4-12 - しろさん -
4-12 - しろさん -
「リィンちゃん!何普通にお話ししてるの!、危ないよ、帰ろう!」
幽霊とお話ししようとしてるリィンちゃんを引っ張って・・・あ、龍之介にも見えているようで口を開けて呆然としてる・・・。
「緊急転移魔法陣展開!転移っ!」
しゅっ・・・
・・・
『ふむ、愉快な童共じゃったの、それにあの魂・・・千数百年ぶりに楽しい事がありそうじゃ・・・』
「わーん、怖かったよー」
「お姉ちゃんあれ何?、異世界の友達じゃないよね?」
転移してお家に戻った私は龍之介と抱き合って泣いています。
「#$$%#$&@*+##?、$%”<><@*+(もうおうち帰ってきたの?、もっと見たかったなー)」
リィンちゃんは靴を脱ぎながら呑気な事を言っていてあまり怖がっていません。
あぅ・・・あの時ちょっとだけお漏らしして濡れた下着が気持ち悪いです、本当に酷い目にあったのです!。
明日もお仕事がある龍之介が先にお風呂へ入っている間、私はこっそり下着を替えてリィンちゃんと自分のお部屋に戻りました。
「お祓いしなくてもいいのかな・・・取り憑かれてないよね、絶対悪霊だよ!、自分のこと神様だって言ってたし、絶対ヤバいやつだ!」
「あれ神様なの?、私の脳内には「力が欲しいか」って言ってきたよ」
「ぎゃー、それ魂取られるやつ!、リィンちゃん絶対欲しいって答えちゃダメだよ!」
「あ・・・くれるなら欲しいって答えちゃった」
「ひぃ・・・いくら悪霊でも異世界までは追って来ないよね、襲われそうになったら転移で向こうに逃げればいいかな?」
「えー、まだ日本に居たいな・・・」
龍之介が上がったと言ってお部屋にやって来たので私達はお風呂に入ります。
「ねぇ、リィンちゃん」
「なあに、リゼちゃん」
「本当にあの悪霊、何だったんだろうね」
「悪霊・・・っていうのはよく分かんないけど私達の国の言葉で話しかけて来たよね」
「そうそう、不思議だよね、頭の中に直接響いて来て・・・」
そう言いながら座ってシャワーのところで髪を洗っていた私は背後に気配を感じ、顔を上げて目の前にある鏡を見ます・・・。
「ぴゃぁ!」
何故叫んだのかというと・・・鏡に映っていたのです!、あの女の子の悪霊が私のすぐ後ろに・・・。
「わー、びっくりしたぁ!、リゼちゃんどうしたの?」
湯船に浸かってたリィンちゃんが私の方を向いて何か言ってるけど今はそれどころじゃないのです!。
「リィンちゃん・・・さっきの悪霊が私の後ろに居たの!」
「え、何もいないよ・・・何言ってるの、さては夜遅いから寝ぼけてるなぁ」
あぅ・・・確かに居たのに・・・でも疲れてたから幻を見たのかも、そう思いお風呂から上がってお部屋に向かいます。
「でも綺麗だったね、街の明かりすごかった!、あの街の方にも行ってみたいなぁ・・・昼間行くの楽しみ!」
まだ昼間に行こうって言ってた件がリィンちゃんの中では有効のようなのです、お昼なら大丈夫かな、人いっぱい居るし・・・。
・・・
・・・
お部屋に戻った私達は髪を乾かしてすぐベッドに入りました・・・。
・・・
悲報・・・お手洗いへ行きたくなったのです!。
隣で寝てるリィンちゃんを起こして・・・あれ?、リィンちゃんが私のお布団に潜り込んでるよ、もう、甘えん坊さんなんだから・・・。
私はリィンちゃんの頭を撫でながら話しかけました。
「リィンちゃん・・・ごめん起きて、私お手洗いに・・・」
「スー、スー、んもう・・・リゼちゃぁん・・・私のケーキ食べちゃダメだよぉ・・・んふふ、それぜーんぶ私のぉ・・・むにゃぁ・・・」
リィンちゃんがお隣の布団で愉快な寝言を言っています、それなら・・・今私に抱きついて寝てるのは誰なのです?。
フルフル・・・
あ、これはダメなやつだ・・・でも身体が震えて声が出ないのです!。
「ふひっ・・・ひゅー、ひゅー」
過呼吸になりながら私は考えます、私に抱きついてる人は感触があるし暖かいのです・・・これがもしあの悪霊だったら・・・。
ぶるっ・・・
あぅ・・・おしっこがもう限界なのです!、お手洗い行かなきゃ大惨事に!。
私は勇気を出して・・・震える手でお布団を捲り、私に抱きついてる人?を確認します。
『うむ・・・いい夜じゃな・・・』
「ひぃ・・・」
巫女姿の悪霊と目が合ってしまいましたぁ!・・・月明かりに照らされてお顔もはっきりと見えました。
「きゃ・・・」
『声を出すな・・・夜中じゃぞ』
むぐぅ!
悪霊が私の口を押さえて声を出すなと言っているのです!。
フルフル・・・
そうだ!、お手洗いのところに転移しましょう!、もう本当に限界なのです!、あぅ・・・ちょっと出ちゃったかも。
私は魔法陣を起動してお手洗いの前に転移しました。
しゅっ・・・
ぱあっ!
