2-05 - おねがいがあるの -
2-05 - おねがいがあるの -
「本当に理世たんなのでござるか?」
父親の尊厳が少々損なわれたでござるが、拙者・・・いや私は娘と思われる女の子と向き合ったでござる。
「うん・・・よく分からないけど気付いたら異世界に転生してたの」
ようやく泣き止んだものの目は真っ赤だし鼻水が垂れて酷い状態でござった、女の子はローブの袖で顔をゴシゴシ拭いているでござる・・・汚いからやめようね。
「改めまして、お父さん、お母さん、龍之介、みんな久しぶり!、一度は死んでしまったけど田中理世は日本に帰ってまいりましたぁ!」
一度は死んだけど帰って来たって一生に一度は言いたいセリフでござるな、言えるのはゾンビくらいでござろうが・・・。
「みんなに会ってすぐにこんな事をお願いするのもアレなんだけど、先にどうしても急ぎでお願いしたい事があるの!」
なんでござろう?、どうやって生まれ変わったのか、どんな事をしてここに帰って来たのか、その姿は何だとか、色々と聞きたい事があるでござるが可愛い娘の頼み、聞くでござるよ。
「いいでござるよ、言ってみるでござる」
娘は心からほっとした表情になったでござる。
「今日は何月何日?、私が死んで何日経ったのかな?」
「2月24日、理世たんが死んで10日経ったでござる」
「数日のずれがあるなぁ、でも間に合ったよ・・・私のスマホはある?」
「いや、まだ警察に預かって貰っているでござるよ、葬式も終わったしマスコミも落ち着いたから明日にでも遺品を取りに行くつもりでござった。
娘の表情に焦りが見えたでござる、早く引き取っておいた方がよかったでござるか?。
「・・・じゃぁ私のノートパソコンある?、私は触れないから持って来て操作して!、パスワードは「otomodatchigahosii」ね、スペルは・・・」
「あ、パスワードは知ってるでござるよ、理世たんが死んだ後に机の引き出しを見たら色んなパスワードを書いた紙が入ってたからそれで開いた事があるでござる」
拙者は何かまずい事を言ったでござるか?、娘から表情が抜け落ちたでござる、首を右にコテンと傾けて・・・可愛いけどちょっと怖いでござるよ。
「お父さん私のパソコンの中を見たの?」
「いや、武士の情け、ダウンロードフォルダと写真フォルダは見ていないでござるよ!」
葬式のお供えをもしゃもしゃ食べていた妻が口を挟んだでござる。
「あー、私見たわ、娘が腐ってなくて安心したけど、あの趣味はどうかと思うぞ」
そして息子も・・・。
「お姉ちゃんごめん、僕も見た・・・」
妻と息子は鬼でござったか!。
娘が頭を抱えて悶えながら「あーもう死にたい!」って叫んでいるでござる、理世たんもう死んでるではござらんか?。
そんなデリケートな画像があのフォルダに入ってたとは・・・ちょっと興味が出て来たでござるよ。
「それどころじゃなかった、お父さん!、パソコン起動したら原○のゲームを開いて!、パスワードはパソコンと同じ!」
「○神でござるか、お安い御用でござるよ」
カタカタ・・・カチカチ・・・
拙者はノートパソコンを起動して原○を開いたでござる。
「そこでピックアップガチャやってるからナ○ーダちゃん引いて!、私の新しい嫁になる子なの!、お父さんも一緒にやってたから分かるよね!、ピックアップ始まる前に死んじゃったから引けてないの!、楽しみにしてたの!、石はその子の為にすっごい頑張って溜めてたからお迎えするまで回して!、これだけ石があったらすり抜けても絶対お迎えできる筈なの!」
拙者の娘は原○のナヒー○ちゃんの為に生まれ変わって戻って来たのでごさるか?、でも・・・もう二度とできないと思っていた娘と一緒にゲーム、楽しいでござるな・・・。
葬式の時に余った酒を瓶から直で飲んでいた息子が言ったでござる。
「お姉ちゃんすごいね、僕には言ってる事が何一つ分からないよ」
読んでいただきありがとうございます!。
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