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〜リーゼロッテさんはひきこもりたい! Reboot(異世界で優雅なスローライフを目指すのです!)〜  作者: 柚亜紫翼
1章 りーぜろってさん(Side-12)

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1-05 - ぺかぁ! -

1-05 - ぺかぁ! -



こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン12歳です。


「この前のアリスちゃんは本当にかわいそうだったのです・・・」


アリスちゃんのお名前はアリスティア・チッチャイコスキーと言って最近このお屋敷に入った新人メイドさんです。


そのアリスちゃんが執務室のお掃除をしている時に私と間違えてお父様が抱きつき・・・頬にキスまでしまったのです!。


あの時は凄い叫び声だったから慌てて弟やお母様を連れてお父様の執務室に行ったらお漏らしをして泣き叫ぶアリスちゃん、狼狽えるお父様、そのお父様をゴミを見るような目で眺めるセバスチャンさん・・・。


彼女のお父様はフレデリック・チッチャイコスキーという魔法騎士団に所属している凄く強い人らしいのでこの事を知られたら怒ってお屋敷に乗り込んで来るかもしれません。


お母様の話だとアリスちゃんのお家は悪い人に騙されて借金まみれになってしまったらしく、少しでも家の助けになるように遠縁で親同士が友人でもある我が家で働いて貰う事になったのだそう。


アリスちゃんと仲良くなりたかったからこの前彼女のお部屋にプレゼントって書いたカードを付けて私がいつも使っている自作の香水を置いてきたのです。


この香水は私の自信作で柑橘系のとても爽やかでいい香りがするのです。


アリスちゃんにも気に入ってもらえたようで毎日使ってくれていたのですがお父様はその香りで私と間違えたのだとか・・・。


お父様に襲われた!、なんて他言しないように今度は美味しいお菓子をあげましょうか、私はとても怖がられてるから他のメイドさんに頼んで持って行ってもらうのです。


 




アリスちゃんの事はさておき、今日は大変な目に遭いましたぁ!。


「博士が思いっきり魔力を流せなんて言うから・・・私は悪くないのです!」


事件は今日のお昼過ぎ、魔法研究所の中にある実験室で起きたのです。


「嬢ちゃん、これに思いっきり魔力を流せ」


「博士ぇ、これ何なのです?」


「取り寄せていたものが昨日届いてな、遺跡から出土した古代魔道具だ」


「見た目が禍々しいのです・・・」


「いいから早くしろ」


「本当に大丈夫なのです?」


「大丈夫だ」


「博士の大丈夫は信用できないのです」


「大丈夫だから早くしろ」


「・・・ここに流せばいいの?」


「そうだ」


「じゃぁ流すよ」


ぱあっ!


「流したけど何も起きないよ」


「おかしいな・・・」


きんっ!・・・


ペかぁ!


どんっ!


「ぴゃぁぁぁ!」


「うぉぉぉ!」


・・・というわけで魔道具が爆発して実験室の壁が吹き飛んだのです。


幸い博士が咄嗟に防御魔法陣を発動してくれたから2人に怪我はありませんでした・・・でも。


ぺたん


しょわわわぁ・・・


ほかほかぁ・・・


「あぅ・・・お漏らし」


「すまん、理論上はこれで起動する筈だった」


「わぁぁん!、酷いのです!」


がやがや・・・


「何だ!、凄い煙だ」


「所長!、今の爆発は何ですか!」


「うわぁ!、壁に大穴が!」


ざわざわ・・・


研究所の人達にお漏らしを見られたのです!。


それから博士は王城に呼び出され、明日からの授業や研究は壁の修理が終わるまで中止になりました。


「お休みの間は魔力を増やしましょうか・・・」


・・・


・・・


この世界に魔法があると気付いたのは5歳の頃、メイドさんが魔道具に手を触れているのを不思議そうに見ていたら「これは魔法ですよお嬢様」と言われました。


当時の私は神様に転生特典やチートな能力を貰ってないんじゃないかと思い始めていて・・・昔読んだ小説や漫画の内容を思い出して幼いうちから対策をしておく事にしたのです。


