろに回った者が攻撃しろ!」


「うひゃあ!」

「ちいっ! 坊主、俺の後ろから離れるなといったろが!」

 僕を横から襲おうとした大きな猫のような魔獣を、ガンテさんが振り向きざまに槍で突く!

「ご、ごめんなさい」

「いいから俺の背中に張り付いてろ!」



 迷宮に入ってから何時間かたって、僕たちは木でできた大きな門がある広場にたどり着いていた。

 広場には、何匹もの魔獣がいて、僕たちは戦う事になったんだ。僕は全然戦えないけど、、


「ふう、ふう、、やったか」

「くそっ、、3人負傷したか、」

「誰か薬草余ってないか?!」

 みんなで魔獣をやっつけて一息ついた。


「…おかしいな、こいつら、、ここに生息しているようには見えないぞ」

「? ガンテさん?」

「…迷宮って言ったって生態系はあるし、こいつらも巣は作る。だが、、こいつらはまるで連れてこられてこの広場にただ放り込まれただけ見たいだ、、」


「全員準備はできたか? 門を開けて進むぞ!」

 隊長さんが大きな声でみんなに声をかける。いよいよあの大きな木の扉を開けるみたいだ。僕は門に覆いかぶさるようになって見える大きな白い塔を見上げた。この先には、あの塔の入り口があるんだ。みんなで隊列を組んで、熊の獣人のおじさんと牛の獣人のおじさんが扉を押すと、、扉は簡単に開いた。




「ようこそ、俺のとりでへ」


 扉の先には、、また広場があって、、そこにはあの塔の入り口があったんだけど、その前には黒い鎧をつけた男の人がいた。その男の人は、背中に赤い翼が生えていて、腰から下は白い毛皮で覆われている。

 獣人のみんなは、みんなその人を見て背中の毛が逆立ってる。中にはブルブルふるえている人もいた。

「ガンテさん、、背中の毛が」

「…うるせぇ、お前なんて全身逆立ってるだろうが」

 うわぉ、僕は顔やお腹の毛もまっすぐ前に向かって伸びてた!


「それより、、アレはヤバイ、隙みて逃げるぞ、、」

 ガンテさんがそう言った先から、後ろからザザザザッと音がして、どこから現れたのかわからないけど門のところに何十人もの兵隊さんが現れた。


「チイッ、、やっぱりこうなるか」

 ガンテさんは何となくわかってたみたいだ。



 目の前には30段ぐらいの大きな石の階段があって、それが塔の入り口に伸びてる。石の階段の一番上の段の真ん中には黒い鎧の男の人が立っていて、その手前には、、ハの字のように、ええと、、右に3人左に3人だから、、合計6人の人が立っていた。


 右側の一番手前の人は、ガンテのおじさんの体よりも大きな剣を持っている大きな男の人だ。あんなの当たっちゃうと死んじゃうよぉ、、

 その後ろの人は、真っ黒い格好の小さい女の人で、両手に細くて短い剣を逆手で持ってた。

 さらにその後ろの人は、黒いローブを頭からすっぽり被った背の低い痩せた男の人で、口を裂けるほど横に開いて笑いながら、いくつもの火の玉や尖った氷を体の周りにぐるぐる回していた。あれ、、魔法だよね?


 左側の一番手前の人は、綺麗な背の高い女の人で、青白く光る光の剣を持って立ってた。

 その後ろの人は、緑と黒のシマシマの服を着た男の人で、変な形をした黒い鉄の杖を両手で持ってた。この人、、ガンテおじさんが『鉄と油の匂い』と言ってたあの匂いがプンプンする、、冒険者の人たちを殺したのはこの人だ、、

 さらにその後ろの人は、足先から口元まで黒いマントで全身すっぽり覆った無表情の男の人だ。この人、、真ん中の人より怖いかも、、マントの色はマントがあるのかすらわからないような真っ黒で、なんか吸い込まれてしまいそうだ、、



「わ、私はサウザーラ中央軍、第3師団所属のケルマンだ! 貴殿は先程『俺の砦』と申したが、何の故あってここを占拠しているか?!」

 隊長さんが、一番上にいる真ん中の人に大きな声で呼びかけた。


「俺はラフェリアのタロウ・タナカ、この砦はサウザーラ攻略のために俺が作ったからだ」

「「「!!!」」」


「こいつが、サウザーラに宣戦布告した腰ミノの悪魔、、」

「腰ミノなどつけて居らぬではないか、、」

「それより、、サウザーラ攻略だと?」

「サウザーラを、王都を攻める気か?!」

 真ん中の人の言葉に兵隊さんたちが動揺している。それよりも、、サウザーラを、攻めるだって?!



「一応、降伏勧告をしておく。降伏するなら、武器を置け、捕虜になってもらう」


 黒い鎧の人の言葉に、僕とおんなじ獣人の人たちはみんな槍を地面に置きだした。中にはお腹を見せて仰向けになった人もいる。ガンテさんも槍を地面に置いた。

 隊長さん達を始めとした正規兵の人たちは槍や剣を構えて数歩前に出ていた。


 ぼくは、、、


「お、おい、坊主」


 僕はガンテさんの槍を拾い、両手で抱えるように持って前に出た!


 僕は、、お母さんを守るんだ!

 サウザーラを攻めさせなんかしない!


 

お読みいただきありがとうございます

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よろしければこちらもどぞ  すっぴん召喚のヤマナさん
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