3-03 - みなとまちではずかしめをうけましたぁ! -
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「お嬢様ぁー・・・じゃなかったリゼルくん!、今日はいい天気なんだからお散歩して美味しいもの食べましょうよぉー」
「それ、シャルロットさんが食べに行きたいだけじゃ・・・そういえば僕もお腹空いたし、お昼ご飯行こっか」
こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳です。
コルトの街で借りているお家に引きこもってギターの練習をしているとシャルロットさんが声をかけてきました・・・。
日本へ帰還出来るようになった私は弟がやっているバンドのお手伝いをする為に殆ど私しか触ってなかったお父さんのレスポールカスタムをこっちに持ってきて15年ぶりにギターの練習をしています!。
前世と違い手が小さく指が柔らかいので苦戦中なのですが、ようやく勘を取り戻してきたところでシャルロットさんの邪魔が入ったのです!。
「ポータブルアンプの電池がもうすぐ切れるからまた日本で買って来ないといけないのです・・・魔素を電気に変換できる魔道具を早く作らないと・・・」
じゃかじゃかじゃーん!、がしゃがしゃ・・・
ざかざかざかざか・・・
ぴろぴろぴろぴろ・・・ぎゅぃーん!
「リゼルくんの言ってる事全然分かんないっすよー、そのやかましい・・・じゃなくて変な楽器みたいなのって前世の世界?・・・ニホン?のやつ持ってきてるんでしたっけ、こっちの楽器と全然違うっすねー」
「そう、君達にスラッシュメタルはまだ早過ぎるの、君達の孫くらいが喜んで聴くと思うのです」
どこかで聞いたようなセリフを言って私はアンプの電源を切りました。
今は長い銀髪を後ろで縛って日本から持ってきた中学生の時の芋ジャージを着てるけど、この格好で外出するのは恥ずかしいからお出かけ用の服に着替えるのです!。
「どこで食べましょうかー、いくつかお店に入りましたけどカルロ町長さんの紹介してくれた最初のとこが一番美味しいっすよねー、それと屋台も良さそうなやついくつか見かけたんで何軒か寄って行きましょうよ!」
「うん、確かに最初のお店は美味しかったのです」
これまでの言動から薄々気付いてたのですがシャルロットさんはドン引きするくらい沢山食べるのです!、そのおかげで私は一口もらえて色々なお店の味を楽しめているのですが・・・。
「でもリゼルくん、本当に私のお食事まで経費で出してもらっていいんすか?、自慢じゃないけど私大喰らいっすよ」
「これも必要経費だから気にしないで、シャルロットさんが居なかったら僕は刺客に襲われて死んでるの・・・今こうして生きてるのはシャルロットさんのおかげ」
「そうですかぁ・・・じゃあお言葉に甘えるっす!、人のお金で食べる食事ほど美味しいものはないっすから!」
がちゃ・・・
バタン・・・
可愛らしい飾りのついた木の扉を開けて植木鉢の中で元気に咲いているお花を見ながらシャルロットさんとお庭を通り抜けて外へ出ます。
海からの風が気持ち良くて本当にいい天気です・・・。
美味しかった海の見えるレストランの近くにある広いお庭のついた小さなお家は借家です・・・このお家の窓からは綺麗な海や夕陽が見えるのです!、叔父様は気に入ったら買っていいと言ってくれたので本気で購入しようか迷っているのです。
「リゼルくん、今日は何を食べます?」
「そうだね・・・昨日は貝の入ったパスタだったから今日は海のものじゃなくてチーズの入ったリゾットと鶏肉のソテーが食べたいなぁ」
「いいっすねー、私も今日は肉が食べたい気分っす!、お店のマスターとも仲良くなったから沢山頼めばおまけしてくれるかもしれないっすね!」
「僕、そんなに食べられないよ」
「残ったら私が処理するっすよ、こう見えてお腹底無しっすからね、同僚からは底無しシャルロットって言われてたっす!」
シャルロットさんとそんな話をしているうちにお店の前に到着しました、白い塀に囲まれた海の見えるレストラン「タダーノ」・・・お洒落でとても可愛いお店です!。
がちゃ・・・
「おう!、いらっしゃい!」
「ぴゃぁ!」
ぽてっ・・・
お店のマスターさんが今日のおすすめを書いた看板を持って外に出てきました!。