前世で愛読していた「小説家になるのです!」や「カクノデス!ヨムノデス!」の中に「気絶するまで魔力を使って一晩寝たら魔力量が増えている」というのがあったので試してみる事にしました。


当時の私はこれで絶対魔力量が増える筈という謎の自信があったのです!。


魔力は身体の中を循環している「気」のようなものだと異世界小説に書かれていた記憶があるので、実際にやってみると少しだけ魔力が出ました。


そして前世で見ていた胸に七つの傷がある漢が登場する世紀末アニメに出て来る人が身体から魔闘気プシュー!って霧みたいなやつ出してたのをイメージすると同じように魔力が出たのです!。


その代わり魔力切れになると死ぬほど頭が痛くなるのですが、魔法をどうしても使いたかったので毎晩欠かさず魔力が切れるまで魔力を出して気絶するように眠っていました。


それを1年程続けていたら6歳の終わり頃には一瞬で魔闘気プシュー!が出来るようになったのです。


ちょっとした好奇心だったのです・・・でもその好奇心があんなに大事になるなんて当時の私は思ってもみませんでした。



後で知ったのですが、それは間違った方法で絶対にやっちゃダメなやつ・・・一つ間違えると死んでしまう危険な行為だったのです。


7歳になる頃、私の成長が他の子供より遅い事を心配した両親に魔力検査へ連れて行かれました!。


この世界では魔力量が多い人は成長が遅いらしいのです・・・そんなの知らなかったし!。


「お嬢ちゃん、これに魔力を流してみてくれるかな?」


検査員のお姉さんがニコニコ顔で私に言いました。


私の目の前には規定の魔力を照射したら割れる水晶みたいなのが置いてあります。


言われた通り私は小さい方から順番に魔力を当てました。


ピキッ・・・


「割れたねー、お嬢ちゃん凄いねー」


続いて2番目に魔力を当てます。


ピキッ・・・


「あ、これも割れたんだ、でも次は無理でしょ?」


検査員のお姉さんが目を見開いています、3番目に魔力を・・・。


ピキッ・・・


「えぇぇ!、割れたぁ?」


ざわざわ・・・


4番目のところで測量所の所長さんが登場しました!。


「これを割ってみてくれるかい」


ピキッ・・・


「あ・・・」


最後の水晶も割れたので奥から更に大きな水晶を持って来る所長さん・・・。


「つ・・・次はこれを・・・」


ピキッ・・・


「これは?」


ピキッ・・・


「わー!」


測量所にある一番大きな水晶まで割ってしまった私は所長さんから衝撃的な事を告げられたのです。


「どれだけ魔力量があるのか分からないなー、とりあえず国に報告しなきゃ・・・」


「へ?」


お父様が間抜けな声を出しました、でも所長さんの言葉はまだ続きます。


「さすがに建国の大魔導士様並みとまでは行かないだろうけど相当ありますねー、測定不能なんて初めてですよ、どれだけあるんだろう?」


「えぇぇぇ!」


普段無口なお母様が叫びました。


「お嬢ちゃん、何か心当たりある?」


心当たりはあり過ぎるけど大変な事になりそうだったので。


「・・・リゼ分かんない」


などと答えて呆然とする両親と一緒に測量所を後にしました。


「あるよ!毎日魔闘気プシュー!ってやってたら増えたの!」


なんて言える訳がないのです!。




後になって聞いた話では魔力切れは命にかかわるから絶対にやっちゃダメらしいのです。


魔力量は増やそうと思って増えるものではなくて、でも何かの間違いで魔力量が多い人が生まれる時があって、そんな人は訓練して魔法を覚えると魔法騎士団に入って活躍できるし一般の商会なら高給で雇って貰えるそうです。


所長さんの説明だと魔力量が多い人は成長が遅いかわりに寿命も長く、建国の大魔導士様は活躍した年齢が350歳で亡くなったのが800歳。


つまり私が大魔導士様と同じくらいの魔力量があるなら1つ歳を取るのに10年かかる計算になるのです!。




あの時は本当に大変でした・・・魂が抜けたみたいになっている両親に私がやった事を話して、私に前世の記憶がある事も打ち明けたのです・・・。


「さて、アリスちゃんにあげるお菓子は何がいいかなぁ・・・」

読んでいただきありがとうございます!。

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