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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第6章 暗晦の道(後)

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第6章 第5節 十二の歴(第2項)

挿絵(By みてみん)



(やかた)(きた)()(ぐち)から(そと)()ると、

ハーフガンとウントが(けん)()をしていた。



挿絵(By みてみん)



(なぐ)りかかるウントを(あい)()に、

ハーフガンは()(ぱら)いのように

(じょう)(たい)()らして(こぶし)(かわ)す。



ついでにウントの(あし)()()け、

()(なか)()して(てん)(とう)させた。



(きゅう)(しゃ)(じゅう)(ぎょう)(いん)(はな)()みに()

(せい)(じょう)()(おとこ)(たち)(さわ)いでいたのに、

サンサの姿(すがた)()()(たん)(しず)まった。



(あご)(すな)()けて(なみだ)()のウントは、

わたし(たち)(おどろ)いて()()(ひら)いた。



「なにをしてるの?」とサンサが(たず)ねる。



「グーグスは()()けるのに、

 オレに()()(ばん)をさせる

 (あご)(ひげ)(わり)ぃ。」



ウントがハーフガンの(がい)(けん)()(とう)する。



「オレは(わる)くねえだろ!


 (たん)()()こすガキが()(えい)なんて

 (はや)いって()ってやってんだよ。」



()()かりを(つづ)ける二人(ふたり)()(ども)に、

わたし(たち)(そろ)って()(いき)()いた。



「ハーフガン。

 あなたに(たの)んでいることは

 ()(ども)(まも)ることよ。


 ()(ども)(あい)()(けん)()してどうするの。


 (ねん)(ちょう)(しゃ)なのだから

 ()(はん)になる(こう)(どう)をしなさい。」



(しか)られてやんの。」



ウントがハーフガンを(からか)うと

(つぎ)(かれ)(しか)られる(ばん)になる。



「ウントは()(えい)になるのでしょう?


 (まち)(けん)()をしていたら、

 いつまで()っても()(えい)(つと)まらないわ。」



「だってよぉ!」



「こいつは()(えい)(たい)(しょう)じゃねえよ。」



(そろ)って()(わけ)はしない。

 (しん)(よう)(こう)(どう)(しめ)すものよ。



(おとこ)二人(ふたり)(そろ)って

()(むすめ)()(かっ)(こう)をしたサンサに(しか)られている。



「『明日(あした)()(ぶん)(そう)(ぞう)して、

  今日(きょう)()(ぶん)(ほこ)れる(こう)(どう)をしろ。』


 ってオーブのおじいが()ってたわね。」



明日(あした)? 今日(きょう)ぅ?

 じゃあよ、昨日(きのう)はなんだよ。」



ウントが(からか)(はん)(ぶん)(たず)ねると、

サンサは(れい)(たん)(こた)えた。



()()()れなさい。」



(かの)(じょ)(つめ)たい(ぎん)(ひとみ)()()る。



「…は?」



(あやま)ちを()やみなさい。

 (しっ)(ぱい)()(かさ)ねこそ(せい)(ちょう)への(ちか)(みち)よ。


 けれど(しっ)(ぱい)()(かえ)りを(もと)めてはダメよ。

 ()(かん)というのは(そう)(たい)(てき)なの。」



(かの)(じょ)はまた(むずか)しい(こと)()使(つか)う。



ウントからは(からか)いの(ひょう)(じょう)()え、

なにも()(かえ)せずに(あせ)りを()せる。



「グルグス。


 あなたも()てないで、

 ()(うち)(どう)()(けん)()くらい

 ()って(はい)って()めなさい。


 あなたはウントの()(どう)(やく)でしょう?」



「あぁ…、うぅ。」



スーとレナタの(ちか)くに()っていた、

(おお)(おとこ)のグルグスは(へん)(とう)()まる。



挿絵(By みてみん)



(きょ)(だい)身体(からだ)なのに、

()()()(かれ)(ちい)さく()えた。



――ウントと(おな)じでサンサが(こわ)いのかしら。



(たい)(りく)(じん)(けもの)のように(どう)(もう)かと(おも)えた(かれ)

