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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第6章 暗晦の道(前)

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第6章 第3節 卓上の雷鳴(第2項)

フルリーンとは(おか)(した)(わか)れて、

(ゆう)(しょく)()(こく)までには(やかた)(もど)れた。



()(なか)()(あせ)(はだ)()()らし、

キャシュクにまで(にじ)む。



西(にし)からは(しょう)(ろう)(かね)()

(ひがし)(ほう)(がく)からは(えん)(らい)()こえる。



(あめ)()(まえ)()かったわね。」



(よる)(やかた)()(ぐち)()くと

サンサがわたし(たち)()(むか)え、

()()(かん)(さいな)まれた。



挿絵(By みてみん)



(かの)(じょ)のチュニックの(くび)(もと)

フリルではなくチュール()()になって、

(ふく)(した)(しろ)(はだ)(うす)()けて()える。



「なにかあった?」と、わたしは(たず)ねる。



サンサが(かえ)りを()っているなんてことは、

おそらく(きょう)(ちょう)(ちが)いない。



(こえ)がしたから(むか)えに()たのよ。


 エルテルからの()(もつ)()たのに、

 (やかた)()ないでどこ()ってたの?


 レナが(すべ)(かた)()けたわよ。」



わたし(たち)(うなず)き、(かお)()()わせる。



――レナタには(あと)(あやま)っておこう。



「サンサのお(きゃく)さんが()

 ()(しょ)(かん)まで(あん)(ない)してたから、

 (やかた)(たい)()はできなかったんだよ。」



わたしの便(べん)()(てき)(せつ)(めい)にスーも(どう)()する。



「わたしの?」



()ってた? サンサ。

 フルリーンって(わたし)(おな)(どし)なんだよ。」



「フルリーン?

 あぁ、メテオラの(むすめ)のサンサのことね。」



サンサが()(ぶん)()(まえ)()った(ため)

わたし(たち)はまた(かお)()()わせ、

(こん)()(くび)(ひね)った。



()()いなの?」



「オーブ・セク・サンサが(かの)(じょ)()(まえ)


 フルリーンは(さく)(ひん)()れる(めい)でしょ。


 (かの)(じょ)をサンサと()()けたのはおじい、

 (せん)(せん)(だい)(りょう)(しゅ)のグレイ(ろう)よ。


 わたしがオーブに()(ころ)に、

 (かれ)には()()になったわ。


 (した)(ばたら)きをしていた(かの)(じょ)

 こちらに()たということは、

 ついに()んだのね、おじいは。」



()(じん)について(かた)っているのに

サンサの(こう)(かく)()がる。



――偏屈(クランク)(こう)(けい)(しゃ)ね。



(かの)(じょ)、ユヴィルの(よう)(へい)

 (こぶし)(ひと)つで(たお)したんだよ。


 オーブは(おんな)のひとも

 (けん)()(つよ)いのって(ほん)(とう)だね。」



「もう(ねら)ってきたのね。


 あの()がついてて()かったわね。」



(あし)(もと)にいたアルが()いて(かの)(じょ)()かれる。



イオスもアルを真似(まね)して(かす)れた(こえ)()き、

わたしはこの(しろ)()(だま)(つか)()げて()く。



挿絵(By みてみん)



(あせ)()れたわたしの(うで)(あご)()めて、

その(した)(こす)()っていく。



「マルフが(ない)(ゆう)(がい)(かん)

 また()(いた)めるわね。」



「それで(こん)()ね、

 (かの)(じょ)()んでる(こう)(ぼう)

 (けん)(がく)()こうと(おも)うの。


 (ぎん)(こう)(ちか)くにある。」



(こう)(ぼう)ってそれ、

 この(まち)(へい)()(しょう)(しゃ)でしょ。


 まあそれだけ(きん)(じょ)なら(かま)わないけれど、

 ()(えい)()れて()きなさいよ。」



(かえ)りの()(しゃ)でフルリーンはスーと

ずっとお(しゃべ)りをしていたからか、

(かの)(じょ)()わずに()んでいた。



わたしも(たの)しい(かえ)(みち)になり、

身体(からだ)()(しゃ)()れた。



「サンサ、()てこれ。」



()(ぐち)から(たて)(もの)(なか)(はい)ると、

スーは(ほん)をわたしに()()ける。



イオスが(かた)(のぼ)る。



スーは(おび)(ひも)(おび)(ぬの)(はず)し、

キャシュクを()いで(はだ)()姿(すがた)になると

()(ぶん)(ゆた)かな(むね)(あら)わにした。



(そと)から()られる(しん)(ぱい)はなくても、

スーの(おこな)いは(あさ)ましい。



「フルリーンが

 (あたら)しい(むね)()てを ()ってきたよ。」



挿絵(By みてみん)



