4-07 - しょっぴんぐもーる -
4-07 - しょっぴんぐもーる -
昨日から一夜明けて今日は日曜日、リィンちゃんと日本でお買い物なのです。
お父さんが車を出してくれるそうで、弟の龍之介は虫除け・・・私は若い男性に近付かれると怖いのでその対策です。
お母さんはなんとかっていうバンドのライブがあるとかで朝から留守にしています、そして軍資金は私の小金貨・・・を向こうの職人さんにお願いして加工したアクセサリー(仮)を貴金属買取のお店で売って捻出するのです!。
買取はお父さんに行ってもらわないとダメだけど全部で5個、小金貨5枚分の純金価格だから結構な額になると思うのです、試しに1個査定してもらったら・・・。
「あ、お父さん、どうだった?」
お店から挙動不審になりながら出てきたお父さんに声をかけます。
フルフル・・・
「理世たん、20万5千円でござった・・・」
「え、高っ!、金貨ってこんなに高く買い取ってくれるの?」
うちの家族は金相場に全く興味が無いので予想外の高値に全員驚いています!。
「まだ車にあると言ったら全部買い取ると店員が言ってるでござる」
「待て親父!、全部売ると100万超えるよね、とりあえず今日は買い物だけだから1個・・・普段いいものを見慣れてるお姫様と一緒なら余裕を持って2個売れば豪遊出来るんじゃないかな?」
確かに龍之介の言う通り、田舎のショッピングモールへ行くのに現金100万円はありえないのです!。
「では行ってくるでござる!」
「頑張ってー」
再びお父さんが挙動不審になりながら買取のお店に入って行きました・・・。
「小金貨2枚で40万円ちょっとかぁ」
お買い物で豪遊してお父さんと弟への報酬を払ってもお釣りが出ます・・・ちなみに2人の報酬はお昼ご飯に特上鰻重なのです!。
車を駐車場に停めていよいよショッピングモールの中に入りました、リィンちゃんは私達より先に駆け出して周りを見渡しています。
「#$@$’+!##!!」
「なんて言ってるでござるかな?」
私の後ろからお父さんが尋ねます。
「わー、大きい!、すごーい!、って言ってるのです」
「喜んでくれてるようだね」
私の後ろから龍之介が呟きます。
ざわっ・・・
「わー、あの子可愛い!」
「隣の眼帯の子もサラサラの銀髪だぁ」
私達が歩いているとあちこちからそんな声が聞こえてきました。
確かにリィンちゃんは姿勢が良いし歩いているだけで高貴な雰囲気を撒き散らしています、私もこう見えて上級貴族令嬢なので所作は洗練されているのです。
ひそひそ・・・
「ねぇ見て、後ろの2人・・・」
「警察に通報した方が・・・」
リィンちゃんへの賞賛に混ざってとても不穏な会話が聞こえます!。
黒髪の美少女に銀髪眼帯の少女という目立つ外国人2人を連れているオタク風中年男と坊主&髭面で柄の悪い若い男!・・・たとえ警察関係者じゃなくても怪しく見えるし気になるのです!。
私は日本に頻繁に来るようになっても戸籍や身分証がないから外出をしないで田中家に引きこもっています。
でも今日はリィンちゃんのためにショッピングモールでお買い物・・・ここで変に目立って職務質問されたらアウトなのです、主にお父さんと龍之介が!。
「$ω$@+*?、&$%#+>_<!!」
「あれは何?、あのお店に行きたい・・・って言ってるのです」
「若者や子供向けの服を売ってる店でござるな、拙者達は入りづらいでござる」
お父さんが少し困ったような顔で言いました、今日のお父さんの服はジーンズにチェックのネルシャツ、バンダナを頭に巻いてリュックという絶滅に瀕している古のオタクファッション!。
リィンちゃんが目をつけたのはブランド物のお店じゃなくて地元の女子中高生が着るようなお手頃価格の服を揃えてるところ・・・。
確かにこのお店に入ると浮きまくるのです!。
「でもリィンちゃんが誘拐されたら私の首・・・は物理的に飛ばないけど社会的に死ぬのです!」
「ぬぬっ・・・仕方ないでござるな、拙者も覚悟を決めて入るでござる」
店先に吊るされている偽物っぽいピ⚪︎チュウやハロー⚪︎ティのシャツを横目にお父さんがお店に入ります。
「龍之介は表で待ってて、下手したら警察呼ばれる可能性が・・・」
「お姉ちゃん酷い!」
お父さんに続いてお店に入ろうとしていた龍之介を慌てて止めました、何故なら先に入って服を選んでいた女の子とその母親が龍之介を見て小さな悲鳴をあげたから!。
ちなみに今日の龍之介は黒パーカーにサングラス、ポケットの沢山付いた迷彩柄のハーフパンツという、どこから見てもストリートギャングな姿なのです!。
「ひっ・・・」
「あぁぁぁ!、ママ怖い!」
止めるのが遅かったようで女の子が泣き出し母親が怯えています、騒ぎになっちゃうかも・・・。
なでなで・・・
「#$@=#@_@?、#$%%&”`@¥¥」
「大丈夫?、泣かないで・・・って言っています・・・」
リィンちゃんが泣いている女の子の前で跪き、頭を撫でて慰めます、それを私が通訳して母親に伝えました。
「わぁ・・・綺麗なお姉ちゃん・・・」
「か・・・可愛い」
泣き止んだ女の子とその母親が目をキラキラさせて王族オーラを巻き散らしているリィンちゃんに見惚れています、こんな小さな子を落とすなんてリィンちゃん・・・恐ろしい子!。
「$##%&&+**、!><`>&%%$@@#$(小さな子供の扱いは慣れてるの、たまに孤児院へ慰問に行ってるから)」
なるほど・・・リィンちゃんは腐っても王女様、慈善事業にも積極的に参加していたようです。
お洋服のお店でちょっとしたトラブルがあったものの、私達のお買い物大作戦は順調なのです!。
どの売り場でもリィンちゃんは楽しそうにしています。
特に興味を持ったのはゲームセンターのクレーンゲーム、私が得意なのでリィンちゃんにリ⚪︎ックマのぬいぐるみを取ってあげたのです!、とても喜んでくれました!。
「拙者が持っていてあげるでござる」
リィンちゃんが大事そうに抱えているリ⚪︎ックマはお父さんのリュックに入って貰いレストランでお昼にします。
お父さんと龍之介は約束通り今日の報酬として特上鰻重、私は日本に来て久しぶりに食べるラーメン定食、リィンちゃんはというとお子様ランチに目が釘付けだったのでそれにしました。
「#$&*@ω@/!」
「美味しい!って言ってるのです」
「気に入ってもらえたようで良かったでござるな」
もっもっ・・・
リィンちゃんはお子様ランチに付いてきたプリンがとても気に入ったようです。
・・・1階にある食料品売り場で買って帰りましょうか。
職務質問もされず無事に夜になり私達はお父さんの車でお家に帰ります。
今日は転移を使わず車で移動なのです!。
理由はリィンちゃんが喜ぶから、確かにうちは田舎ですが車で一時間も走れば県庁所在地があるのです、街も比較的栄えていて夜景が綺麗です。
道路沿いの光り輝く看板や屋外モニター、工場群からの光・・・リィンちゃんは初めて見る地方都市の景色に夢中です。
「$%!、#”+@!(わー!、すごーい!)」
「喜んでもらえて良かったでござるな」
助手席で窓の外の景色を眺めているリィンちゃんを見てお父さんが呟きます。
「そうだねー、明日は何しようかなぁ」
読んでいただきありがとうございます!。
面白いと思った人は下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。




