4-06 - にほんへようこそりぃんさん -
4-06 - にほんへようこそりぃんさん -
こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳です。
今日はいよいよリィンちゃんを日本にご招待する日なのです!。
「リィンちゃん、本当に護衛のトリエラさん連れて行かなくていいの?」
私は王城に転移して・・・日本行きが楽しみ過ぎるのか?自室で旅行鞄を抱えてそわそわしているリィンちゃんに尋ねました。
「いいよ、リゼちゃんとの初めての旅行は誰にも邪魔されずに2人で楽しみたいし、トリエラさんにはいつも守ってもらって感謝してるけど「あれは危険だからやっちゃダメ」「どこか行く時は絶対私に言ってから」って、ちょっと・・・ね」
でもこの前のトリエラさん・・・目をキラキラさせて行く気満々だったから後で揉めるかも?、でも揉めるのはリィンちゃんだから私が気にする事もないかなぁ。
「陛下は知ってるの?」
「お父様にも今回行くところは安全だからって許可もらってるし」
「それならいいけど・・・じゃぁ行こうか、荷物は持った?、忘れ物は無い?」
「うん!」
「手を繋いで行こう・・・ほい、転移!」
しゅたっ!
「やったぁ!、異世界だぁ!・・・あれ?、なんか思ってたのと違う!、何この廃墟!」
「これは王国の時間で今の私のお家、ここから時空転移魔法陣で私が死んで数十日経った頃の時代に行くの、今の時間軸だと私の家族は別の場所に住んでるんだぁ」
「よくわかんないや・・・」
リィンちゃんには難し過ぎたようです・・・。
「じゃぁ今度こそ私のお部屋へ!、時空転移!」
ぱあっ!
しゅたっ!
「日本へようこそリィンさん!」
「なに?、改まって・・・」
「ちょっと言ってみただけ、そんなタイトルの漫画をお父さん持ってたから・・・あ、靴はここで脱いでね」
「ほうほう、これが日本?でのリゼちゃんのお部屋かぁ・・・綺麗にしてるんだね」
リィンちゃんが目を輝かせて私のお部屋を見渡しています。
「リィンちゃんが来るからお掃除したんだよ」
「あれ何?、色の付いた本・・・って何でヴィンスお兄様?」
机の上に置いてある雑誌を見つけたようです、表紙にはメイクをした4人の長髪男がカメラに向かって威嚇している姿が写っています。
「それお母さんのヘヴィメタル専門誌だよ・・・殿下に似てると思って表紙になってる雑誌を借りて確認してたの、この人は歳を取ると太るんだけどね」
「別人なんだぁ、でもそっくりだよ?、着てる服はすごく変だけど」
「私も殿下見た時似てるなぁって・・・服はこっちの人が着る普通のやつじゃないから気にしないで!」
・・・
・・・
(にゃー)
「わぁぁ、可愛い!」
今はお昼過ぎ、私は田中家の自室でリィンちゃんと一緒に動画サイトを見ているのです。
テーブルの上にはノートパソコンと冷凍ピザをチン!したやつにポテトチップス、それからペットボトルのよく冷えたコーラ。
ノートパソコンの画面に映る可愛い子猫を見てリィンちゃんが叫んでいます。
私の格好はTシャツにスゥエットパンツ、少し肌寒いので理世だった時のカーディガン。
リィンちゃんはというと着ていた高価そうな服で寝転がるとシワになりそうだったので私の中学の時の超ダサい芋ジャージ、サイズはちょっとキツそうだったのですがとても好評でした。
今も、動きやすいし楽だぁー!と言ってベッドで寝転がっています・・・恐るべし芋ジャージ、異世界人に刺さる何かがあるのかも?。
「ねぇねぇリゼちゃん!、この光って絵が出る板みたいなやつ、前に見せてくれたすまほ?の大きいやつだよね、かわいい猫ちゃんを繰り返し見たいからうちの国に持って帰る事できないかなぁ?」
「持って帰ることはできるけどネットが繋がってないから動画サイトは無理だよ、いやハードディスクに動画を入れたら・・・あー、ダメだ向こうには電気が無い!、ソーラーパネルは買うといくらするんだろ?」
「・・・よく分かんないけど、無理なのね」
・・・しゅん
リィンちゃんが泣きそうです!。
「リィンちゃん!、そのうち持って行けるようにするから!」
・・・
・・・
「のわぁぁ!、だっ・・・誰でござる!」
リィンちゃんを連れてきたのが今日の朝、お父さんはお昼に黒髪の外国人美少女が私のお部屋から出てきたのを見て期待通り、とても驚いていたのです!。
「私の親友で向こうの王女様だよ」
リィンちゃんをお父さんに紹介すると・・・。
「理世たんは向こうでお友達いっぱいできたのでござるな」
そう言って生暖かい目で私を見ました。
「・・・」
残念ながらリィンちゃんが唯一のお友達です。
がちゃ・・・
「あ、お母さん!」
・・・
・・・
がしっ!
