2-09 - うちゅうからのめっせーじ? -
2-09 - うちゅうからのめっせーじ? -
こんにちは、田中龍之介だ。
バンドのメンバーに酷い勘違いをされた・・・。
説明に1時間かかったよ、僕が隠し撮りをした魔法陣の上で楽しそうにネットフリフリ見てるお姉ちゃんの動画を見せてようやく信じて・・・貰えてないみたいだけど僕を病院に連れて行こうとはしなくなった。
十真斗さんだけはずっと「みんなで行くのが嫌なのか、それなら俺のバイクで行こう、後ろに乗せて連れってってやるよ心配するな全部俺に任せて・・・(以下略)」って言ってたけどね。
店の前にやってきたタクシーに謝り倒して帰ってもらった苺ちゃんは、「これCG?、龍之介さんの会社で作ったの?」などと言っていてまだ信じてないようだ・・・・。
見かねたお祖父ちゃんの「私もこの前理世ちゃん見てきたぞ、可愛い銀髪幼女になってたな」という証言でようやくみんな落ち着いた、ってかお祖父ちゃんもっと早く話に割り込んできてよ!。
敬雄は「本当なら早く理世姉ちゃんに会わせろ、親友なのに何で今まで黙ってたんだ水臭いじゃないかそんなに俺が信用・・・(以下略)」などと文句を言っていたがシバいて黙らせた。
「いきなりこんなの見せたら驚くだろうし、まず話してからにしようと思ったんだよ」
僕はこれまで起きた事を話した、更に1時間くらいかかったかな・・・。
「・・・で、お姉ちゃんがこっちに生身で来られるように血液検査をして危ない未知の病原菌が居ない事を確認したいんだよ、十真斗さんの家って病院だからできないかなと思って」
「いや無理だよ、血液検査ってうちみたいな町の開業医だと病院の中でやってるわけじゃなくて外注だ、内密にっていうのも色々と法律的にやばいだろう、それに未確認の病原菌が見つかったら大騒ぎになるだろうね、最悪防護服を着た人達が病院にやって来る」
こめかみを押さえて考え込んでいる十真斗さんが言った。
その辺の事情はよく知らなかったから盲点だった、困ったな、どうしよう・・・と思ってたらコーヒー臭い苺ちゃんが話に入ってきた。
「うちのお姉ちゃん医大に通ってるからそこの実験室?で内密にやってくれないかな?、今日お姉ちゃん大学お休みだから相談してみる?」
スマホを取り出して電話し始めた。
「・・・あ、もしもしお姉ちゃん?苺だよ、内緒の血液検査ってお姉ちゃんの行ってる医大でできないかな?、やばい病気に感染してないか調べて欲しいの、バレたら大騒ぎになるから病院じゃダメなの・・・あとDNAを調べたりは・・・え?、何怒ってるの?・・・バイト先のジャズ喫茶だよ、ちょっと待って!」
「苺ちゃん、どうだった?」
「よく分かんないけど「お前どこの男に感染された?そいつ許さねぇ絶対殺す、苺もそんな簡単に身体許すんじゃねぇお姉ちゃんそんな子に育てた覚えはありません!」って叫んで切っちゃった、私お姉ちゃんに育てられた覚えないんだけど・・・」
「今頃こっちに向かってるだろうな、呼ぶ手間が省けたからいいけど・・・苺、お前悪い男に性病を感染されたって姉貴に思われてるぞ」
頭を抱えながら十真斗さんが言った。
「嘘ぉ!、私まだ処女だよ!」
「いらん事を言わんでいい、兄としては悪い虫がついてなくて安心したが・・・」
しばらく話し合っていると喫茶店の扉が乱暴に開いた、アディ⚪︎スの黒ジャージを着た長身の女性、凄い美人だな胸は小っさいけど・・・その人を見てると僕と目が合ってまっすぐこっちに歩いて来た。
背中から「ゴゴゴゴ・・・」って効果音がしてそうなくらい殺気立ってるし!。
「おまえかぁ!、悪そうな面しやがって!、てめぇ私の可愛い苺ちゃんの身体汚しといてなにしれっとしてんだよ、あ?、ふざけんじゃねぇぞ!・・・何だその目は!、いい度胸じゃねぇか上等だぁ!、覚悟ぁできてんだろうな!、表出ろやゴラァ!」
いきなり胸ぐら掴まれて怒鳴られたよ!、えらく柄悪いなこの人・・・それに僕の目つきが悪いのは生まれつきなんだけど・・・。
「待て姉貴、誤解だ落ち着け、こいつは何もしてない!」
十真斗さんが後ろから女の人を羽交い締めにして言った。
その後拘束を解かれた女性は敬雄の胸ぐらを掴んだ。