(にん)(げん)らしく(じょう)()(かん)(けい)(よわ)さを()せる。



「ディーゴは…、

 なにか()うだけ()()()がするわね。


 どうせあなたが

 ウントを(あお)ったんでしょ。」



「おぉー。」



グルグスの(となり)()っている

(おな)()(はだ)をした()(えい)、ディーゴという

(あか)(つち)(いろ)(かみ)(ちょう)(しん)(おとこ)

(かん)(しん)して()()(よろこ)ぶ。



挿絵(By みてみん)



「お()ちしてました。」とレナタが()った。



(かの)(じょ)はストロー(ぼう)(かぶ)り、

(れい)のドレスを()ていた。



挿絵(By みてみん)



(はん)()した(かみ)()って(ととの)えられ、

(うし)ろに()びた(ぎん)(かみ)

(ふた)つに(むす)んでいた。



(じゅう)(ぎょう)(いん)(たち)(おな)

(あわ)いピンク(いろ)のリボンが(ぎん)(ぱつ)()()う。



――お(めか)しが(ひつ)(よう)(あい)()なのかしら。



「あぁ、()(じん)がお(めか)ししてるのね。」



「えっ…、どうしてそんな

 (ひど)いこと()うんですか?」



わたしの()(こと)()にレナタは(おどろ)(なげ)く。



「ニクス、それは()()(わる)()(まわ)しだよ。」



スーはレナタの(となり)(かばん)(かか)えていた。



「えっ! ()らなかった…。

 ごめん、レナタ。


 ちゃんと()()ってるって()いたかったの。


 サンサが()(ぜん)使(つか)ってたから、

 ()(こと)()だと(おも)って…。」



(おも)(かえ)せばサンサが()ったのは、

レナタが(あたま)()せていた(にわとり)()()

()(はら)った(とき)だった。



()(ぶん)(しつ)(げん)をわたしのせいにするの?」



「えぇ…だって()(じつ)だよ。


 こんなおかしな()(まわ)しするひと

 サンサしかいないもの。」



わたしが()うとスーも(うなず)く。



「ニクスはスーに()てきたのよ。」



「えぇー。()()かりだよ。」



スーが(こう)()して

サンサの(かか)えるアルの(ひたい)()でた。



「サンサ、メノーは?

 (だい)(じょう)()なんですか?」



「おかしな(びょう)()ではないし

 (うん)(どう)()(そく)なだけよ。


 いまごろ(いえ)(おど)って

 (あせ)でも()いてるわよ。


 ()ったらレナが(さび)しがってた

 と(つた)えておくわね。」



「そんな()(ども)みたいに()ってません。


 (はや)()くなって()しいだけです。」



(ばん)部屋(べや)のメノーが(やす)みに(はい)り、

(やかた)(とど)けられる()(がみ)(りょう)()った。



(にん)(しょう)(かん)()()(ごと)をするファウナは、

できた()()(かよ)いの(しょう)(にん)から

()(あつ)めた(しゅ)()(ほん)()んでいた。



(きゅう)(よう)()(ひら)かれる(べん)(きょう)(かい)()く、

わたしは(さい)(かい)()(のぞ)んでいた。



レナタと(おな)(おも)いで(とも)(くび)(たて)()ると、

サンサがわたしに()(くば)りをした。



()()(ばなし)はこのくらいにして、

 (はや)()かないとアイリアに(きら)われるわよ。


 ()(ほう)(こく)()(たい)しているわね。」



「うぅ…。」(こと)()にならないレナタ。



()(だん)(どお)りで()れば(しん)(ぱい)いらないわ。


 ニクスとスーがおかしなことを

 しないように()()っておいてね。」



「…しないよ。」と、わたし。



(しつ)(れい)だよねぇ。」スーも(どう)()する。



「あなたが(いち)(ばん)(しん)(ぱい)なのよ。」



「どうしてさぁ!」



()(まん)(あら)わにするスーは、

サンサに()(なか)()されて()()された。




 ◆




わたし(たち)()(しゃ)使(つか)わず、

(ある)いてアイリアの(やかた)()かった。



()(えい)のディーゴを(せん)(とう)に、スー、

わたしとレナタ、(さい)(こう)()をグルグスが(ある)く。



「イオスも(いっ)(しょ)なんだね。」



スーに()(てき)されるまで、

()いていたイオスを(わす)れていた。



(いや)がられるかな?」



()(そう)をしなければ、

 アイリアも()にしないと(おも)うよ。」



スーの(こと)()にイオスが()いた。



(まち)(ひがし)(がわ)(ふる)(たて)(もの)(おお)くあってね。


 (いち)()ほどは()(たの)しめる(ところ)はないけど、

 (げん)(ろう)(いん)()()(どう)(こう)(どう)、それと(さい)(ばん)(しょ)


 大人(おとな)(あつ)まる()(しょ)(おお)いかな?


