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〜リーゼロッテさんはひきこもりたい! Reboot(異世界で優雅なスローライフを目指すのです!)〜  作者: 柚亜紫翼
1章 りーぜろってさん(Side-12)

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1-06 - ありすてぃあ -

1-06 - ありすてぃあ -



こんにちは、私の名前はアリスティア・チッチャイコスキー14歳、大貴族シェルダン家の新米メイドです・・・このお屋敷で働き始めて今日で10日になりました。


訳あってお家が借金まみれになってしまいまして・・・お父様の友人のお家でメイドとして働かせてもらう事になったのです。


私のお父様は魔法騎士団に所属していて、本人が言うには騎士団の主戦力らしいです。


得意な攻撃魔法は・・・拳を握った片腕を高く掲げて、朗々とした魔法詠唱の後に繰り出される雷属性の攻撃魔法「ヴァイシクル」、騎士団員の間でも評判なのだ・・・と、お父様は自慢していました。


厳しい所もあるのですが私にはとても優しく大好きなお父様です。



事件が起きたのは2年前、子供好きという噂に付け込まれたらしく孤児院を建設するため資金集めの協力を依頼されたのだそうです・・・詐欺でしたけど・・・。


信用のあるお父様の名前を利用されて沢山の商人や貴族が被害に遭いました・・・そしてお人好しなお父様はその損害を全額補填、多額の借金を抱える事になったのです・・・ぐすっ・・・。


お父様の日頃の行いが良かったからなのか王家や他の貴族家から資金援助が提案されました、でもお父様は「この件は詐欺を見抜けなかった私の責任である」と言って辞退、コツコツと借金を返済しています。


下級貴族ながら我がチッチャイコスキー家は代々優秀な魔法騎士を輩出した名家、上級貴族からも信頼されて裕福な家でした。


でもあの事件のせいで一気に困窮してしまったのです。


私が出稼ぎをして、まだ幼い弟にせめて家庭教師だけでも付けたいとお父様に言ったのですが猛反対されました。


私を溺愛するお父様は私を家から出したくないようです、でもお家の借金を少しでも減らさないと・・・口論になり、私は初めてお父様に酷い事を言ってしまいました。


「分かってくれないお父様なんて大嫌い!」


一度口に出してしまった言葉は後悔しても元には戻りません、お父様は初めて私の前で涙を見せました。


「ごめんねアリスちゃん・・・」


それでも私は出稼ぎを強く希望しました、その結果お父様の友人の上級貴族家でメイドとして雇ってもらえる事になったのです。


初めてお家の外でお仕事が出来る、お金を稼いでお家の役に立てる、家の中の狭い世界しか知らなかった私が外の世界に!、そう思ったら楽しみでワクワクが止まりませんでした。


「どんなお家かなぁ、優しいご主人様だといいな」







・・・


そう思っていた時が私にもありました・・・。




時は遡り今から10日前・・・。


ここは上級貴族のシェルダン家・・・今日から私の主人になるアーノルド・シェルダン様にご挨拶をする為、広いお屋敷の廊下を歩いています。


先ほどお会いした奥様は怖かったです!・・・私を冷たく見下す眼差し、意地悪そうに弧を描く口元・・・。


緊張と恐怖で漏らしそうでした・・・耐えた自分を褒めてあげたいです。


奥様は怖そうだったけど旦那様は優しいかも、渋くてかっこいいおじ様だといいな・・・ふふっ。


コンコン・・・


「入れ」


低く威圧感のある声がしました、この声が旦那様?・・・。


「失礼します」


メイド長に連れられて旦那様の執務室に入ります、第一印象が大切だとお父様も言っていました!、淑女らしく綺麗なご挨拶を・・・。


「ひぃっ・・・」


ごごごごご・・・


「あ、私死んじゃうかも?」


そこに居たのは見上げるような大きな身体、鋼のように引き締まった肉体・・・仕立ての良さそうなスーツの上からでも分かる躍動する筋肉!、相手を射殺すような鋭い眼光・・・。


無表情で私を見つめています・・・あぅ・・・目が怖いです、漏れそう・・・。


フルフル・・・


「おや、新しいメイドさんかな」


ごごごごご・・・


「いいえ違います!」って言いたい・・・帰りたい・・・でももう後戻りはできないのです、お父様助けて・・・。


「ご挨拶を」


メイド長が私に挨拶をするよう促します。


旦那様の威圧感で霞んでたけれど横に居る執事さんも怖いですっ!・・・笑顔だけど目が笑ってないし油断してると血を吸われそう・・・。


「ひ・・・ひゃい!、わ・・・私はぁ・・・ありしゅてぃあ・ちっちゃいこしゅきぃ・・・と言いましゅ」


噛みました・・・。


















・・・


・・・


「はぁぁぁぁ・・・」


私はソファに座り大きなため息を吐きます。


「どうしたのです?」


隣でお茶とお菓子を準備していたカーラさんが私の様子に気付いて声をかけて来ました。


「聞いてくれる?」


「面倒なのでできれば手短にお願いします」


「わーん!、カーラさん酷い!」


「ふふっ・・・冗談ですよお嬢様」


カーラさんは他の人が居る時には私の事を奥様と呼ぶのですが2人きりの時には昔のようにお嬢様呼びです。


「あのね、今日新しいメイドの子が挨拶に来たの」


「あぁ、アリスティアちゃんですねー、先ほどメイド長に連行・・・いえ、連れられて旦那様の執務室に入って行くの見ましたよー」


「最初の挨拶の時に怖がらせちゃったみたいで・・・」


「お嬢様はお顔が怖いですもんね」


「カーラさん酷いっ!」


私はこの家の奥様でカーラさんは私の専属メイド、主従関係を超えた気楽なやりとりができるのもカーラさんとの付き合いがとても長いから・・・。


初めて会ったのは私が7歳、カーラさんが10歳の時、今の2人は仲のいい幼馴染で親友のような関係・・・私が結婚して実家からこのお屋敷に移った時にも一緒について来てくれたのです。


「また無表情で睨んでたんじゃないですか?」


「・・・怖がらせないように頑張って練習した笑顔でお迎えしたの」


「笑顔・・・ですか?」


カーラさんの表情が曇りました、私何か変な事を言ったかな?。


「うん、笑顔」


「私の前でやってみてもらえます?」


「いいよ、こんな感じ(ニヤリ)」


「あー、これは怖いわぁ!、子供が見たら泣きますよ!」


「アリスティアちゃんは泣かなかったもん!、涙目でプルプル震えてたけど」


「・・・まぁいいです、今後お嬢様は笑顔禁止ですっ!」


「何でよ!」


「無表情の方が100倍マシだからですっ!」


私の名前はマリアンヌ・シェルダン、この国の筆頭貴族、シェルダン家の奥様をやっています。

読んでいただきありがとうございます!。

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