4-09 - ゆうえんちにいきましょう! -(挿絵あり)
4-09 - ゆうえんちにいきましょう! -
こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳です
私は今、弟の龍之介と一緒にお祖父ちゃんのジャズ喫茶でバイトが終わった苺ちゃんと話をしています。
「・・・で、遊園地や動物園に行きたいけど、美少女の付き添いがオタク風中年男と柄の悪そうな無精ヒゲの男じゃ職質されそうだから私も一緒について来て・・・って事でいいの?」
お客のいない店内のテーブルで犬飼苺ちゃんがアイスコーヒーを飲みながら言いました。
「そう、お願い出来ないかな、異世界の王女様、窮屈な生活してたらしくて今回公務じゃない初めての旅行、しかも異世界で!、っていう感じだからいい思い出を作ってあげたいんだよ」
相変わらずストリートギャング風のファッションに身を包んだ龍之介が苺ちゃんに経緯を説明します
「私からもお願いするの、彼女は私の親友で陛下からやっと許可をとって旅行に来たから・・・報酬は特上鰻重か回らないお寿司っていうのはどうかな?」
「もちろん私は大丈夫だよ、それに特上鰻重は魅力的だなぁ・・・でも別に報酬とか私に気を遣わなくてもいいよ」
どうやら苺ちゃんは引き受けてくれそうです。
「でも私だけじゃ龍之介さんのビジュアルが強烈過ぎて見た目的に弱いかなぁ・・・私と理世さんと王女様の3人で一緒に行動したら悪い奴に絡まれてる美女3人組に見えちゃうよ」
「苺ちゃん、最近毒舌に磨きがかかって来たね、それに自分で美女って・・・確かに他から見た印象は悪いよなぁ、でも虫除けで僕は絶対一緒に居ないとダメでしょ、あの王女様なら歩いてるだけで男が大勢群がって来る」
「そんなに凄いの?・・・じゃぁ敬雄さんにもお願いしたらどうかな?、理世さんあの人は近くに居ても大丈夫なんでしょ、それに見た目だけは人畜無害そうだからビジュアル的にはインパクトが薄まると思うの」
「うん、敬雄くんはちっちゃい頃から知ってるから平気だよ、でもリィンちゃん超絶美少女だから敬雄くんが惚れちゃっても困るし、ぱっと見た感じ彼は爽やかで優しそうだから間違ってリィンちゃんが惚れると余計に面倒臭い事になるかも」
「じゃぁ・・・王女様や敬雄さんに野暮ったく変装してもらうとか!、それとお姉ちゃんも入れて美女4人組と、お兄ちゃんも誘って敬雄さんと龍之介さん、男女7人で行動するっていうのは?、それなら他人が声をかけ難いだろうし、お手洗いも私やお姉ちゃんと一緒に行けば安心でしょ」
「・・・うん、いいと思う、苺ちゃんのお兄さん・・・十真斗さんも前に会った印象だと優しそうだから私も大丈夫かな、林檎さんはちょっと怖いけど・・・」
「あー、初対面の時お姉ちゃん興奮して理世さん撫で回しちゃったからなぁ・・・でもこういう時にお姉ちゃんだけ仲間外れにすると後でとーっても面倒な事になるからできれば我慢して欲しいな、あの人10年くらい根に持つから・・・」
そうなのです!、林檎さん・・・アディ⚪︎スの黒ジャージを着た美人のお姉さんは初対面での挨拶の時、私を見るといきなり抱きついて身体中を撫で回したのです!。
「うん、我慢するの・・・」
「お金の事は気にしないでね、お姉ちゃんが異世界から持って来た金貨を売ると1枚20万円超えるんだよ、前に余った1枚分と今回2枚売るから軍資金は60万円、飲食費を含む諸経費は全部こっち持ち、もちろん入園料や交通費、宿泊費も全部出すからね、それと後日全員に特上鰻重!」
「乗った!、お兄ちゃんとお姉ちゃんもそれでいいと思う!、私が納得させるっ!」
苺ちゃんが目をキラキラさせてやる気満々のようです、特上鰻重の魅力は凄いのです!。
「無理言ってごめんね・・・よろしくお願いします」
「いやいやこっちが全然得してるよ、みんなで王女様と遊園地で遊んで諸経費タダなんて!、それに初めてなんだぁ・・・特上の鰻重、回らないお寿司もいいなぁ・・・じゅるり・・・」
苺ちゃんとの打ち合わせが終わって私と龍之介はお店の裏からお家に転移しました。
「龍之介のお友達には食べ物以外に何かお礼をしたいなぁ・・・」
「あの連中なら食べ物だけでも大満足だと思うけど?」
龍之介はそう言ってるけど、私は皆と仲良くなったら異世界・・・ローゼリア王国に招待しようと思っているのです。
とてとて・・・
そういえばリィンちゃんをお部屋に2時間くらい放置してたけど寂しがってないかなぁ。
「ただいまぁ、ごめんねリィンちゃん!、一人にしちゃって・・・大丈夫だった?」
「わーん、リゼちゃん助けて!、何度やってもト⚪︎リンが倒せないの!」
お部屋に入るとタブレット端末を既に使いこなしているリィンちゃんが涙目で泣きついてきました!。