 (みなみ)(ちか)いと(こう)(きょう)(ひろ)()()(じゅつ)(かん)

 (れん)(ぺい)(じょう)(へい)()(しょう)(しゃ)、それと(ぎん)(こう)だね。


 (へい)()(しょう)(しゃ)(しゅう)()(こう)(ぼう)(おお)いから、

 そっちはまだ(おもむき)(ぶか)いよね。」



「スーは(かみ)()まないの?」



(こん)(じき)(ちょう)(はつ)(こう)(とう)()()っただけの(かみ)(がた)は、

()(だん)スーが(やかた)()ごす(とき)(おな)じもの。



(ちょう)(こく)(とう)()って()()けた()

()()みにして(たば)ねていた。



「この(まえ)はアイリアの(こう)(ぼう)()りるから、

 お(めか)ししたんだよ。


 今日(きょう)(しゅ)(やく)はレナタだもん。」



「アイリアというひとは、

 マルフと(こん)(いん)(むす)んでるんだよね?」



「あれ? ()ってなかったかな。


 レナタ、(だい)(じょう)()?」



(だい)(じょう)()…。(だい)(じょう)()。」



()(ぶん)()()かせるように(つぶや)くレナタ。



(かの)(じょ)(かお)(けっ)(しょく)(うしな)って、

わたしの(うで)()いて(ちい)さな身体(からだ)

(こわ)()らせているので(ある)(にく)い。



イオスは(かた)(まえ)(あし)()ばして、

わたし(たち)(かみ)(あそ)ぼうとする。



ファウナを真似(まね)して、

イオスの(かお)(いき)()きかけて(しか)ってみた。



イオスは(おどろ)き、()()(ひら)いて()まった。



(かみ)()(きん)(あか)(いろ)(ひも)で、

ファウナが(つく)った(くび)()をしているイオス。



レナタのピンク(いろ)のリボンの(した)には、

わたし(たち)(おな)(きん)(あか)(いろ)(ひも)(むす)んでいた。



わたしの()(せん)()()いた(かの)(じょ)は、

(むす)んだ(かみ)(つま)んで()せて()(しょう)する。



(まえ)(ある)くディーゴが(あし)()めた。



()いたよ。」と、スー。



(ほん)(とう)(ちか)かったね。」



(よる)(やかた)からアイリアの(やかた)は、

(あか)(つち)(おか)(きた)(くだ)って

すぐの(ところ)にあった。



挿絵(By みてみん)



(つう)(じょう)(てい)(たく)(げん)(かん)(きた)(がわ)にある。



(よる)(やかた)(げん)(かん)(みなみ)(がわ)にあり、

(らい)(かん)(しゃ)(きた)(がわ)()(ぐち)()(どう)することで

(きゃく)さん(どう)()(せっ)(しょく)()ける、

(ごう)()(てき)()()みを(さい)(よう)している。



スーは(とびら)(まえ)()(だん)(はし)って()()った。



(とびら)()いた(えん)(けい)をした(てつ)()を、

()(てい)された(てつ)(たま)(たた)きつけて(おと)()てる。



(たた)(がね)になっている(てつ)()

(こう)(ちゅう)()(なか)のように3(ぶん)(かつ)され、

(もん)()(かか)げられた(しゅう)()(おな)じく

(ぶん)(すい)(がい)(ぼう)(へき)(かわ)(しめ)す。



「カヴァの(たた)(がね)(てい)(てつ)らしいね。」



(たた)(がね)(らい)(ほう)()らせる(どう)()



