episode.#3 運命は三秒前にやってくる
この作品を選んでいただきありがとうございます(ˊᵕˋ)︎︎︎︎
作者のヨスガです。下の注意書きを読んでいただいてからの閲覧をおすすめいたします。
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流血などの暴力表現のある話の前書きには→暴⃝
性的描写のある話の前書きには→㊙
を記載します
今回も特筆はありません。
ルーメリア王都「アルカディア」
魔法庁中央塔「ノクティスタワー」
そしてその最下層にはルーメリア創造に関わる資料や王族・貴族の家系図などミスティカにとって重大な資料たちが保管されている保管庫がある。
警備は厳重であり、アルカディアの兵士学校を卒業し優秀な成績であった頭から10名のみがその職に就く資格を手に入れる。
その最深部は警備に着く兵士も、魔法庁の役人でされ全てを把握しきっておらず、ルーメリアで最も謎に包まれた場所である。
そんな最深部のひとつ上のフロア。そこでは重要な会議や会談が行われる。停戦の交渉や人質の引渡しなど外交に関することも行われる。
軍力をあえて拮抗させ、不完全統一を結んでいるミスティカにとって兵力の差はそこまで問題にはならない。だが東西南北に国を構える以上、物資の多さや気候など国力においては大小があった。
もちろん戦の勝ち負けでもそれは左右される。
先の降天式により、エストリアは多くの兵と物資を失っていた。そして何より飛ぶ鳥を落とす勢いだったアステルを将に据えた戦だったというのが効いた。
対するウェルメリアは戦利品も、彼女という将の発見も全てが好転していた。
そして今、そのウェルメリアとエストリアの同盟について両国の要人たちが集まっていた。
この同盟には当たり前に両国反対であった。つい一ヶ月前に戦果を交えた国同士の同盟なんて上手くいくはずがないと。
だが、そもそもこの同盟を提案したのは敗戦の将であるアステル本人なのだ。それを彼女が一旦受け入れ、交渉は成立した。
いつもに増して空気は張り詰めていた。両国の要人はにらみ合い、アステルは時計を何度も確認する。約束の十分前、彼女はまだ来ない。
「軍妃殿はまだ来られないのか?」
空気に耐えかねたエストリアの高官のひとりが尋ねた。
「軍妃様はお忙しい身です。弱冠15歳でその任に就かれました。その負担をご理解ください。」
彼女の副官の1人が答える。
「さすがは自由主義のウェルメリアですな。」
ウェルメリアの掲げる主義を皮肉る態度にウェルメリア側がヒリつく。
「おやめ下さい。私は喧嘩をしに来たのではありません。」
アステルがエストリアの高官を諌めると彼は黙ってウェルメリア側を睨んだ。
そして約束の時間の1分前。廊下には彼女の姿はもちろん、足音や気配すらない。
「再度、お聞きするが軍妃殿はまだ来られないのか?」
とうとう我慢できなくなった高官が再度高圧的に尋ねる。
「再度お伝えいたしましょう。軍妃様はお忙しい身ですので、その負担をご理解ください。それにもうこちらへ向かわれています。あと、、、30秒です。」
「それは誠か?失礼だが、軍妃殿は小柄で華奢な少女だと記憶している。この最下層手前の会議室へは大柄な男が大股で向かっても3分はかかるが。」
「誠でございます。あと20秒、」
エストリア側は信じられないと言った顔で辺りを見回したり、廊下の靴音に耳を済ませたりする。だが当然変化はない。
「あと15秒、、、ふふ。来られましたよ。」
ウェルメリアの軍官が宙を見上げる。軍妃の席のちょうど真上、そこが微かに光っている。
「その光が軍妃殿だと?」
「ええ、あと10秒。」
こぞって首を傾げる高官をよそにカウントを続ける。
「9」
光が子猫ほどに大きくなる。
「8」
光の内側から出てきた白い羽が、繭のように光を覆い隠す。
「7」
繭がさらに大きくなり、2メートルほどの楕円になるる。
「6」
繭が椅子に降りた。
「5」
羽が花開くように小さくなり、中から出てきた少女の背に収まる。
「4」
少女がぱちぱちと瞬きをする。
「ここはノクティスタワーの会議室だと記憶してるけど合ってるかしら。」
「お疲れ様でございます、お嬢様。その通りです。」
「間に合った?」
「ええ、三秒前でした。」
首を傾げていた高官は口をあんぐり開けて信じられないといった顔をした。
「随分と、、、奇抜な登場ですな、軍妃殿。」
「ええ、ありがとう。」
彼女含めウェルメリアは、さも当然のように振舞っていた。エストリア側はざわついた。まさかここまでの腕前とはよそうだにしていなかったからだ。もちろん慢心などなかった。だが転移魔法を息切れもなしに使いこなす目の前の少女を受け入れかねていた。
「この御嬢が降天のセラフィアでしょうか。」
ただひとりアステルを除いて。
「ええ、そうよ。」
「良ければご尊名でお呼びしてもいいでしょうか?1戦を交えた好で。」
「別にいいけれど、私の名前をご存知なの?」
「もちろんですとも。貴方様のことならば、なんでも。」
いつかに感じた微かな気配が、形をなして彼女を襲おうとしていた。
こんにちは?こんばんは?ヨスガです。
文章量を揃えるのって難しいですね。2000字行くとは思わなかった、、、
1話当たり1000~1500を目指してるんですがどうにも得意じゃない。なんとなく頑張ります。
追記:先日初めてリアクションをいただきました!
押してくださった方ありがとうございます!