画面を見るとここ数日リィンちゃんが夢中でやり込んでいるソシャゲ・・・⚪︎神の初心者が苦戦すると言われているトワリ⚪︎を倒しているところでした・・・。
「まだ原⚪︎やってたんだ・・・トワ⚪︎ンはマルチできないから私が代わりにやってあげるよ、トワリ⚪︎なんて余裕で殺ってあげるから」
「ダメ!、自分でぶっ殺すの!、恨み溜まってるから人にやって貰ったら意味ないの、コツを教えて!」
リィンちゃんはゲームだと攻撃的な性格になるようです・・・。
「分かったよー、これはね・・・」
「やったぁ!、ざまぁ!、⚪︎ワリンぶっ殺してやったよリゼちゃん!」
「王女様なんだからぶっ殺すなんて言っちゃダメだよ・・・ト⚪︎リンを倒したご褒美をあげようか?」
「何?、何かくれるの?」
「・・・弟やそのお友達と一緒に遊園地へ遊びに行きましょう!」
その後、リィンちゃんがはしゃいで大変だったのです、地元の遊園地、県内最大級のテーマパーク、ニュー⚪︎オマワールドのサイトや動画を見せたところ・・・。
「なにこれすごい!、ここに行けるの!、お花畑!、建物が光ってる!、何で?、魔法?、お馬さんが回ってる!、これ!、これ乗りたい!」
予想通り、リィンちゃんは喜んでくれたようです。
「1日お泊まりするからパレードやイルミネーションも一緒に観ようね」
「お泊まり!、この綺麗なお部屋に泊まるの?、わーい!」
小さな子供のように喜ぶリィンちゃんを宥めながらその日は夜遅くまで一緒に動画を見ていたのです。
「私も本当に楽しみなのです、夢にまで見たお友達と一緒に遊園地・・・」
「え、リゼちゃん何か言った?」
夜も更けてベッドに潜り込んだ私の独り言に気付いたのか隣に寝ているリィンちゃんが尋ねます。
「何でもないのです、楽しみだねー、遊園地」
・・・
・・・
ジャズ喫茶での打ち合わせから3日後の休日、私のお家の前にみんなが集まりました、お仕事で忙しいのに予定を合わせてくれて感謝なのです!。
十真斗さんはバイク、苺ちゃんは十真斗さんの後ろに乗って現地へ、敬雄くんは自分の車で行くそうです。
私と龍之介とリィンちゃん、それから林檎さんは私達のお家の車・・・私の保険金で買った新車のホンダ・シビックType Rを借りて龍之介が運転します。
林檎さんの乗って来た軽自動車は我が家の車庫へ・・・田舎だからみんな車を持っているのです!。
でも・・・玄関からリィンちゃんが登場して少しトラブルが発生しました。
「なんなのそのクソダサい服は!」
林檎さんが呆れています。
「お母さんの若い頃の服を借りて変装したのです・・・男が群がって来ないように」
私が答えます。
「姐さん・・・何でこんなダサい服持ってんだ?」
敬雄くん、君が惚れてしまわない為の変装でもあるのですよ・・・。
「なんでだよ!、私、超絶美少女だって聞いたから楽しみにしてたのに!、これは酷すぎる!、同じ女性として許せない!」
林檎さんが喚いています。
「これじゃぁ王女様が可哀想だ、俺達が寄って来る男どもから守るから普通の格好で行ってもらおうよ」
十真斗さんが正論を言います、でもリィンちゃんは朝早くからこの服可愛い!と言ってノリノリだったのですが・・・。
「確かに・・・一緒に歩くの恥ずかしいかも」
苺ちゃんがしれっと酷い事を言います。
「リィンちゃんごめんね、朝からノリノリで準備して貰ったんだけど、普通の格好で行こ!」
「何でー、可愛いのにー」
文句を言うリィンちゃんを家の中に連れ戻します。
「ごめん、すぐ着替えさせるから」
・・・
・・・
「・・・美少女だ、美少女が居る」
林檎さんが呆然としています・・・。
「・・・」
敬雄くん、何か言ってよ・・・。
「わぁー、アイドルより可愛い」
苺ちゃんがスマホで連写しています。
「ここまで凄いとは・・・」
十真斗さんも見惚れています、だから変装してたのに・・・。
一応メガネをかけて貰った方がいいかも?。
ぶろろろろ・・・ばおん!、ばおん!。
龍之介が車庫から我が家の車を出してきました。
「車の音が先週と変わってるのです!」
車に乗り込みながら龍之介に言うと・・・。
「2日前にお袋が車庫で色々いじってたから何かしたんだと思う・・・」
龍之介がチベットスナギツネのような表情で答えました。
「あはははは!、何だこれ、姐さんご機嫌なチューニングしてるじゃん!」
お母さんの事を姐さんと呼び慕っている敬雄くんが手を叩いて大笑いしています。
・・・中学高校の頃、敬雄くんは頻繁に我が家で晩御飯を食べていたからお母さんとはとても仲良しなのです。
「さぁ、リィンちゃん!、1泊2日!、遊園地へ遊びに行こう!」
リィンフェルドさん(変装)
読んでいただきありがとうございます!。
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