()(だい)では(ゆう)(ふく)(やかた)(あるじ)が、

()(ろう)(しゃ)などの()(てい)(がい)(らい)(ほう)(きら)って

(とびら)(まえ)(おも)(くさり)()(れい)(つな)いでいた。



(らい)(きゃく)()らせる()(れい)()ていた()(あい)

(くさり)(ぼう)()(れい)(たた)()こしたのが

(たた)(がね)()(げん)とされる。



(とびら)(たか)()()(そな)()けられた()(まど)から

()(えい)(かお)()して、また()(まど)()じられた。



「カヴァは(てい)(てつ)(りゅう)(よう)してるの?」



(はず)()ちた(てい)(てつ)には

 お(まも)りの()()があるんだって。


 カヴァの(しゅう)()(おな)()(がら)だもんね。


 (かざ)れば(くに)(まも)ってくれる、ってね。」



(しょ)(ぞく)(こっ)()への()(ぞく)()(しき)

 (おう)への(ちゅう)(せい)(しめ)すんだね。」



ネルタでは(いの)りがそれに(がい)(とう)する。



「そこまでは(かんが)えてないと(おも)うよ。


 (やす)くも(たか)くもない(うえ)に、

 使(つか)(がっ)()()いから()(きゅう)したんだよ。


 ()てるものにも()()はある

 って()うもんね。」



そんな(かい)()をしていると、

(かっ)(しょく)(かみ)(はく)(はつ)()じりの(しょ)(ろう)(おんな)

(とびら)()けて(いき)()らして()てきた。



「こんにちは、マーリャ。


 アイリアに()()(てい)だったのだけど

 (おそ)くなってしまったかしら。」



「すみません、お(じょう)(さま)。」



「スーでいいよ。」



「お()たせいたしました。

 それがその…。」



マーリャと()ばれた使()(よう)(にん)

()(なか)()がった姿()(せい)(ふか)(あたま)()げ、

(なん)()(あやま)りながら(こと)()(にご)す。



挿絵(By みてみん)



()(えい)のグルグスとディーゴとは(げん)(かん)(わか)れ、

スーがマーリャに(たの)んだおかげでわたしは

イオスと(とも)(やかた)(はい)ることが(ゆる)された。



イオスを(ろう)()()ろしても

(みぎ)(うで)にイオスの(かん)(かく)(のこ)る。



(きん)(ちょう)するレナタは(うで)(はな)してくれない。



()(じん)はいま(きゅう)(らい)(きゃく)

 (たい)(おう)をされてまして…。」



「それなら()わるまで

 ()(きゅう)()っているわ。


 (ゆう)()れの(かね)()(まえ)になったら

 ()(あらた)めるから。


 そのように(つた)えてくれる?」



()かりました。」



マーリャはまた(ふか)(あたま)()げ、

わたし(たち)(あたま)()げた。



「さぁ、()こっか。

 いまなら(にゅう)(しょく)(じゅう)()()()(ほう)(だい)だよ!」



スーが(こえ)(はず)ませて()()けると

レナタが(ひょう)(じょう)(あか)るくし、

わたしの(うで)()いた。



「ニクスも()きましょう。」



()って! レナタ。」



(きゅう)(はし)って(つまづ)いた(かの)(じょ)(ささ)()げ、

(わら)()ってから(いっ)(しょ)(みどり)(にわ)(ある)く。



(かの)(じょ)(かん)(じょう)(へん)()はとても()(まぐ)るしい。



「あの()はなにか()かりますか?」



(にわ)には(たか)()びた(かたち)()わった()

(ほん)だけ(みょう)()(しょ)()えられて、

()(さき)にだけ()(ひろ)がっていた。



「マルフ(そう)(とく)()えたんだって。


 ペタでなくても(そだ)つんだね。」



「あ、(おうぎ)()いているわ。」



()(ほそ)めて(さき)(なが)めると

()(さき)()えている()は、

部屋(へや)(くう)()()()える(とき)使(つか)

まだ(みどり)(いろ)をした(おうぎ)()だった。



(おうぎ)として使(つか)うには

()(かさ)ねて()(そろ)えなければならず、

()びた()(おお)きく(ひろ)がっている。



挿絵(By みてみん)