身体(からだ)はすぐには()わらないから、

 (くび)()(なか)のリボンの(なが)さは(さき)(しば)って、

 (むね)(まえ)のボタンで調(ちょう)(せつ)するんだよ。」



スーはボタンの()()(はな)して()(なお)す。



「これなら(かん)(たん)(ちゃく)(だつ)できるよね。」



大人(おとな)のメノー(よう)にシルクで(つく)られた

(はだ)()(むね)()ては、ボタン(あな)()えれば

スーでも(ちゃく)(よう)できるものになった。



いつもより(ゆた)かになった(かの)(じょ)(むね)(とも)に、

(きょう)調(ちょう)された(めい)(あん)(おお)くの(おとこ)()(せん)(あつ)めた。



「スーはこれを()けて、

 ()(しょ)(かん)まで(おう)(ふく)してたんだよ。」



()けて()ごした(かん)(そう)は?」



(うご)きやすかったよ。


 ちょっとボタンが()になるけど。」



「それは()かったわね。

 でも()(ひん)(おお)いわ。


 ()()身体(からだ)(たい)(おう)するにしても、

 (りょう)(さん)するには(こう)(すう)()らしたいわね。


 いまの(こう)(じょう)(ひと)つで()りるかしら…。」



サンサはスーの(むね)()(まわ)して、

(せい)(ぞう)(こう)(てい)(そう)(ぞう)している。



「もしかして(けん)(さく)(ばん)()うの?」



「ボタンを(つく)るだけで

 ルービィから(けん)(さく)(ばん)(こう)(にゅう)(きょ)()なんて

 ()りないわよ。


 『わたしの(やかた)をあなたの(こう)(ぼう)にする()?』

 ってまた(しか)られるわ?」



「それ()てる。」スーは真似(まね)(よろこ)ぶ。



サンサが()いているアルの

尻尾(しっぽ)()(もと)(ゆび)(さき)(かる)(たた)く。



(たた)かれる(たび)にアルが(くび)(うご)かして、

(はな)(さき)()める(うご)きをして(せわ)しくなる。



「それで(しょ)(しつ)()らされていたのは、

 あなた(たち)がなにかしたんでしょう?」



「えぇー…。(だれ)()らされたの?」



スーが()らない()りをしてわたしを()る。



イオスはわたしの(みみ)()んできた(ため)

(いた)みの(はん)(しゃ)(あたま)(うご)かすと

()(だま)(おどろ)いて(ほん)(うえ)()ちた。



「またルービィに

 (くち)(やかま)しく()われたのよ。」



「また(しか)られたんだ。」



(せん)(ぷう)()やポンプの()(だい)なる(はつ)(めい)(ひん)が、

 ()()(しゅう)()にまで()されて

 (ほう)()されてたのよ。


 (ひど)()(さま)だったわ。」



「それはいつもと()わらないよね。」



「そんなことないわよ。


 どこになにがあるか

 ()かるように()(あく)してたもの。


 (そと)までは()てなかったでしょ?」



「えぇー、()()だよ。()()。」



スーの()(けん)

わたしも(くび)(たて)()って()った。



今日(きょう)(しん)(にゅう)(しゃ)()たから。」



「あら、ニクスまで

 (もう)(じゃ)(たわむ)れとでも()うつもり?」



サンサはわたしの(こと)()(うたが)う。



「わたし(たち)()(まえ)から()れてたから。


 なにか(ぬす)まれてるかもしれないよ?


