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朝から始まった祭りも、お昼を過ぎてお腹いっぱいになった頃、俺の『感知』に引っかかるものがあった。
「おーい、ガルドワン!」
神社の境内で仲間と立ち話をしていた土佐犬獣人のガルドワンが、俺に声をかけられ、ダッシュして来る。
「タロウ陛下、ガルドワン参上致しました!」
左膝と左拳を地につけ、俺の前で跪くガルドワン。ん? なんかいやにうやうやしい態度になったな、、
??な顔をしていると、
「陛下、御命令を」
とガルドワンが言ってきた。
そっか、、今までのような仲良しこよしじゃダメってか、、
「俺の『感知』に引っかかるものがあった。ガルドワン小隊で第2城壁の南門周辺を見てこい」
「「「ははっ!」」」
ガルドワンの後ろにはいつのまにか5名ほどの獣人が跪いており、声を揃えて返事をした。
「シウバ!」
「はい、陛下!」
いつのまにか近くに来ていた芝犬獣人の少年、シウバも俺の前に跪く。
「おいおい、シウバ、お前まで、、」
「いつまでも陛下のご厚意に甘えるわけにいきません! 俺にも命令を!」
…あまちゃんは俺か、、
「見張り台に登りガルドワンに危険がないか見張れ! 伝令役とサポートは自分で選べ!」
「ははっ!」
すかさず猫獣人の子達とエルフの少年達が数名、シウバに駆け寄る。シウバはその中から3名を選び、城の最上階の見張台に登って行く。それを見守っていた、グリューンやシュナイダー等の長老たちが、ウムウムと満足そうに首を振っていた。
ーー30分後
「陛下、城外に獣人の親子4名が来ており、陛下への御目通りを願っております!」
ガルドワン小隊の獣人のうちの一人が、俺の前に膝をついて報告する。
「ん? どんな家族だ?」
「はい、兎獣人の親子です。ラフェリアよりずっと南西にある村の者と申しておりました。陛下にお願いがあってラフェリアまで旅して来たと」
「わかった、連れて来てくれ」
「はっ!」
◇◆◇◆◇
「御目通りを許可いただき、誠にありがとうございます、タロー様。私はホラン村のアドリアと申します」
社の中で床几椅子に腰掛けている俺に向かい、大きなたれ耳の灰色の毛をした兎の獣人が黒いシルクハットを胸に腰を折って頭を下げる。白いワイシャツの上に黒のベストと黒のズボン、首元には紐ネクタイ、紳士然とした格好でその仕草も非常に丁寧だが、よく見ると服はよれていてあちこちほつれも有る。
彼の後ろには同じくたれ耳の、奥さんだろうか、ゆったりとしたベージュ色のシャツに深緑のスカート、昔のアメリカのお母さんみたいな格好だ。その足元には姉妹だろうか? 茶色のワンピースを着た小さな兎の子供達が左右からスカートの裾を掴んでいた。
「うん、遠いところからこのラフェリアへようこそ」
兎の紳士、アドリアに声をかけた。
「いえ、この建物から溢れる神々しい波動、タロー様にお会いできて本当に嬉しい限りです」
そう言ってまた腰を折って深々と頭を下げるアドリア。
少し離れたところでは、タクや花蓮に取り押さえられた柳田が「リアルシルバ○アファミリー、、ハァハァ」とか言いながらにじり寄ろうとしている、、、ブレない奴だ。
「それで、僕に会いに来た理由は?」
「はい、タロー様は多くの獣人やエルフ、ドワーフなど純人族以外の者達を保護されていると聞きました。最近、私どもの村もあるサウザーラの西側の地方でも奴隷狩りが激しくなり、そこでタロー様に保護頂けないかと参りました次第です」
アドリアが言うには、この数ヶ月前から急にサウザーラからの奴隷狩りが現れるようになり、多くの村がその被害にあっていると言う事だった。それに危機感を覚えたホラン村では移住も考え、アドリアが代表としてこのラフェリアへとやって来たそうだ。
うーん、、俺が奴隷狩りの一味をぶっ飛ばしたからこっちには来ないようになり、アドリアの村の方へ行ったのか? だとしたらちょっと責任感じるなぁ、、
「陛下、、陛下、」
床几椅子に座ったまま考えこんでいたら、横からグリューンに小声で声をかけられた。
「あ、ごめん、ちょっと考えごとしてた。うん、いいよ、アドリアさんの村の人達、いつでもラフェリアにおいで」
「おお! なんと寛大な!」
「へ、陛下、人数も聞かずに、」
「ん? 1万人以上いたりする?」
「い、いえ、村には58名いるだけですが、」
「な、大丈夫だよグリューン、第2城壁が出来たから、数千人規模で増えても問題無いし、むしろ現状スカスカだから住んでくれる人が増えるのは嬉しいことだよ。それにもし収まりきらなくっても、俺が第3城壁作ってやるからさ」
「ははっ、申し訳ございません」
「いや、お前の慎重さはこのラフェリアに必要なものだから。これからも頼むよ」
「ははっ、もったいなきお言葉」
「それで、ご覧の通り、今日はラフェリアのお祭りの日なんだ」
「お祭り、でございますか?」
「ああ四神神社、この建物が出来たことをみんなでお祝いしているんだ。よかったら、アドリア達も楽しんで行ってくれ」
「はい、ありがとうございます、タロー様」
「ミーシャ」
「はいにゃん! ご主人様!」
「アドリアとその家族を案内してやってくれ」
「了解したにゃん! さ、こっちにゃん、私はミーシャ、お嬢ちゃん達は?」
「るいーせ、、」「どろしー、、」
「ルイーセちゃん、ドロシーちゃん、美味しいもの食べに行こ!」
「うん、、」「……」
「ほら、ルイーセ、ドロシー。ミーシャさんについて行くわよ。私はメイリ、アドリアの妻です。ミーシャさんよろしくお願いします」
「メイリさん、よろしくにゃん!」
子供達はまだお母さんのスカートに隠れながらミーシャに連れられて屋台の方へと歩いて行った。
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