2-06 - おてつだいをようきゅうするのです -
2-06 - おてつだいをようきゅうするのです -
拙者の名は田中太郎でござる。
この世に未練 (ナヒー○ちゃん)を残して死んだ娘が銀髪ゴスロリっ娘に生まれ変わって魔法陣から出て来たでござる!。
ナ○ーダちゃんを無事にお迎え出来て完全勝利した娘は今幸せそうにネットフリフリで拙者が今季の覇権と評価したアニメを見ている。
疲れたので詳しい話は明日にしてみんな今日は寝ようという事になったでござるが・・・拙者心配なのでござる。
この世に未練を残して死んだ娘が目的を達成したら、また拙者達の前から消えるんじゃないかって。
よくアニメでもあるのでござる、これから幸せに暮らすと見せかけて視聴者を泣かせるためにキラキラのエフェクトと一緒に「みんなありがとう、これでさよならだよ」って消えちゃう演出が!。
そう思って娘に遠回しに聞いたのでござるが・・・。
「何言ってるの、ナヒー○ちゃん育ててないのに、まだまだ道は遠いんだよ」
・・・なるほど、ナ○ーダちゃんが育つまで娘は消えないみたいでござる。
でもまだ少しだけ心配な拙者は娘がアニメを見ている仏壇の前に布団を持って来て一緒にアニメを見ているのでござる。
娘は魔法陣の上に寝転がってお菓子を齧りながら時折「お父さん終わったよ、エンディング飛ばして次お願いね」などとアニメファンにあるまじき事を言っている。
「理世たん」
「なに?、お父さん」
「向こうで辛かったり寂しい思いはしてないでござるか?」
「今のお父様やお母様も優しくて大事にしてくれるよ、いつも「リゼたん」「リゼたん」って誰かさんみたいにね」
アニメや小説では両親に虐げられたり、義理の母親や義妹にいじめられる話があって心配していたのでござるが優しい両親でよかったでござるな。
「理世たん」
「なに?、お父さん」
「その顔の傷、痛そうでござるがどうしたのかな」
「刺客に襲われた王女殿下を助けた時に斬られたの、おかげで死にかけたのです!」
・・・理世たんの住んでいる世界は刺客がヒャッハー!する修羅の国か何かでござるのかな?。
「理世たん」
「なに?、お父さん」
「こっちに身体を転移させて拙者達が理世たんに触れられるようには出来ないのでござるかな」
「できるよ、ちょっと実験しなきゃだけど、それも含めて明日お父さん達と相談したいのです!」
・・・できるんかい!、って思わずツッコミを入れたでござる。
「理世たん」
「あ、ちょっと今いい所だから黙っててもらえるかな」
「あ・・・はい」
「ふふふ・・・」
「どうしたでござるか?」
「久しぶりにお父さんと見るアニメは楽しいな」
娘と話しているうちに拙者いつの間にか眠ってしまっていたでござる。
「理世たん?」
朝になって慌てて魔法陣を見ると・・・娘が爆睡していたでござる。
「心配して損したでござるかな」
・・・
しばらくして居間に家族が集まったでござる。
事件が事件だったので拙者も息子もまだ会社は休んでる・・・というか今仕事に行ったらマスコミに追いかけ回されるので会社からはしばらく休めと言われている。
家族に向かって魔法陣の上に居る娘が話し始めたでござる。
「先に現状確認なのです、私、田中理世は死にました、そこに私の遺影もあるし・・・っていうか自分の遺影を見るって貴重な体験だよね」
確かにそうでござるな!。
「気付いたら前世の記憶を持ってある家の娘として生まれていたの、大きな月が2つあって中世ヨーロッパとスチームパンクが混ざったような見るからに異世界!、って場所に・・・」
スチームパンクとは斬新な設定でござる!、普通の異世界アニメだと中世ヨーロッパ風の世界でチート能力や現代知識を武器に・・・いや何でもないでござるよ!。
「そこは魔法のある世界でね、魔法使いに憧れてた幼い頃の私は魔力を増やしてチートな能力を手に入れようって考えて毎日魔力を増やす鍛錬をしてたの、参考にしたのは理世だった頃に読んでた異世界小説ね」
やはり拙者の娘、考える事が同じでござるな!。
「そのやり方が間違ってたみたいで・・・結果、魔力量がバカみたいに増えました」
わぁ・・・
「魔力量が多い人ほど成長が遅くて寿命も長いんだけど、私くらい多い人ってほとんど居ないの、向こうの両親が私の成長が遅いから心配して調べたら・・・少なくとも私、800歳を超えて生きると思う」
「は?」
妻が思わず聞き直したでござる、さすがは学生時代に「血祭りの花子」と呼ばれ地元を震え上がらせていた元不良グループの頭・・・「は?」の凄みが一味違うでござる。