 だって(なか)にある(もの)(すべ)てなんて、

 だれも(せい)()してないんだし。」



サンサが()(あく)していると()っても、

わたし(たち)(せい)()をしていないので

だれにも(はん)(べつ)はできない。



(おく)には(ほん)があるから

 それを()(もく)(てき)(ねら)ったのかもね。


 ガラクタばっかりでも。」



便(べん)()(てき)(かい)(しゃく)(なら)べるわたしに、

スーもキャシュクを()ながら()った。



「ガラクタではないわよ。」



()(だい)なる(ざん)(ぱん)? だったかな。」



わたしは(うろ)(おぼ)えで()うと、

スーが(わら)ってサンサは(くび)(よこ)()った。



()(だい)なる(はつ)(めい)(ざん)()よ、もう。


 ルービィに(しか)られた(あと)

 あなた(たち)になにか()っても

 ()(かた)がないわね。」



サンサは()って()(ぶん)(せっ)(とく)した。




 ◆




挿絵(By みてみん)



「あ、おかえりなさい。」



(しょく)(どう)()くと

(こん)()はレナタが()(むか)えてくれた。



挿絵(By みてみん)




()(あん)(あた)えるサンサの()(むか)えとは(ちが)って、

レナタは(あん)(しん)(かん)(あた)えてくれる。



「どうしたの、スー。その(むね)。」



「レナタこそ。」



レナタはすぐにスーの(むね)()てに()()いた。



レナタは今朝(けさ)(おな)じようで、

(じゃっ)(かん)()わった(ふく)()ている。



いつも()ている(くろ)のチュニックでも。

(ふく)らみ(そで)(ぬの)()()けていた。



(おな)()()のせいで

いまのサンサの(かっ)(こう)にも()ている。



(あたら)しい(ふく)ね。もっと()せて。」



わたしの(よう)(ぼう)

レナタはその()(ひと)(まわ)りして()せてくれた。



(なが)(すそ)(えん)(しん)(りょく)(ひろ)がると、

()ていたフランジから(かん)(せい)()く。



(やかた)()(きゅう)されている

フランジ(よう)のキャシュクと(ちが)って、

(かの)(じょ)(ふく)(うえ)(した)()かれている。



「エルテル(りょう)から(とど)いた(なつ)(ふく)を、

 ルービィに(たの)まれて()てみたんです。」



レナタは()ってから()ずかしがる。



「オーナーはまだ()る?」



スーは(しょく)(どう)から(ちゅう)(ぼう)まで()(わた)した。



それらしい(じん)(ぶつ)はわたしも()つけられない。



「もう(かえ)ったわよ。


 (せん)(こう)(かい)(ちか)いからまたすぐ()るわよ。」



()わった(ふく)だね、レナタの。」



(くるぶし)(とど)(なが)さの(すそ)には、

いくつもの()()()いていた。



(すそ)(まわ)りの(なが)さは()()(かず)によって

(こし)(まわ)りの(なが)さの(ばい)()(じょう)になり、

()()(そう)(とう)(はば)(ひつ)(よう)になる。



()(ども)(よう)(ふく)とはいえ、

その()()はわたしには(そう)(ぞう)がつかない。



(すそ)がお洒落(しゃれ)なチュニックだね。」



「チュニックではなくて

 ドレスっていうんですよ。」



(ぬの)()(すそ)(なが)さで(ふく)()(まえ)()わるのよ。


 これはあくまで()(とう)(しつ)

 お()()(よう)ね。」



「これからどこかに()()ける…?