(せい)(かい)です。」



(おうぎ)ってこんな()だったのね。」



(たて)(もの)()()より(たか)()(さき)()()げる。



(こう)()(かん)(れい)なネルタでは(おうぎ)()(そだ)たず、

(おうぎ)(おう)にのみ使(つか)われる(どう)()とされていた。



使()(よう)()()(なつ)(かぎ)られて、

ネルタでは(じつ)(ぶつ)(おうぎ)()()(かい)はなかった。



()(だん)から(なに)()なく使(つか)っている(やかた)(どう)()を、

こうして(せい)(かつ)景色(けしき)(なか)()かけると、

サンサの()(とお)()(しき)(ほん)だけでは

()られないことを(じっ)(かん)させられる。



(さん)()がペタと(おな)じだから、

 ナショーみたいな(くさ)

 ()(めん)から()えてるんだと(おも)ってたわ。」



「…え? ナショーって(くさ)なんですか?」



「あそこに()えてるのがナショーだよ。」



「わたしも(はじ)めて()たわ。」



()って(おどろ)いて()せるとレナタが(よろこ)ぶ。



()(みどり)(いろ)をした(しょく)(ぶつ)

(なが)(ひろ)()()(ほう)()ばし、

グルグスよりも(きょ)(だい)()える。



「ナショーにとってはこの(まち)でも(さむ)いから、

 ()(じつ)(おお)きくならないそうだよ。」



(ぶん)(すい)(がい)(あつ)いくらいなのにね。」



(はや)(なか)(はい)りましょうっ。」



レナタの(こう)(ふん)はすぐには()まない。




 ◆




(えん)(ちゅう)(じょう)()(きゅう)半球形(ドーム)()()



(はく)()()られた(がい)(へき)には(まど)()く、

(りょう)(びら)きの(とびら)から(なか)(はい)ると

(おく)(ない)(ひかり)(あふ)れていた。



(あか)るい。ランタン()らずね。」



(しつ)(ない)にはいくつかの(しょく)(だい)はあっても、

(ひる)()ということもあって(とも)されていない。



(はしら)(うら)(かがみ)(はい)ってるんだよ。」



(てん)(じょう)(まど)から(はい)(ひかり)

(たて)(もの)(ささ)える(はしら)(ない)()(はん)(しゃ)して、

(かべ)(ぜん)(めん)(かざ)られた(へき)()(やわ)らかく()らす。



(しつ)(ない)(ちゅう)(おう)には6(にん)()けの(えん)(けい)テーブル。



テーブルの(てん)(ばん)には()(かげ)(にわ)(おな)じく、

(ぶん)(すい)(がい)()()(いし)()かれている。



(きょ)(だい)(かべ)のモザイク()



(てん)(じょう)(ちか)(じょう)()()かれた

(じん)(ぶつ)(かお)景色(けしき)(あか)るく()らし、

(くら)()()には(けもの)(とり)、お(さかな)姿(すがた)があった。



「ニクス、()()きましたか?


 この()はソーマの(しょう)(がい)

 (えが)いてるんですよ?」



()(どう)(しゃ)ソーマね。」



(しい)()という(ふだ)(あそ)びを(つく)った(じん)(ぶつ)で、

()(しょ)(かん)(せき)(ぞう)()(どう)(しゃ)であり(さい)(ばん)(かん)



