EX3-05 - おおおばさまとおかいもの -
EX3-05 - おおおばさまとおかいもの -
こんにちは、エリーゼ・シェルダン12歳です。
私は今、リゼちゃんと一緒に王都の「リーゼ」本店の前に来ています、もちろん執事さんと護衛の騎士様も一緒に居ます。
今日はリゼちゃんとお揃いのお洋服を作るための採寸にやって来ました。
普通の量産品は商人さんがお家に持って来てそこから選ぶのですが、このブランドの特注品は別格で例え貴族でも店に直接訪れないと作ってもらえないのです。
ずぅぅぅぅん!
「ほえー、大きなお店ですぅ・・・」
思わず間抜けな声が出るくらい「リーゼ」の建物は大きいです、これはお金持ちじゃないと入れないお店だぁ・・・。
今、若者からお年寄りまで幅広く絶大な人気を誇る超一流ファッションブランド「リーゼ」、この大陸に多くの支店を持っていて1年に4回発表される新商品はなかなか手に入らないのです。
私のお家は超お金持ちにも関わらず家族全員あまり・・・っていうか全く贅沢品や高額なお洋服には興味がなくて、私も「リーゼ」ブランドのお洋服はお家に来る商人さんから買った量産品を2着持っているだけなのです。
なので私がこのお店に入るのは初めて・・・私みたいなドジでノロマなゴミクズ令嬢が本当に来ていい場所なのでしょうか?。
お店の外観は派手さがなくて上品、とてもおしゃれでかっこいいです・・・高級感が圧倒的過ぎて目が潰れそうなのですっ!。
「リゼちゃん・・・本当にここでお洋服作るの?、お店の中のお洋服みんな高そうだよ」
繋いだ手を握りしめながらリゼちゃんに確認すると。
「作るよ」
相変わらずの無表情で簡潔なお答えが返ってきました。
「心配ないの、ここは私のお店だからエリちゃんが欲しいならこのお店の商品全部・・・」
「わー、それ以上聞きたくないですぅ!」
さらりと凄い事を言い出したよこの人!。
お店の奥に入ると従業員の皆様が両脇に一列に並んで・・・。
「いらっしゃいませ!、リーゼロッテ様!、エリーゼ様!」
お迎えされましたぁ!。
私、お買い物は好きだけどこういうのは苦手なの・・・超お金持ちのお嬢様なのに本当に緊張してダメなのです!。
「リゼちゃん、私こんなに高級そうなお店って初めてで、緊張して・・・えっと、特注じゃなくてそこに吊るしてあるお洋服でいいよ」
そう言いながらリゼちゃんの方を見ると・・・。
しゅん・・・
リゼちゃんが凄く悲しそうな顔してるよ!・・・もしかして私、傷付けちゃった?。
「あぅ・・・ごめんエリちゃん、お買い物が好きだって聞いてたから喜んでくれるかと思って・・・ぐすっ・・・」
うわぁぁぁ!、リゼちゃんの目から涙がっ!。
「わーい!、特注でいいですっ!、新しいお洋服楽しみだなぁー!」
・・・
・・・
てきぱき・・・
「腕を上に上げて頂けますか?」
「あ、はい」
てきぱき・・・
そして案内された採寸のお部屋はとてつもなく豪華でした!。
壁の2面が全部鏡です!、そこで下着姿になって店員さんが上から下まで寸法を測ります。
「お洋服は10日ほどで出来るって」
計測を終えて私を待っていたリゼちゃんが無表情で言いました。
「え、待って・・・「リーゼ」の特注の服だと今1年待ちだって、私のお友達・・・じゃなかった知り合いが言ってたけど」
「ここは私のお店だから大丈夫」
凄いなリゼちゃん・・・本当は気になるのだけど、服のお値段は聞かない事にしました。
その後は2人で(執事さんと護衛の騎士様も)スイーツのお店でケーキを食べたり、アクセサリーのお店を見て回ったり・・・。
最後はお祖父様と合流して高級そうなレストランで美味しい夕食を食べました!。
ちなみにお祖父様は艶やかな長い銀髪を後ろで束ね、鋭い眼光と冷酷そうな薄い唇、リゼちゃんが成長したらこうなるかも・・・という美青年!。