 そんな()(こく)でもないね。」



()(もん)()(とう)したわたしにサンサが(うなず)く。



()()ちてから()()けるひとはいない。



そんな()(じょう)(しき)(こう)(どう)()こすのは、

(やかた)()()のわたしくらいなものだった。



「どちらに()ってたのですか?」



「お(きゃく)さんと()(しょ)(かん)だよ。」



「この(なか)から()みたい(ほん)はある?」



(ほん)(うえ)()せたイオスがビャオと()く。



(しょく)()(もと)めるイオスを(ゆか)()ろすと、

アルと(とも)(ちゅう)(ぼう)(はし)っていった。



()(しょ)(かん)でスーが()った(しゃ)(ほん)は、

(たい)(りく)のものが(おお)かったせいか

レナタは(だま)って(くび)(よこ)()る。



(かの)(じょ)(うれ)いの(ひょう)(じょう)()かべている。



「なにかあった?」わたしは(たず)ねる。



レナタはわたしを()て、サンサを()た。



レナタは(だま)っているので、

サンサについて()になることを

(ほん)(にん)(まえ)でレナタに(たず)ねてみた。



「レナタはサンサが

 『(とう)(ぞく)(だん)(かい)(めつ)させた(じょ)(けつ)。』

 なんて()ばれていたの()ってた?」



「えっ?」レナタも(おどろ)いて()()(ひら)く。



わたしも()(しゃ)でその(はなし)()いていた。



(かた)(うで)で100(にん)(はい)()(したが)えていたとか、

(おそ)ってきた(とう)(ぞく)(かえ)()ちにしたとか、

(しん)(じつ)()()(はなし)、つまり(あき)らかな(りゅう)(げん)



「オーブに()(ころ)(おお)(むかし)(はなし)だって。」



(おお)(むかし)って…あのねぇ。スー。


 20(ねん)(まえ)はそんなに(むかし)ではないでしょ?」



(むかし)だよ。

 (わたし)(たち)みんな()まれてないもん。」



スーから()(てき)()けると

サンサは(ちから)()()()(すわ)った。



「これ、(しょく)()(まえ)()いて、

 ()(ぶん)()(はなし)ではないわよ。」



(しょく)(どう)のテーブルを(ゆび)(さき)()()く。



「ネルタから()げてた()(ぞく)を、

 (おそ)ってた(れん)(ちゅう)から(たす)けただけよ。」



「サンサが(とう)(ぞく)(うら)まれることをした

 わけではないんだ。」



わたしの(けん)(かい)にレナタが(うなず)く。



「してないとも()えないわね。


 (れん)(ちゅう)()(ぞく)(おそ)った()(ゆう)

 (きゅう)(きょく)(てき)()()(かん)(そう)()にあるの。


 (ぼう)(りょく)(さい)(しゅう)(しゅ)(だん)だもの、

 もう()(ゆう)()()はないわ。


 (ころ)すか、(ころ)されるか。


 (いのち)(うば)()いに(ただ)しさなんて()いのよ。


 その()(ぞく)()(ども)一人(ひとり)(のこ)して

 みんな(ころ)されてたのよ。


 ()った(はか)(あな)(かず)は100を()えてたわ。


 ()(はなし)ではなかったでしょ?」



(かの)(じょ)(はなし)()わると

(おお)(つぶ)(あめ)()()(にわ)(たた)く。



(あま)(おと)(しょく)(どう)(なか)まで(つた)わり、

(せん)(こう)(あと)には(らい)(めい)(くう)()()らした。



(しん)(どう)(ともな)(ひく)(おと)を、

フランジが(りゅう)()(ごえ)()って(おび)える。



サンサの(はなし)()いていたスーも、

()()()かせていた。



わたしは(あま)(おと)(おも)()して、

(そと)()ると()(かげ)(にわ)(てん)(がい)

(あめ)()(まえ)(はず)されていた。



(じゅう)(ぎょう)(いん)のナディが

わたしに(ちい)さく()()るので、

(かの)(じょ)(かた)()けてくれたのがわかった。



挿絵(By みてみん)



「あら、ニクス、おかえり。」



(おく)れてやってきたメノーが

(らい)(めい)(たの)しみながら(せき)()いた。



挿絵(By みてみん)