可愛いお店に似合わない髭を生やしたいかついマスターとは何度か食事に来ているうちに仲良くなったのですが急に出て来られるとびっくりするのです!。
驚いた勢いで後ろに倒れて尻餅をついてしまいましたぁ・・・。
「あぁ!すまん坊主!、急に出てきて驚かせちまったな!」
「大丈夫っすか!、リゼルくん!」
「あぅ・・・痛いのです」
シャルロットさんが道に転がった杖を拾い助け起こしてくれました。
「本当にすまん、お詫びにデザートをサービスしてやるよ!、今日のは自信作だからありがたく食え!」
「あ・・・ありがとうございます」
「やったー、マスター太っ腹!、その太い腹みたいな太っ腹!、今日はリゾットと鶏肉のソテーを2人前!、それと私にステーキ2枚ね!」
「誰がデブだコラ!・・・まぁいい、今日はまだ客が居ねぇ、好きなところに座って待ってな」
お店の中に入るとお客が居ない筈なのに男の子が海を見ながらテーブル席に座っていました・・・誰なのです?。
そう思っていると店内に戻って来たマスターが紹介してくれました。
「こいつは俺の甥っ子だ、向かいで宿屋をやってる弟の息子でトシローってんだ、悪い奴じゃぁねぇんだが生意気で性格・・・いや口が悪くて友達が居ねぇ、よかったら友達になってやってくれ、おいトシ!、挨拶しろ!」
「おっちゃん!、余計なこと言うなよ畜生!・・・よっ!、俺はトシロー、トシって呼んでくれ!、13歳な!、見た感じ俺より小っさいから年下だな・・・じゃぁ今日からお前は俺の弟分だ!、遊んでやるよ!」
ななな何ですかこの子・・・距離感が近いのです!。
人見知りの私が苦手な「陽キャ」という人種なのですっ!、でも仲良くなったマスターの機嫌を損ねちゃダメだし・・・どうしよう。
「あ、トシくーん、リゼルくんはすっごい人見知りだからそんなに距離を詰めたら怖がるんだよねー、もうちょっと控えめに、優しくね・・・」
シャルロットさんが助けてくれました・・・ご挨拶しなきゃ・・・。
「ぼっ・・・僕・・・リゼル・・・ですっ、よろしく・・・ふひっ」
怖いのと緊張で挙動不審になってしまいましたぁ!、変に思われてないでしょうか・・・。
ちらっ・・・
「あははー、変な奴だな!、お前足悪いのかよ!、傷もあるしその眼帯もダセェな!、もしかしてお前の左目って見えないのか?、まぁ男だったら傷ある方がかっこいいかもな!」
パコーン!
凄く良い音がしたので見てみるとマスターがトシくんを張り倒してました、いい気味なのです!、陽キャは敵!、爆発すればいいのです!。
「お前、さっきシャルちゃんに控えめにって言われただろうが!、見ろ!、坊主が泣きそうになってるじゃねぇか!、そんなだから友達できねぇんだよ!」
「痛ぇー!、だってこいつまともに喋らないしオドオドしてっから・・・ちょっとからかってやろうと思っただけだし!、男なんだからこれくらいで泣かないよな!」
がしっ!
「ひぃぃ!」
こいつ、いきなり肩を組んできましたぁ!、馴れ馴れしいのです!。
私のような陰キャにとってこの距離は死ねるのです!、早く離すのです!、私はフルフルと震えながら言いました。
「やだ・・・離して、怖い」
見かねたシャルロットさんがトシくんを引き剥がします。
「だーかーらー、トシくんは距離感近いんだよー、リゼルくんは人見知りだからこんなに近付かれると怖くてお漏らししちゃうの!」
お漏らしって・・・シャルロットさん酷いのです!、まだトシくんの年齢なら許容範囲なのです!、あと5歳成長してたら危なかったかもだけど・・・。
「お漏らしすんの?、こんなにデカくなってまだお漏らしかよ!、あはははは!」
爆笑されましたぁ!。
もう許さないのです!、こいつはいじめっ子として私の心のデスノートに名前を刻んでやるのです!、絶対許さないのです!。
私は下唇を噛んで泣かないように耐えました、泣いたら負けなのです!・・・あぅ、でも悔しくて涙と鼻水が出てきましたぁ。
トシくん・・・もうこいつはトシのクソ野郎で十分なのです!、呼び捨ててやるのです!、トシはそのまま笑いながらお店の外に出て行きました。
一部始終を見ていたのか、マスターはピキピキとこめかみに青筋を立てて・・・震えながら泣き始めた私に言いました。
「すまん、あいつは後で俺がぶん殴っておく・・・」
読んでいただきありがとうございます!。
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