第11話 それにしても眩しい夜空ですね、そうだ。うち眼見えない設定でした
200人の夜の看視者たちと長老、次にゴムザは空を見上げて、唖然としていた。
「信じられん、魔法の使い方を間違っている」
「それにしても眩しい夜空ですね、そうだ。うち眼みえない設定でした」
ルーボックの呟き。
ロイフルはちゃんと聞いていたが、皆聞いていないような様子だ。
「あの光の魔法凄いんですか?」
ロイフルの問い掛けに、長老が頷く。
「必ず消す。そういう意識を宿す光魔法の1つです」
「必ず消す?」
「そう、時分より格下だと認定できるものなら必ず消せる魔法です。光の魔法は色々な制約があって、使い方が難しい。光の神々しか仕えぬと言われるそれをあの少年は連発してるのです」
「へ、へぇ」
ロイフルには魔法の事が分からなかったけど。
「つまり、物凄いってことか」
ただそれだけは分った。
「モンスターを消す事も出来るだろうに、あえて怯えさせて、混乱させて同士討ちさせているのだろう、なぜ殺さないのかが分からないが」
「あ、それは俺が殺すなって言ってるからです」
「なぜですか」
長老が叫ぶ。
「いや、話の下り的に理解してくれてると思っていたんですが」
先程のロイフルとの対話の中で、色々と説明したと思っていたのだが、きっとそれは綺麗ごとの何かしらだと思われていたようだ。
「お主たちは本当に誰も殺さずに、この大陸の果てを統一するつもりか」
「はい、もちろんですよ」
「く、はっはっははっは、戯言だと思っておった俺を許してくれ」
ゴムザ・バーレットが立ち上がった。
そして、その拳をこちらに向ける。
「このゴムザ、全てを打ち明けよう」
突然、ゴムザが意味もなく笑う。
「良いのか?」
長老が呟く。
だが、ゴムザはごくりと頷き。
「ザム国の王であるこの俺が、この少年たちの覚悟を馬鹿にしていたのだ、それくらい当然だろう」
「王?」
ロイフルが尋ねると。
「そうだ。俺はザム国の王家。だが国を守るために旅に出ていた。そのおり、川に落ちたという事だ」
「そうですか」
「同盟を希望する」
ゴムザが叫ぶ。
大きな声で。
「ロイフル。そなたが王になるとき、ザム国を配下に、いや仲間にしてほしい」
「たぶん、俺は王になる事はないです。もうエルレイム王国はありませんから、それに」
「それに?」
「王とかではなく、1人の人間として一緒に戦いです」
「そうか、それなら面白そうだ。まずは3人の魔王をぶちのめそう。それからだ」
始まりは1羽の鳥。
だが、それは、津波となり。
「ひ、ひいいいいい」
夜の看視者たちの一団が慌てる。
「ど、動物が、な、なんなんだ」
あらゆる動物。その数100万体。
聖域に集まっていた。
モンスター達はピエロトが追い払い。
チャニーは1羽の鳥を使って。
沢山の動物達を集めて。
「さてと、情報ならもう全て集まったわよ、どう、聞く? この情報から策はルーボックが立ててね」
「はぁ、情報はチャニーの得意分野でしたよね」
ルーボックがにこやかに笑う。
ピエロトが聖域の廃墟の屋上からふわりと落下してくる。
それをチャニーが支える。
「さて、ここからはこのうちの出番ですね、うちとかロイフルとゴムザ、夜の看視者さん達は1人もこの聖域から出ずに全て終わらせる事が出来ますよ、まぁ、ドーマスとドリームには動いてもらいますけどね、ルボックとダンジョンの王も若干動いてもらうかもしれませんが」
突如饒舌となったのは四角の持ち主であるルーボック・ギャシー。
殺し屋一族からはぐれた青年の、眼を奪われた男の笑い声だった。