(あめ)()たって(あか)(かみ)(かす)かに()れている。



(もど)ってきたのはあなたの(ほう)でしょ。」



メノーが(あか)(ひとみ)をサンサに()けた。



(びょう)(いん)()ってたの。


 今朝(けさ)(しん)(にゅう)(しゃ)()(もと)()ってた(とお)り、

 ユヴィルの(よう)(へい)だったわ。」



今日(きょう)この()(たち)(おそ)われてたのよ。」



()(くさ)くなるわねぇ。」



「その(ほう)(しゅう)()()いて(はな)()くでしょ。」



二人(ふたり)(おそ)われた()(じつ)(たい)しても、

なにかを(たくら)(はな)()っている。



わたし(たち)はテーブルに(ゆう)(しょく)(なら)べ、

スーに(おし)えられながらパンを()()る。



(かの)(じょ)()ってみせたパンは(あつ)さが()(きん)(いつ)で、

(なか)には(うす)()けているものもあった。



これはわたしの(しょっ)()()ることにした。



(さき)(しょく)()()ませたアルとイオスが

わたし(たち)(もと)(もど)ってきた。



イオスが(らい)(めい)(おどろ)き、

(みみ)(たお)して()(さか)()てる。



「スーは(こん)()(きゅう)(よう)()にレナを()れて、

 アイリアに()(らい)をして()しいのよ。」



「えぇ? (わたし)が?」



スーもレナタと(おな)じように、

どこか(しょう)(きょく)(てき)になっている。



「わたし、アイリアの(こう)(ぼう)でしたら

 一人(ひとり)()けますよ!」



レナタは(おお)(ごえ)(はな)って(こう)()しても、

サンサは(とう)(ぜん)それを(そう)(てい)している。



「レナはニクスを()れて

 (あん)(ない)をしてあげなさい。」



サンサは()()かれないよう()()けると、

レナタは(くち)(もと)(ゆる)ませる。



(かん)(せい)した()(きゅう)(しょう)(かい)しないとだね。」



()(きゅう)?」



スーの(こと)()(たず)ねて()たけれど、

(だれ)からも(こた)えは(かえ)ってこなかった。



「ニクスが(いっ)(しょ)なら…、

 なんだか()くのが

 (たの)しみになって()ました。」



(かの)(じょ)(うれ)いの()れた(ひょう)(じょう)で、

わたしの(うで)()って(となり)(すわ)る。



サンサはわたしを()(えさ)にして

二人(ふたり)()()けた。



()()くする二人(ふたり)()てしまい、

(すで)(えさ)として()べられたわたしは

()(けん)(ひか)えなければいけない。



レナタがこうした(ひょう)(じょう)()かべる()は、

()まってサンサの部屋(へや)のベッドに(はい)る。



(しょく)(ぜん)(いの)りを()ませてから

わたしはレナタに(しつ)(もん)した。



「レナタは(こん)()もサンサの部屋(へや)()るの?」



「えっ? な…?」



なぜか(どう)(よう)()せるレナタ。



(だれ)にも()()かれていないと

 (おも)っていたのかしら? この()。」



「わたしのベッドでも()いのに。ねぇ。」



と、メノーが(からか)う。



「ニクスは()()いてたんだ。」



「みんな()っててわたしにも(だま)ってたの?」



この()(ぜん)(いん)(もく)(にん)していた。



わたしの(けい)(そつ)(しつ)(もん)により

レナタの(こう)(ぜん)()(ごと)(あば)かれ、

(ほん)(にん)にまで(つた)わってしまう。



(かの)(じょ)(かお)真赤(まっか)()める。



(しゅう)()した(かの)(じょ)はわたしの(ふと)(もも)(かお)(うず)めた。



「そんなに()ずかしがることかしら。」



と、サンサが()って(かの)(じょ)()()む。



「ごめんね、レナタ。」



わたしは(かの)(じょ)(ぎん)(かみ)()でて(あやま)る。



レナタはわたしの(ふと)(もも)(うえ)で、

(だま)って(くび)(よこ)()った。



()(ぶん)()(しょ)(うば)われたイオスは、

わたしの身体(からだ)(のぼ)ろうとする。



「ニクスもわたしのベッドで()る?」



()ないよ。


 サンサはすぐ()(ども)(あつか)いして、

 (からか)うの()くないよ。」



わたしがそこまで()って()めると、

サンサはメノーに(わら)われていた。



「レナタは(こん)()(わたし)のベッドで()る?」



「それは(ぜっ)(たい)(いや)ぁっ!」



スーの(さそ)いをレナタは(きょ)(ぜつ)し、

(さけ)びがわたしの(ふと)(もも)(ひび)く。



(いの)りを()えたのに

いつまで()っても()べられない。



(らい)(めい)が、お(なか)()(めい)(つつ)(かく)した。



挿絵(By みてみん)




◆ (だい)(しょう) 『(あん)(たん)(みち)』 つづく

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