「じゃぁお前か!、お前だな!、虫も殺せねぇような顔して何してくれてんだよ!、あぁ!、殺す殺す!、ぜってぇ殺す!」
「いやこいつも違うから!」
暴れる女性をまた十真斗さんが後ろから羽交い締めにして言った。
「なら誰が私の苺ちゃん孕ませやがったんだよ畜生!、隠れてないで出てこいや!・・・じゃぁこのジジイか!、お前だろ!、いい歳して未成年喰ってんじゃねえぞ!、あぁ!」
などと散々悪態をついた後、苺ちゃんと十真斗さんの説明でようやく大人しくなった、なんか凄いな・・・この人。
「・・・申し訳ありませんでしたぁ!」
黒ア⚪︎ィダスの美人さんは今僕達の前で綺麗に土下座していた・・・。
「うちの姉貴は頭に血が上ると人の話聞かないんだ、俺からも謝る、すまん」
この美人さんは犬飼兄妹のお姉さんで林檎さんというそうだ、紹介があった林檎さんは僕達の前で澄ました顔をしてお上品に紅茶を飲んでる・・・。
「・・・話は分かった、だが医者の卵として言わせてもらうとそんな危険な未知の血液を大学病院や研究所の中に入れるわけにはいかないな」
やはりそうなるのか・・・。
「私もその子に興味があるけど前にやった水の検査も一つ間違えれば大惨事でしょ、もしその血液を調べて未知の病原菌やDNAがヒトと違ってたら・・・みたいな可能性を考えると国のちゃんとしたところで外気と隔離して安全に調べるべきだろうね」
「・・・」
「水と同じように地球の人達のものと同じって結果ならいいんだけどね・・・向こうは魔法?や魔力?がある世界なんでしょ、地球人は魔法を使えないから異世界人とはどこかが違うと考えた方がいい」
「・・・」
「世間様にバレて「宇宙人だ!」「未確認生物だ!」ってなったら世界中から学者が群がって来てその子は見せ物の実験動物みたいな扱いになるだろう、それは嫌なんでしょ」
もちろんお姉ちゃんをそんな扱いにはさせたくない、そうでなくても極度の人見知りだ、大勢の人達の前に引っ張り出されたら怖がって泣くと思う。
「じゃぁ前にお姉ちゃんが言ってた宇宙からの信号を受信したーってやつにするしかないかな・・・」
「何その話?」
僕がポロリと口に出すとサンドイッチを食べていた十真斗さんが言った。
「水の検査の時にお姉ちゃんが「もしやばい検査結果が出て国や保健所がうるさく言ってきたら寝てる時に宇宙からの信号を受けてこの水がやばいかもしれないから調べろって命令された事にしろ」って・・・」
「あははー、そのお姉ちゃんいい性格してんねー、でもそれいい考えかもしれないな」
十真斗さんから残りのサンドイッチを奪って食べ始めた林檎さんが言った。
「でも・・・」
「龍之介くんがマスコミに宇宙からのメッセージを受けたって喋って、場所は・・・前に水を置いた所でいいでしょ、予言通りの日時にUFOみたいなエフェクトキラキラ出して、その場所には未知の材質の器に入った血液が入ってましたー、って話ならちゃんと国が外と隔離した研究室で調べてくれると思うよ」
「・・・いや、それ僕が危ない人みたいになってるし!」
「それならマスコミには匿名の手紙でいいんじゃないかな、設置場所のエフェクトをド派手にして誰がどう見ても宇宙からのメッセージだ!って風にしたら?」
僕が宇宙からのメッセージを受信した危ない奴って事にならない方法だとそれしかないかな・・・。
「・・・でも検査結果を国が発表するかどうか分からないよね」
「予言の内容に「これを偽造したり隠蔽したら宇宙から総攻撃を仕掛ける」って文章入れとけば?」
林檎さんの話を聞いてると悪くないように思えてきたよ。
「そうします・・・参考になりました、ありがとうございました」
「龍之介くーん、それだけ?」
「え?」
「お姉さんがすっごーく頭使って考えた提案に対して「ありがとう」だけ?」
「何か僕にできる事があれば・・・」
「あるよ、検査の結果が分かって安全だと証明されたら龍之介君のお姉ちゃん、こっちに来るんでしょ、ちょっと会わせなさいよ」
「・・・はい」
お姉ちゃんごめん、こっち来たら会わないといけない人がいっぱい居るよ・・・。
読んでいただきありがとうございます!。
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