「お母さん落ち着いて!、まぁそんな理由で今年15歳の筈の私がこんな子供の見た目なのです!」
確かに15歳にしては見た目が幼いし・・・それにしても寿命800歳超えってエルフか何かでござるかな?。
「私の将来を心配した両親が8歳の時に魔法の師匠を紹介してくれてね、私は博士って呼んでるんだけど空間転移魔法と時空転移魔法の研究をしてる人で、私が弟子入りしてからも研究を続けて遂にこの間完成したの!」
「なるほど、その魔法陣を使って日本にやって来たのでござるな、拙者もオタクの端くれ、それくらいはすぐに理解できるでござるよ」
拙者の理解が早くて嬉しいのか、娘が満面の笑顔で話した不穏な内容に家族が固まったでござる。
「直接私が転移するのは異世界と日本での環境の違いや未知の病原菌が心配だから・・・先にこっちから何かサンプルを送って地球が滅びないか確かめたいの!」
「ほ・・・滅びる可能性があるのでござるか?」
拙者の隣で話を聞いている妻や息子が黙ったままだから拙者が代表して尋ねたでござる!。
「大丈夫だと思う・・・よ」
大丈夫と主張する娘が目を逸らしたのを拙者は見逃さなかったでござる!。
「心配しないで、できるだけ日本に被害が出ないように博士の知り合いの聖女様に高い報酬払って浄化の重ね掛けしてもらうからサンプルには細菌やゴミは1つも付いてないよ」
「ちょっと待つでござる!」
間違って地球が滅んだら洒落にならないでござるよ!。
「お父さんにお願いしたいのは私の世界から水や空気が入ったサンプル容器を送る場所の確保かな、できるだけ人目が無くてこのお家や都市部からも遠くて私が行った事のある場所が好ましい」
「本当に大丈夫なのでござるか?」
「私こう見えて凄く稼いでるから聖女様への報酬は大丈夫だよ、水質検査や環境検査を専門にやってる会社にサンプルの検査を依頼して欲しいの、理由は適当でいいけど「もしかするとやばい水かもしれない!」とか言って誤魔化して」
いや、心配してるのはそこじゃないでござるが!、それに・・・。
「拙者が誤魔化すのでござるか?」
「うん、地球の水や空気と同じか知りたいの、こっちの国には水や空気を調べる方法が無いし日本だったらある程度成分の分析ができるでしょ」
「結果を見るのが怖いでござるな・・・」
「もし地球に存在しないやつで保健所や国が騒いだら適当に誤魔化しておいて、たとえば「寝ていたら宇宙からの声を受信して、あの場所に置いてある水がやばいかもしれないから調べるのだーってお告げがあった」とか」
「拙者が危ない人になるではござらんか!」
「本当に面倒だよねー、小説で異世界と日本を簡単に行き来してるのがあったから私も軽く考えてたの、そしたら博士が「そんな都合のいい事があってたまるかぁ!」って言うし」
会話が途切れて拙者達の話を聞いていた妻が娘に質問したでござる。
「理世、お前の顔の傷どうしたんだ、すげー痛そうだけど大丈夫なん?」
「刺客に襲われた王女殿下を助けた時に斬られたの、でもリィンちゃん・・・王女殿下は私にとって初めてできたお友達なんだぁ、だから一緒にお茶してた時に刺客がリィンちゃんに襲いかかるのを見たら無意識に体が動いて庇ったの」
なんと娘は王女様と友達でござった!。
「国王陛下からもお礼を言われたよ、爵位やるから受け取れって言われたけど断ったの、そしたら代わりにお金をいっぱいやるから遊んで暮らせって王様のお財布からお屋敷が買えるくらいのお金をもらっちゃった」
「・・・」
「そのお金を商会に投資して大成功!、博士と研究所で作った特許や魔道具の収入もあるし今の私は超お金持ちなの!、しかも国の筆頭貴族のご令嬢!、あ、そうだ、向こうの金貨が地球の金と同じだって分かったら金貨いっぱいあげるね」
「死んだ娘がゴスロリ大富豪になって帰ってきた件・・・」
妻がチベットスナギツネみたいな表情になっているでござる・・・。
「それじゃ理世の将来は安泰ってわけだ、孫の顔を見られる日もあるかな」
「その事なんだけど、私は死んだ時のトラウマで男の人が怖いの、身体の成長も止まってるみたいだし孫は無理かなぁ・・・」
「まぁ、あんな殺され方したんじゃ無理ないか・・・どんな姿でも理世はあたしの可愛い娘だよ」
「次は私から質問なのです、私が殺された後の事を教えて欲しいのです!」
読んでいただきありがとうございます!。
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