・・・でも不老不死になっているので今年で61歳です。
・・・
・・・
その日の夜、リゼちゃんが私のお部屋に来てくれました、今夜は一緒に寝るのです!。
「リゼちゃんのいつもつけてる香水、いい香りだよねー、どこで買ってるの?」
私のベッドは大きいので2人並んで眠っても窮屈ではありません、私は隣に寝ているリゼちゃんに尋ねます。
「私が作ったの、お世話になった人達にもあげてるんだぁ、エリちゃんも欲しい?」
「うん、欲しい!、凄くいい香りだから気になってたの」
「じゃぁ私のお部屋にあるから明日持ってきてあげるね」
「ありがとう!、リゼちゃん大好き!」
わーい!、香水がタダで入手できましたぁ!。
「お洋服出来るの楽しみだねー、お揃いの服を着てまたお買い物行こう、エリちゃんとお揃い・・・2人並んだら可愛いかな」
「絶対可愛いよ!、リゼちゃん次行きたいところある?、別のスイーツのお店紹介できるよ」
「そうだねー、今日のは美味しかったからまたお勧めのところあれば教えてね」
眼帯を外し左目を閉じているリゼちゃんが私の目の前で微笑みます、目つきは鋭いけど右目は私と同じ青に近い灰色の瞳です。
私はベッドの端にある魔導灯のスイッチを切りました、お部屋が暗くなります。
「・・・あ、そうだ、リゼちゃんは有名なハンターだって噂があるけど本当なの?」
「ハンターの資格は持ってるよ、お薬を作る時に魔物の素材が必要だから狩ってきて使うところだけ取るでしょ、他を捨てるのは勿体無いからハンターギルドに売ってるの」
どうやら兼業でハンターをしているという話は本当のようです。
「「幻影」って呼ばれてるのは何か理由があるの?」
「魔物を狩る時に首を落としてるから「首狩り」って呼ばれるようになって、いつの間にか「幻影」になってたの、そう呼ばれる理由は分からないなぁ」
「リゼちゃんって魔物の首を落とせるんだぁ・・・」
「私って非力だし攻撃魔法も怖くて使いたくないから密かに開発した時間停止魔法陣を使うんだけど、魔物が居そうな場所で大陸の時間を止めるでしょ、魔物を見つけたら頭だけ残して少し離れたところに胴体を転移させるの、その後で落ちた頭と胴体を回収してる」
「・・・わぁ」
よく分からないけれど魔物というのは簡単に狩る事ができるようです。
「素材を取った後の要らないところはハンターギルドの解体場所に転移魔法陣を置かせてもらってるからそっちに送って、そのあと止めた時間を動かすの、素材を集める時や指名で討伐の依頼を受けた時は同じ手順で狩ってるかなぁ」
「私、ハンターの事は全然知らないんだけど、みんなそうやって魔物を狩ってるの?」
「さぁ?、他のハンターの人達とはあまり話してないから分かんない」
そんな事を喋りながら楽しい夜は更けていったのです。
会話も途切れて眠くなってきた頃・・・。
「ねぇエリちゃん、私の故郷・・・行きたくない?」
唐突にそう尋ねられたのです。
「シェルダン領?、何度か行った事あるけど」
「違うよ、私がこの世界に生まれる前に居た所、日本っていうんだけど・・・」
今の言葉で完全に目が覚めました!、お祖父様やお父様が小さい頃に行った事があると自慢していた「ニホン」に行けるの?。
私はベッドから飛び起きてリゼちゃんの手を握りました。
「行く!、行きたい!、連れて行ってくれるの?」
「そう・・・じゃぁ貴方のお祖父様やラファエルくんとも相談しないとね」
・・・
・・・
この夜の会話がその後の私の人生に大きな影響を与える事になるなんて・・・この時の私は想像もしていなかったのです!。
読んでいただきありがとうございます!。
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