INTERFACE ERROR:シークエンス開始前にプログラムが誤作動を起こしています!
ワールドプロセッサの言うところの"エラー"。まさしく委員会をシステム領域の視座から見た時、そう表現せざるを得ないだろう。
起きるはずのないことが、起きるはずのない時点で起きるはずのないパターンで起きた。トラブルとはまた別の、バグともまた異なる事態。
精霊知能達はすでにこの件について口を噤むことはおろか、演算することさえもしないでくれている。アドラメレクの取り調べの際にその可能性に思い至った俺の言葉を受け、これが本当に深刻な事態だと察したからだ。
そう、間違いなくこれは深刻な事態だ……今すぐ世界がどうこうなるというわけではもちろんない、迂遠な話にしろね。
「俺とワールドプロセッサ、そして三界機構と……まあアルマも加えるがシステム領域においてはこの6体だけが今、彼らの正体にある程度の当たりをつけている。つけているだけで確定させるだけの演算はまだ、控えている状態だけどな」
『さすがにそこはね。私ら三界機構やそちらの脳内の子供にはもうなんの能力も影響力もないからいくら確定させたところで及ぼせるものはないでしょうけど、それをもってあなた達が確定した認識を持ってしまうのもまずいし』
『精霊知能達もよく理解していて結構、結構。ミュトスにもよく言い聞かせているが、こればかりはいかなシステム領域であっても、否システム領域だからこそ今は触れること罷りならんことなのだ』
「そうなんでござんすよ先輩方。ここに至るまで折に触れては御三方から釘を差されておりやして。よっぽど考えることさえも都合が悪くなるような厄ネタなんでござんすねぇ」
念押しするように確認すれば、三界機構の魔天と災海が現時点での自分達の考えを話してくれた。もちろんさすがの最適解で、委員会について今は考えることさえ悪手だと言うことをすでに理解してくれているよ。
なんならミュトスにも釘まで差してくれてるんだから、ありがたいったらない。まだまだ精霊知能になって日の浅いミュトスは、信頼がおけないわけでは決してないもののふとした拍子でおりゃっ演算! とかしてしまいそうではあるしね。
仮にそうなったとてその時はその時なんだけども、しないに越したことはないので本当に助かる。
よって俺も、こちらの状況をこの場にいる全員に向けて説明する。厳密に言えば俺のなかにいる邪悪なる思念、アルマの見解についてだね。
「俺が脳内に隔離してるアルマ……邪悪なる思念の魂も同様に、すでに彼らの正体について真相を感じ取っているみたいだ。でも正味なところあんまり興味とかないみたいだから大丈夫だよ。そもそも今のアイツには何もできないしな」
『本当かよコマプロ……あのイカれたクソガキだぜ? なんもできねえってのはそりゃそうだろうが、嫌がらせで四六時中今起きてるエラーについてネタバレしまくるくらいのことしててもおかしくねーだろ。あのイカれたクソガキだぜ?』
「2回言うのか……まあ2回言われるだけのことはしてるしな。まあ大丈夫、今のアルマは本当、食うこと以外基本何も考えてないから。あとコマプロ言うな」
「それはそれで腹立たしいですね、浅ましいワールドプロセッサがのうのうと」
今のアルマも大人しいもんで、特に委員会の正体には気づきつつも殊更興味も持ってないのであんまり言及もしていない。
断獄がだいぶ疑心暗鬼だけどそこはマジだ。何しろもはや脳内のバカは、食事のことにしか興味がないからねマジで。
こっちの世界のワールドプロセッサは、これまでの経緯もありそうしたアルマの現状に思うところはあるみたいだけど。さすがにだからといってどうするってわけでもないし、どうするだけの値打ちもなくしたのが今の魂だけのアルマなのでそこは優先順位が低い。
なので俺も、なんだとこの野郎ども! やんのかこら、あぁん!? みたいなヤンキーめいた口を叩いてる脳内の馬鹿は華麗にスルーするよ。この面子相手にこいつの意思を代弁する気にもなれない、揃いも揃ってまさしく被害者の会なんだぞ、こちとら。
「ま、あいつのことは置いといて。今は委員会についてだ……厳密な言及は避けざるを得ないからフワッとした物言いになるけど、俺としては最終的には彼らを打倒するのはやはり人間、それも相当未来のじゃないといけないと思うんだよ。そのへんどうかな?」
『そりゃそーだろ、聞くまでもねえし言うまでもねえ。そうだとも、いつだって乗り越えるべきは現世存在だろうがよ! 殊にやつらはその存在意義からして、そうしてやらんことには事態の解決なんざ見込めねえんだ』
『そうそう。大体ね、システム側でアイツラをどうこうしたところで状況が悪化するわよたぶん。たぶんこのあたりまでは大丈夫だろうから言っちゃうけど、アイツらアレでしょ? 巣立ち絡みの。フェーズ的に言えば、結構中盤あたりの』
「そうですね。本来ならば現時点では発生するはずもない存在です」
うなずくワールドプロセッサ。魔天の、これもだいぶギリギリの際を突いた発言だ。おそらくこのへんがラインで、これ以上踏み込むのは無理だろうな、今のところは。
それでも話を聞いていた精霊知能達は、やはりかと天を仰いだ。本来の想定よりかなり先の段階に至ったフェーズでの巣立ち絡みの存在。その意味するところから嫌でも実感したのだ。
委員会の正体そのもの、どこから湧いて出たのかではない。
その存在意義、存在理由……彼らの本質が"人に乗り越えられることで巣立ちの足掛かりの一助となるモノ"であることをだ。
「大ダンジョン時代クロニクル」
https://ncode.syosetu.com/n5478jx/
第二部・第二次モンスターハザード後編─犯した罪に、等しき罰を─
完結しました!第三部は2026の盆から!
よろしくお願いしますー
「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!
https://ncode.syosetu.com/n5895io/
よろしくお願いいたしますー
【ご報告】
攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど
書籍版、コミカライズ版併せて発売されております!
書籍
一巻
amzn.asia/d/iNGRWCT
二巻
amzn.asia/d/aL6qh6P
コミック
一巻
amzn.to/3Qeh2tq
二巻
amzn.to/4cn6h17
三巻
amzn.asia/d/cCfQin2
Webサイト
PASH!コミック
https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32
ニコニコ漫画
https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/63393
pixivコミック
https://comic.pixiv.net/works/9446
電子版、書籍版、コミカライズともに好評発売中!
よろしくお願いしますー!




