第4話 これがダンジョン!?
「これがダンジョン?」
森の中、じゃない、四方が森だ。
壁も森、天井も森、地上も森。
遥か向こうも森。
四方が森だ。
そして、無数の何かがいる気配。
森の木々から何かが迫ってきている。
「ゴブリンだな、数は3体。おいらなら瞬殺出来るぜ」
「ああ、俺がやってみる」
「お前生き物殺したことないだろ」
「ああ、殺すつもりはないよ」
「そんな優しさ意味ねーぞ」
「いいや、殺さないんだよ、俺は世界一最強で世界一やさしい王様の息子だ。誰一人、どんな生物も殺さない」
「へぇ、そんなあまっちょろい戒め」
何かが飛来した。
矢だろう。
ロイフルは木々の後ろに隠れながら、相手の気配を辿る。
息遣いだ。
父親はよく言っていた。
相手はこちらを殺すつもりで来る。
なら必死の形相になり必死の息遣いになる。
なら、その息遣いを耳で感じるしかない。
「ふぅー」
呼吸を整える。
次に目をカット開き。
エメラルドの剣を鞘から抜く。
「おめーこれ、刃が潰れてるぞ」
「そうだ。俺は誰一人誰も殺さない!」
そうして走り出す。
右と左に緑色の子供のようなゴブリンを発見。
宝剣をかざしながら。おもいっきり振り絞り。
ゴブリンの頭が吹き飛ぶ。
左から右へと弾き飛ばされ、木々にぶち当たり意識を失う。
もう1体のゴブリンが斧を閃かせる。
ロイフルは身をひるがえして、斧をよけ様。左手で払い。
足を思いっ切り踏み落とす。
ゴブリンの足を踏みつぶし。
次に宝剣で顎を殴打する。
ゴブリンが気絶すると。
背後から矢が飛来する。
それを背後に眼があるかのように避ける。
「おめーその感覚どうやって身に着けた?」
「気配。感覚。俺は全てを父上から教わった!」
そう叫びながら、背後に宝剣を飛ばす。
ゴブリンの眉間に宝剣がぶち当たり。
次の瞬間には頭を押さえつつ沈黙するゴブリン。
「ダンジョンはな、モンスターを倒さないと出られないんだぜ」
「なら出ない」
「は、はぁああああ」
「別な方法を模索する」
「いや無理だろ」
「殺さないのが流儀だ」
「いやいや、モンスターだろ」
「それでも生きているだろ?」
「だがな、お前、相手はただのモンスターで殺戮マシーンだろうがよ」
「生き物には違いなだろ?」
ロイフルが問いかける。
3体のゴブリンがゆっくりと立ち上がる。
そしてこちらを真っ直ぐに見つめて、膝を屈する。
「お待ち申しておりました魔王様」
その発言にまず最初に何語かを理解出来ない。
次にルボックが唖然としている。
「魔王ってなんだ?」
「いやいやいや、お前まじか」
ルボックの唖然とする言葉に、ロイフルは途方に暮れる。
「魔王っていやー世界を滅ぼすくらいの大悪党だな」
「俺が魔王なのか?」
「そうなんだろうさ、モンスターにとってはヒーローだな、てかダンジョンの支配人ってとこだ、おめーはこのダンジョンの統括に選ばれたんだよ」
「はい?」
「だから、このダンジョンを育てる権利があるぞ」
「そんなめんどい事してられっかよ」
「おめーが殺さないからだろうがよ」
「いやいやいや」
「魔王様、ゴブリン三兄弟。一生ついていきます」
「いえ、ついてこられても困ります」
「安心してください、ダンジョンから出る事はありません、あなたが戦えと命じるとダンジョンから出て戦います」
「良かったな、配下が3人出来たぞ」
「それ喜んで良いのか?」
「いいに決まっている。さてと、魔王なら外に出られるだろ、おめーすげーな、本当に殺さないで解決したな」
「三兄弟。このダンジョンって何回層まであるの?」
「はい、99階までございます」
「よし、全部配下にしてくるか」
「はい?」
ルボックが唖然として行く中で。
「ちなみに、ルボック、ダンジョンの中の時間と外の時間は並列か?」
「いや、中の時間は外の時間より遅い、中で1年なら外で1時間くらいか。ちとややこしいな」
「よし、ルボック、1年くらい付き合え」
「まじかい」
その日から、ロイフルのダンジョン攻略が開始されたのであった。