(ほか)にも(かく)()にソーマが(そん)(ざい)するという。



わたしの()んでいる『ゼズ(とう)(ぼう)(けん)()』にも、

エルテル(りょう)(かい)(たく)(しゃ)姿(すがた)()かれている。



()(しょ)(かん)()(せき)(ぞう)のソーマは(ふく)(すう)あって、

()(かお)はそれぞれに(いさ)ましく

(あら)(あら)しい(しょ)(かん)だった。



モザイク()(えが)かれた(へい)(めん)のソーマは、

(いろど)られた(いし)から(にく)(しつ)(たい)(おん)(かん)じ、

(まい)(まい)(べつ)(じん)のような(しょ)(かん)(あた)える。



()(どう)(しゃ)ソーマはこの(しま)()つけ、

 (かく)()(かい)(たく)したひとなんですよ。」



レナタはまたわたしの(うで)()き、

12(まい)ある()(ひと)つを()()する。



「こちらが(どう)(くつ)から(しま)(はい)った

 (せん)(ちょう)のソーマですね。」



(くら)(やみ)(いっ)(てん)(ひかり)(ひろ)がり、

()(ぶくろ)()(なか)(かつ)いで

(さん)(ばし)()つソーマを()らす。



――(せん)(ちょう)なのね。

  (にく)(たい)(ろう)(どう)(しゃ)ではなくて。



(じん)(ぶつ)(りん)(かく)しか()かばない()(なか)にも、

(だい)(しょう)(さま)(ざま)(ふね)(はたら)(ひと)(びと)(せい)(かつ)()える。



「レナタ。この()はなにかしら?」



(となり)(つら)なる()には(ゆき)(かぶ)(さん)(みゃく)(つづ)く。



()(した)(がわ)には(あな)がいくつも()かれていた。



――ネルタの(みなみ)(そび)える(てん)(がい)(さん)()なら、

  (さん)(ちょう)(くも)(いただ)(どく)(りつ)(ほう)のはずよね。



(ほん)()(しき)()(そう)はついても

(たの)しんで(かた)るレナタが()たくて、

わたしは(かの)(じょ)()(せつ)(めい)(もと)めた。



「ゼズ(さん)(みゃく)ですよ。


 (ぶん)(すい)(がい)からは(きた)にありますが、

 (どう)(くつ)(こう)からは(みなみ)のすぐ()(まえ)

 この(さん)(みゃく)なんです。」



「ゼズ(さん)(みゃく)(はん)(たい)(がわ)()かれてるのね。」



ゼズ(さん)(みゃく)はこの(まち)(きた)にあって、

ネルタの(みずうみ)から(なが)れる(かわ)(とう)西(ざい)()かれる。



(ぶん)(すい)(がい)から(どう)(くつ)(こう)への(みち)

(ひがし)のエルテル(りょう)(くだ)り、

(ふもと)のメルセ(りょう)(けい)()して

(さん)(みゃく)()(かい)しなければならない。



()(なか)にある(さん)(みゃく)(した)(がわ)には、

(せい)(ろっ)(かく)(けい)(いし)()()められていた。



「『(くら)(やみ)()()(ひかり)(こば)(さん)(みゃく)。』

 っていう(うた)があるね。」



ソーマが()んだとされる

ゼズ(さん)(みゃく)()をスーが(うた)った。



(きた)(どう)(くつ)(こう)から(さん)(みゃく)(ふもと)には(かわ)(なが)れ、

ソーマは(ひがし)()()して(しゃ)(めん)(のぼ)ると

()(かい)には(みどり)(ひろ)がった。



(ぼう)(けん)()()かれていた景色(けしき)

そのまま(かべ)()かれている。



「これはエルテル(りょう)ね。」



(かい)(たく)(しゃ)のソーマですね。」



(しろ)(くろ)(あか)(かっ)(しょく)(けもの)(たち)(なみ)(つく)り、

(つえ)(かか)げた(おとこ)姿(すがた)(おう)(ごん)(ゆか)(ある)く。



ソーマの()ているキャシュクの(すそ)(なが)い。



(けもの)(たち)(なみ)(うえ)(いぬ)(はし)り、

(うし)(ひつじ)()れを(ゆう)(どう)していた。



(おう)(ごん)(ゆか)()

パンの(げん)(りょう)になるブレズの()



挿絵(By みてみん)



(かい)(たく)()(だい)(えが)いてるからね。」



スーが()う。



(しょく)(だい)()つソーマはメルセ(りょう)



(ゆみ)()くソーマはオーブ(りょう)()()



(ほん)()むソーマは(ぶん)(すい)(がい)(さい)(ばん)(かん)



(けん)(かか)げるソーマはカヴァの(おう)になる。



(かく)(りょう)()(くに)(えが)かれている。



かれらの(あし)(もと)では(うし)(つち)()こし、

(ひつじ)(くさ)()み、(うま)()()け、

(うさぎ)(せつ)(げん)(たたず)む。



レナタの(かい)(せつ)(たの)しみ、

スーが(とき)(おり)()(そく)してくれた。



ここにある12(まい)()(なか)にわたしの()(きょう)

(みなみ)()()するネルタの姿(すがた)(そん)(ざい)しなかった。




 ▶

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