「あ、またちょっと漏れたのです、でもお手洗いは目の前!、私は悪霊に勝ったのです!」
私はお手洗いのドアに手を伸ばし・・・
がちゃ・・・
『今のは何じゃ、社で使ったのと同じやつか・・・変わった妖術を使うのぉ』
「ひぃ・・・」
お手洗いの中に悪霊が居ましたぁ!。
「・・・あぅ」
ぺたん
しょわしょわぁ・・・
ほかほかぁ・・・
廊下にへたり込んだ私のお尻を暖かい液体が濡らします・・・。
「ひっく・・・うっく・・・」
『うぉ!・・・なんじゃ汚いのぅ、その歳でお漏らしかや』
「・・・」
ぐす・・・ひっく・・・
ごとん・・・ごとっ・・・
ざばば・・・ざばぁ・・・
私は廊下を泣きながらお掃除したあと、洗濯機で着ていた芋ジャージを洗っています。
・・・あれから悪霊は怖くて泣き出した私に話しかけて来ました・・・本人曰く本当に神様らしいのです。
ジャージと下着を室内干しした後、お部屋に戻った私は寝ていたリィンちゃんを起こして自称神様とお話ししています。
時計を見ると今の時間は明け方の5時半・・・。
『儂の名はうか・・・いや、白菊とでも呼んでくれ、呼びにくかったらシロでもよいぞ、さっきも言ったとおり・・・神様じゃ』
「・・・で、その神様が私達に何か用ですか?」
リィンちゃんがお友達と雑談するみたいなノリでお話ししています。
『いやなに、夜中に暇しておったらお主らがやって来てな、よく見たら変わった魂をしておるし、何か面白い事をしてくれそうじゃったから憑いてきた』
「変わった魂?」
『そうじゃ、お主ら、この世界の人間ではないじゃろ』
「分かるの?」
『あぁ分かるぞ、儂は神様だからの、こちらの人間とは魂の色や匂いが違うのじゃ、そっちの銀色の髪の小娘は半分こっちの人間・・・いや、こっちに居た事がある人間か・・・どうじゃ、合っているかの?」
「正解です!、シロ様、何で分かるんだろうね・・・リゼちゃん?」
リィンちゃんが今まで黙って会話を聞いていた私に尋ねました、でも私は今それどころじゃないのです!、この自称神様に文句を言わないと気が済まないのです!。
「・・・で・・・」
「え?」
「・・・何で私に転生特典くれなかったのですっ!、欲しかったのに・・・みんな貰ってるのに・・・わーん!』
『・・・テンセイトクテン?・・・何じゃそれは!、待て、何故泣いておる・・・儂はそんな物やれぬぞ、っていうか儂はお主を転生などさせてないしそんな事は出来ん、人違い・・・じゃなくて神様違いじゃの』
「ぐすっ・・・神様違い?」
『そうじゃ、儂は人の生き死にには干渉せん、できぬ事もないが面倒臭い、どちらかというと儂の担当は五穀豊穣と商売繁盛・・・金運くらいかの、それから悪さをする奴に恐ろしいバチを当てることもできるぞ』
「それって・・・ちょっと待つのです、もしかしてあなたは伏見稲荷の主神なのです?」
『・・・まぁそんな事どうでも良いではないか、で、お主らに興味が出たから少しの間、儂の暇潰しに付き合って欲しいのじゃ・・・礼としてそのうち道でゴヒャクエンダマを拾うかもしれぬ金運・・・で、手を打とうかの』
「お礼がしょぼいのです・・・それに私達はもうすぐ別の世界に帰るのです」
『なんと!、滅多に賽銭箱に入らぬ高額硬貨をしょぼいと抜かすか!、それに別の世界?・・・イセカイという奴じゃな!、知っておるぞ、眷属どもや境内でチューガクセイの童達も話しておった、トラックに跳ねられたら行けるどころじゃろ、儂も行きたいのじゃ!、連れて行ってくれるかの?』
「・・・ダメ、神様を勝手に連れて行ったら神社に神様居なくなって参拝に来る人が困るの」
『全国に稲荷神社がいくつあると思っておる、あれは全て儂の目と耳、そして家じゃ、社があれば儂はどんな遠くにでも行けるわい』
「そうなのです?」
『今日も近所の神社からこの土地に来たのじゃぞ、だから儂の依代を向こうの世界に置いて祀ってくれればそれでよい、欲を言えば祠と鳥居があればもっといいのじゃ!、あとは儂が好きにする、お主らの手間はとらさぬぞ』
「お社建てるのすごい手間なのです、お金もかかるし・・・っていうかやっぱり稲荷神社の主神、宇迦のなんとか?っていう」
『ぐぬぬ・・・欲深い小娘じゃ・・・なら10日連続でジドウハンバイキの釣り銭を見つける金運をお主に付けてやろう・・・どうじゃ嬉しいじゃろ、どうした?、もっと喜ぶのじゃ』
「いちいちご利益がしょぼいのです・・・リィンちゃん、これ本当に神様なのかな?、ちょっと怪しくなってきたのです」
読んでいただきありがとうございます!。
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