第一話「知らない天井」
目が覚めた先にあったのは壁だった。ていうか天井だった。自宅の天井にしては白い、そう例えるなら病院の様な天井。なぜ…?
なぜ僕は病院(のような場所)に横たわっているのだ?気が動転して僕は勢いよく起き上がった。ガチャリとありきたりなドアの音がした。
入ってきたのは人形のような若いメイドだった。そのメイドさんは人間味がなく、僕が起き上がるのを待っていた様な感じで気味が悪かった。
「マスターがお呼びです」メイドが感情のこもってないような口ぶりで言った。
「え?マスター…?」日常生活ではゲームの中くらいでしか聞かない様な単語に僕は耳を疑った。
「マスターがお呼びです」メイドが先ほどと同じ様な調子で呟いた。
「ここはど『マスターがお呼びです』こですか?」有無は言わせずマスターに会わせるつもりか?ここでねばっても仕方ない。
「分かりました」と言いベッドから降りた。ん?ベッド?僕はベッドに寝ていたみたいだった。
「付いてきてください」メイドは無表情で言いゆったりと歩き出した。随分とマスターがお呼びですを連呼してるものだから急ぎの用かと思っていたから少し拍子抜けした。だが、僕はそんなことは指摘せずにただ黙々と無愛想なメイドの後に続いた。
しばらく歩くと荘厳な扉があった。メイドはその扉の前に立ち、「マスター、片蔵零時をお連れしました」と言い中に入っていった。僕はもうなにがあっても驚かないぞと思いメイドの後に続いた。
結果、僕は驚いた。マスターなんていう大層な呼び名でメイドに呼ばせている奴なんて偏屈なジジイか恰幅の良いジジイばっかりだと思っていた。だが、そいつは僕と同じくらいの年の少年だった。身長は僕よりも先ほどのメイドよりも低い。容姿は眼鏡をかけているくらいしかこれといって特徴はなかった。そいつはおもむろの口を開き、「ああー君が片蔵零時だな。初めまして、俺は須藤数気だ よろしく」と言った。
僕はあまりのそいつの態度に思考停止していたが、とりあえず聞きたかったことを口にした「そこのメイドさんのスリーサじゃなくてここはどこですか?」
「ここは四次元空間だよ」
「よじ…へ?」
「四次元空間だよ、異次元とも言う。俺が便宜上四次元空間と呼んでいる」
僕は絶句した。須藤数気は続ける「まずは我々の組織のことを説明しよう」と…。
僕の聞いたことを要約すると彼らは「正鬼師団」という組織であるということ、組織の目的は人類の危機を潰すことである。
「じゃあなんで僕はここにいるんですか?」
「君は、俺たちが潰す前の人類の危機に偶然行き会ってしまったんだ。君にもわずかに記憶が残っているはずだ」
確かに怪しい人物を追った記憶がある。それが人類の危機だったのか?
「君には俺らの仲間になってもらうよ」
「え?」
「人類の危機のことは人類に漏らす訳にはいかないんだよ」
「え?でも、僕、普通の人間ですし」
「何言ってるんだい?君はもう人間じゃないよ 鬼だ!」
「お…に…?」
「そう!鬼!人類の危機から人類を護る人外の組織だ!」
「でも、僕の頭には角なんか生えてないですよ?」
「君の血はもう鬼の血に変異してるんだ。掌を見てごらん!」
僕は彼に言われた通り掌を見てみた。そこには黒字で大きく「鬼」書かれていた。
「なっなんですか?これは?」
「鬼の証だよ君!我々にしか見えない。人類には決して見えない鬼の証さ!」
糞っもう逃げられないってことか?
「君は運がなかっただけさ!ようこそ正鬼師団へ!」須藤は叫んだ。
どうですか?