「理世!、この子欲しい!、可愛すぎる!」
「*$#%&!!」
職場のレンタルCDショップから帰ってきたお母さんがリィンちゃんに抱き付きます。
「お母さん!、王女様に抱き付かないで!」
「え・・・おうじょさま?」
がちゃ・・・
「ただい・・・ま・・・」
王女様と言われて固まるお母さんに続き既に職場復帰して会社に行っていた龍之介が帰ってきて玄関に立ったままリィンちゃんをガン見しています!。
スキンヘッドのいかつい野郎と芋ジャージを着た黒髪青目の超絶美少女・・・まさに美女と野獣なのです!。
「おーい、龍之介ー」
お母さんに続いて思考を停止した龍之介に声をかけると・・・。
「・・・疲れてるのかな、お姉ちゃんの芋ジャージを着た美少女が居たような気がするんだけど」
ごしごし・・・
目をこすりながら幻だと思い込もうとしている龍之介と、まだ固まっているお母さんを居間に連れて行きリィンちゃんを紹介したのです。
その日の夕飯は慌ててお父さんが近所のスーパーで買ってきた高級和牛でしゃぶしゃぶ、それからお惣菜の焼き鳥と地元の名産、骨付鳥のあるのです!。
リィンちゃんは慣れないお箸に挑戦してたけど結局フォークを使って食べています。
「このお肉美味しい!」
目を輝かせてお肉を貪るリィンちゃんは芋ジャージ姿な事もあって超大国の王女様には見えません。
食後のお風呂はリィンちゃんと一緒です。
我が家のお風呂は田舎だからとても広くて、リィンちゃんが一緒に入ろ!とお誘いがあったので入りました。
「あ・・・」
うるうる・・・
「あぁぁぁ、わだじのぜいでリゼちゃんがぁぁ!」
日本に来たのが嬉しくて私の身体に傷があるのを忘れていたようです、見た途端泣き出すリィンちゃん・・・でも頭をよしよしして宥めると落ち着きました。
かぽーん・・・
「それにしてもリィンちゃん、おっぱい膨らまないね・・・」
ざばっ!
私の一言にリィンちゃんが慌ててお胸を隠します。
「何でそんなこと言うのー!」
「覚えてる?、初めて会った時に私リィンちゃんのお胸見てたでしょ、その時にこのまま私と貧乳仲間になるのです・・・って念を送ったからかなー、私の呪いかも?」
「わーん、何てことするのよー」
「リィンちゃんは王女様だからちっちゃいなぁって思っても直接言われないから大丈夫だよ」
「あぁぁぁ!、リゼちゃんがいじめるー」
いつものリィンちゃんに戻ったみたいですね・・・。
・・・
・・・
「あー、リゼちゃんのマッサージきもちいー、私専属の侍女にならない?、お給料弾むよー」
お風呂を上がり、ベッドに寝転がって私のマッサージを堪能していたリィンちゃんが不穏な事を呟きます。
「大変そうだから遠慮しておくよ」
「・・・私、初めてリゼちゃんの背中の傷、見ちゃった・・・あれって私に抱きついて庇ってくれた時に斬られたやつだよね」
「うん、そうだよー」
「痛そうだね」
「リィンちゃんには嘘つきたくないから言うけど、今でも凄く痛いんだぁ、斬られた時と同じ痛みがずっと続いてる、もう5年にもなるのにね・・・自分で調合した痛み止めを飲んで何とかなってるけど」
「あぅ・・・ぐすっ・・・ごめんね」
「もう気にしないでって言ってるのに・・・私がどれだけ痛くてもリィンちゃんに生きていて欲しかったからやったの、後悔はしてないよ」
「・・・」
「さて、明日はお出かけだね、動画を見てリィンちゃんが行きたいって言ってたショッピングストア!、ここは田舎だからそんなに遊ぶ所ないんだよ、でも海や山は綺麗だし私の自慢の故郷なんだぁ」
「お買い物、楽しみ・・・私、本当にお金を出さなくてもいいの?」
「今王国で使ってる金貨を買い取るお店があるんだけど、そこで換金できるの、小金貨を5枚持って来てるし、足りなかったら私がここで生きてる時に貯金したお金があるから大丈夫だよ、明日はいろんなものいっぱい買って楽しい思い出を作ろうね」
そう、向こうの金貨のままだと出所を怪しまれるかもしれないので私の領地の職人さんに頼んで金貨をアクセサリーに加工してもらったのです!。
「うん、楽しみ、この世界って私が居る世界と全然違うんだね、魔力の制御も上手くできないし・・・」
「ここは魔素が殆ど無いから魔力量が多くないと魔法は使えないかな、私でも大きな魔法をこの世界で使うのはキツいかも」
「リゼちゃんの前世?のご家族、みんな優しそうでよかった、こっちで暮らすことは考えなかったの?」
「暮らせればいいんだけど私は死んだ事になってるから国籍も戸籍も無いの、だから色々不便だし下手したらこっちの家族に迷惑かけちゃうからね・・・ローゼリアで生きていくのが辛くなったらこっちに逃げてくるかもね」
「やだ・・・」
「え?」
「私を置いてこっちに逃げて来ちゃやだ、私も・・・お友達リゼちゃんしか居ないの」
「・・・分かってるよー、リィンちゃんが寂しがり屋さんなのは私が一番知ってるの、さて・・・明日に備えてもう寝ようか」
「うん・・・おやすみリゼちゃん」
明日はリィンちゃんと一緒にお買い物・・・楽しみなのです!。
読んでいただきありがとうございます!。
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